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【使いこなし編】第281回

ケーブル不要で手軽にバックアップ! iPhoneの写真をWindows PCにiCloud経由で転送する

 第275回から、スマートフォンのデータをPCへバックアップする手法を実践している。

 まずはiPhoneを対象に、Windows PCでは「Appleデバイス」アプリ、Macでは「Finder」を使ってバックアップを実践し、復元までの手順も紹介した。ここまでに実践した方法で作成したバックアップデータは、iPhoneを丸ごと復元するためのもので、中身を見てどのようなデータがあるか確認したり、一部のファイルだけを取り出したりはできない。

 そこで、バックアップデータの中でも特に必要になる機会が多い写真と動画を、ファイルとしてコピーする別の方法を実践している。この方法であれば、バックアップしたデータをPCやNASなどに保存しておき、任意の写真や動画を活用できる。前回は、Windows 11の写真向け標準アプリ「フォト」を使い、iPhoneとWindows PCをUSBケーブルで接続して取り込んでみた。

iCloudを経由して写真を転送する

 今回は、iPhoneで撮影した写真と動画の中でも、必要なものだけを気軽にWindows PCに転送する方法として、iCloudを経由して転送する方法を紹介する。iCloudは転送するときに一時的に保存するだけなので、無料で使える5GBでも問題ない。

 USBケーブルの接続が不要なため、気軽に写真や動画をPCに転送する用途で使うのにおすすめだ。このほか、前回紹介した手順でiPhone内の写真と動画をすべてバックアップした後に、新しく撮影した写真や動画を転送するといった用途にも使える。

 今回紹介する方法では、iCloudに保存したファイルは最終的にWindows PCに保存するので、転送後には削除してしまって構わない。削除してもiPhoneには写真と動画は残る。

今回はWindows PCとiPhoneをUSBケーブルで接続する必要はない。自宅Wi-Fi内などで実行するといいだろう

Windows PCでiCloudをセットアップする

 まず、Windows PCに「iCloud」アプリをインストールする。Microsoft Storeで「iCloud」と検索すれば見つかるはずだ。

Microsoft Storeから「iCloud」アプリをインストールする

 起動後に表示される初期セットアップでは、「iCloud Drive」をオンにしておくことが必須になる。「iCloud写真」は、iPhone側でiCloud写真に保存して活用している場合など、必要に応じてオンにしてほしい。このほかの設定は各自の判断で自由に設定して問題はない。ここで行った設定は後からいつでも変更できる。

iCloudアプリを起動すると初回のログインとセットアップが始まる。オープニング画面は省略する。まずはiPhoneで使用しているApple Accountでサインインする。ログイン時の多要素認証やパスキー認証画面も省略
「iCloud写真」は利用しているなら[写真を同期]を選び、利用していなければ[今はしない]をクリックする
「iCloud Drive」では、[ファイルを同期]をクリックする。ほか、パスワードとブックマークの同期もあるが省略する。最終的に[設定を完了]で終わらせる
iCloudアプリが起動すると、このような画面になる。ここで個別に同期をオン/オフ可能。「iCloud Drive」がオンになっていることを確認しておく

iPhoneで転送するための操作を行う

 PCでの設定が完了したらiPhone側の操作に移ろう。「設定」アプリの最上部にあるアカウント、[iCloud]の順にタップし、[Drive]が「オフ」になっていたらタップして[このiPhoneを同期]を「オン」にしておく。これは、この転送作業後は「オフ」にしてしまっても構わない。

iPhoneの設定の最上部にあるアカウントをタップ
[iCloud]をタップ
[Drive]の項目をタップ
[このiPhoneを同期]をオンにしておく

 iPhoneの標準「写真」アプリを開き、転送したい写真や動画を選択して「iCloud Drive」に保存する。新規にフォルダーを作ってまとめておくといいだろう。

iPhoneの標準「写真」アプリで[選択]をタップ
転送したい写真を選択して、左下の共有アイコンをタップ
下にスクロールして[ファイルに保存]をタップ
[iCloud Drive]を選ぶ。この画面が表示されていない時には、左上の「<」を、「×」が表示されるまでタップすると、この画面を表示できる
保存用のフォルダーを作っておこう。「…」をタップ
メニューから[新規フォルダ]をタップする
フォルダー名を記入する
フォルダー名を記入するとフォルダーが開くので、[保存]をタップ

 iCloud Driveが同期がオンになっていれば、Windowsのエクスプローラーのクイックアクセスに登録されている。ファイルやフォルダーに付いている雲アイコンは、Windows PCのローカルにファイルが保存されていないことを表している。

 iPhoneからiCloud Driveに保存したファイルやフォルダーは、エクスプローラーに自動的に表示されるので、任意のフォルダーにドラッグ&ドロップで転送する。転送が終わったら、iCloud Driveにあるファイルは削除してしまって構わない。

エクスプローラーのクイックアクセスに「iCloud Drive」が追加される。保存したフォルダーを開く
ファイルを全選択して、ドラッグ&ドロップで任意のフォルダーにコピーする
コピー完了
終わったら、iCloud Driveのファイルは削除してしまって構わない

 写真と動画を転送したフォルダーを「ピクチャ」フォルダー内に移動すると、「フォト」アプリで表示させることができる。

「ピクチャ」フォルダー内に移動すると、「フォト」アプリで表示させることができる

 「iCloud写真」をオンにすると、Windowsの「フォト」アプリ内で「iCloud写真」を活用することができるので、iCloudの有料プランに契約して活用しているなら利用すると便利になる。

 「iCloud写真」では、iPhone内のすべての写真と動画を同期する仕組みになっており、一部の写真や動画のみを選択してアップロードするという機能はない。そのため、今回のように一部の写真や動画を選択して転送するには「iCloud Drive」を経由する必要がある。不用意にiPhone側で「iCloud写真」をオンにすると、iCloudの容量が一気に消費されてしまうので注意してほしい。

「iCloud写真」をオンにすると、Windowsの「フォト」アプリ内で「iCloud写真」を表示することができる
[ギャラリー]を選択すると、すべてをまとめて表示させることも可能だ

 今回はiCloudを使った転送方法を紹介したが、DropboxやGoogleフォトなどのクラウドストレージでも細かい操作は異なるものの、スマートフォンから写真や動画を転送できる。

 また、今回紹介したものと似た方法として、Apple製品同士であればAirDropを使う選択肢もある。AirDropはWindowsでは未対応だが、Microsoftが公開している「スマートフォン連携」アプリを使うことで似たような転送が可能になる。この方法については次回紹介する予定だ。「スマートフォン連携」はiPhoneだけでなくAndroidでも使えるので、家族でバラバラのOSを使っている場合でも使いやすいだろう。

今回の教訓(ポイント)

iPhoneの写真をiCloudを経由してWindows PCにバックアップできる
「iCloud写真」ではなく「iCloud Drive」を利用する

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。