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スマホでフルHD動画、ドコモがHEVC復号ソフトをライセンス

 NTTドコモは、新動画圧縮方式「HEVC」で圧縮された動画をモバイル機器やパソコンで復号化するソフトウェアを3月中にも提供する。

 1月25日、ITU(International Telecommunication Union)で通信分野の標準化を行うITU-T 第16研究グループ(Study Group 16)は、次世代ビデオコーデックとして「H.265」を承認した。新ビデオコーデックは、「HEVC(High Efficiency Video Coding)」と呼ばれるもので、現在幅広く利用されているH.264/MPEG-4 AVCの約半分のビットレートで、同等のクオリティの映像が配信できるとしている。

 今回提供する復号ソフトは、HEVCで圧縮された動画をモバイル機器などで再生できるよう複合化するためのもの。スマートフォンでのフルHD再生に対応し、再生遅延やコマ落ちのない再生が可能としている。

 対応解像度は、800×480ドットの30fps、1920×1080ドットの30fps。またパソコンでは、フルHDの4倍の解像度となる「4K」(3840×2160ドット、60fps)動画にも対応する。

 高い動画圧縮率が特徴となり、従来のMPEG-4 AVCでは、800×480ドットの30fpsの動画を送る場合に1600Kbpsかかっていたが、800Kbpsとなる。フルHDの場合は3200Kbpsが1500Kbpsとなる。

 ドコモでは、復号ソフトを国内外のベンダーやソフトウェア開発会社にライセンス提供することで、HEVCの導入を促進させたい考え。専用Webサイトで申し込みを行い、ライセンス料などは個別に決定される。同社は今後、「dビデオ」や「dアニメストア」といったドコモの各動画サービスにも取り入れるべく検討を進めるという。

 このほか、今回のデモンストレーションは、スペインで開催されるイベント「Mobile World Congress 2013」で実施される予定。

(津田 啓夢)