ニュース

市販薬ネット販売「賛成」が6割、市場が2400億円拡大する可能性も

 電通総研は27日、市販薬のインターネット販売に関する意識調査の結果を公表した。調査は3月、20〜60代の男女2000人からインターネット経由で回答を集めたもの。その結果、市販薬のネット販売に反対する声は10.7%にとどまり、58.7%が賛成、どちらともいえないという人は30.7%だった。

 市販薬のネット販売をめぐっては最高裁判所が1月、厚労省による規制は違法と判断。現在、厚労省がネット販売に関するルール作りを検討している。調査によれば、市販薬のネット購入が可能になった場合には、77.2%が「利用したい」と回答。今まで購入していなかった市販薬をインターネットでならば新たに購入するという人は46.2%に上った。

 新たな購入意向者が多い医薬品カテゴリーとしては、「滋養強壮剤・ビタミン剤」(10.0%)、「育毛剤」(9.7%)、「漢方薬」(9.5%)だった。電通総研では、6000億円強と推計される市販薬市場全体が、ネット販売によって最大で約2400億円拡大する可能性があるとみている。

 また、これまでドラッグストアで購入していた市販薬について、今後はインターネットでも購入したいという回答の割合が高かったのは、「育毛剤」(73.4%)、「妊娠検査薬」(65.7%)、「外用消炎鎮痛剤」(63.8%)だった。

 このほか、市販薬のネット販売に求めることとしては、「商品が安いこと」(70.7%)、「品揃えが豊富なこと」(59.8%)、「副作用情報の表示」(52.1%)が多く、ネット販売に賛成の人も含めて、副作用に不安や懸念を抱く人も多かった。

(増田 覚)