INTERNET Watch 30周年記念インタビュー

かつてインターネットが起こし、今度はAIが起こす「破壊的イノベーション」を乗り越える~IIJ

「自由」と「デジタル主権」をめぐる未来への課題

写真左から、株式会社インターネットイニシアティブ 顧問 浅羽登志也氏、株式会社インターネットイニシアティブ 代表取締役 社長執行役員 谷脇康彦氏

 1992年12月に設立されたインターネットイニシアティブ(IIJ)は、日本のインターネットが今の姿になるにあたって重要な役割を果たし、INTERNET Watchが生まれる土壌を整えた会社だとも言える。

 今回は、同社創業メンバーであり現顧問である浅羽登志也氏と、社長の谷脇康彦氏のお二人に、これまでと、この先30年についてお話を伺った(聞き手:本誌編集長 山田貞幸 写真・構成:村上俊一) 。

INTERNET Watchは、2026年2月に30周年を迎えた。「今」を追いかけるだけで精一杯となりがちなインターネット業界周辺だが、本企画では主要プレイヤー各社に「これまでの最大の転機」と「今後30年先までの見通しや想像するイメージ、あるいは夢」を伺いながら、読者の皆様とインターネットの未来像を共有することを目指す。

「インターネット商用利用の始まり」こそが最大の転機

——これまでのIIJの歩みの中で、「最大の転機」を挙げるとすると、何になるでしょうか?

浅羽氏:「インターネットの商用利用が始まったこと」ですね。私が前職でインターネットに関わるようになった1989年の頃は、まだそれぞれの大学や研究機関がネットワークを持ち、それらを接続している状態でした。

【インターネットの商用利用】
初期のインターネットは、研究機関などの組織が持つネットワークを相互に接続し、皆で運用する「共同利用」といえる状態だった。それに対し、ネットワークを運用する事業者が(商用サービスとして)接続環境を提供し、現在のように利用者が料金を払ってインターネットを利用することを「商用利用」という。

浅羽氏:当時、「PACCOM」というハワイ大学がハブ(接続拠点)となった環太平洋地域のインターネットプロジェクトがあって、米国西海岸と、日本のほか韓国やオーストラリアのネットワークがつながっている状況でした。

 米国で立ち上がったISPの事例を参考に、日本でもISPを立ち上げて、インターネット接続サービスを提供しよう、ということで1992年12月にIIJを設立します。当時の法律だと、海外の公衆網を利用する接続サービスを提供するには郵政省が管轄する「特別第二種電気通信事業者」として登録する必要があったのですが、これの条件が厳しくて、当初は受け付けてもらえませんでした。3年間無収入でも大丈夫なことを証明しろと言われたりしましたね。

浅羽登志也(あさば としや)氏。1989年にリクルート入社。スーパーコンピュータ研究所でインターネットの研究に携わる。1992年にはIIJに1号社員として入社。初期のバックボーンネットワーク構築を担当し、BGP4に日本で初めて触れる。IPアドレス割り当てルール整備、広域LANサービス立ち上げなどにも携わり、1999年から取締役、2004年から2009年まで取締役副社長を務めたほか、2022年まで関連会社の取締役・代表取締役も歴任。現在はIIJ顧問
1989年当時の、PACCOMと環太平洋地域の主要なネットワーク(浅羽氏の講演資料より)
PACCOMの設備(浅羽氏の講演資料より)

谷脇氏:インターネットの通信は「ベストエフォート」、つまり、通信品質を完全には保証しないものですが、当時の行政からすれば、そのような、質を保証しない通信サービスというものが、まず理解しがたかった。

 当時、特別第二種電気通信事業者の登録にあたっては、公益事業である「通信」という重要なサービスを提供する事業者が簡単に撤退したり倒産したりされては困るので、運用ルールとして、3年程度は事業を続けられる財務基盤が必要だとされていました。

谷脇康彦(たにわき やすひこ)氏。1984年に郵政省(現総務省)に入省。内閣審議官・内閣サイバーセキュリティセンター(現国家サイバー統括室)副センター長、総務省情報通信国際戦略局長、総合通信基盤局長、総務審議官など、情報通信や情報セキュリティ関連の要職を歴任し2021年退官。2022年IIJに入社し、取締役副社長に。25年4月より代表取締役 社長執行役員

浅羽氏:当時、立ち上げたばかりのベンチャーだったIIJにとって、これは難題でした。結局、特別第二種の登録をなかなか受けられなかったため、国内の商用インターネットサービスとしては、すでに登録されていたAT&T Jens(米AT&Tと日本企業25社により設立されたグローバル通信企業)に先を越されてしまいました。

 AT&T Jensは、1992年11月に「Spin」というUUCPサービスを開始しています。IIJは1993年7月にUUCPサービスを開始し、1993年11月に国内限定IPサービスの提供を開始。1994年2月に、ようやく特別第二種電気通信事業者の登録ができました。

 そして、翌3月に国際専用線接続を行っています。192kbpsの専用回線で、日本側はKDD、米国側はSprint(現TMobile)回線で米西海岸へ接続しました。これが、IIJが国際も含めてIP接続サービスを開始した時ということになります。いわゆる普通のインターネット接続サービスがはじまったということです。

【UUCPサービス】

現在のインターネットは「TCP/IP」というプロトコルで通信するのに対し、「UUCP」(Unix to Unix Copy Protocol)というプロトコルで通信する。互いのネットワークが接続したときにファイルをまとめて通信する、高速・常時接続回線を利用することが簡単ではなかった時代の通信サービス

IIJの初期のバックボーン。1993年に米西海岸へと接続したのが初の国際接続(浅羽氏の講演資料より)
1995年に、大阪と米東海岸が接続し、海外へのバックボーンが2系統になる(浅羽氏の講演資料より)
1995年にT-1(1.5Mbps)3本で西海岸、さらにT-1で東海岸と接続してバックボーンに冗長性が備わり、現在に至る基本形ができたと、IIJ初期の事業について説明を受けた

インターネットは「破壊的イノベーション」だった

——本日ご提供いただいた資料に、インターネットは「破壊的イノベーション」だったと書かれていますが、こちらについて、お聞かせください。

浅羽氏:1997年に発売された「イノベーションのジレンマ」(クレイトン・クリステンセン著)を読んで、インターネットはまさに破壊的イノベーションだったのだ、と感じました。

 従来技術で市場を持っていた大手は、とても優れた経営をしているので、当時はまだ何だかよくわからないインターネットとかTCP/IPとか、保証のないベストエフォートとか、そういった未知のことになかなか投資できないジレンマがあるのです。

 そして、破壊的イノベーションが起きても、直後は影響も市場も小さいため大手は興味を示さないのですが、新しい市場が大きくなった時には対応ができなくなってしまいます。ベンチャーも最終的には飲み込まれてしまうことも多いのですが。

【破壊的イノベーション】

クレイトン・クリステンセン著「イノベーションのジレンマ」で提示された概念。既存の技術・市場における順当な「持続的イノベーション」に対し、全く異なる価値基準を市場にもたらし、既存の有力企業の優位性を破壊してしまうイノベーション。

取材時、谷脇氏からは、IIJが参入する前、つまりインターネット普及前の通信業界では、音声通話とデータ通信、国内通信と国際(二国間)通信のようにさまざまな分野に分かれていたが、米国のハブと接続して他国にも連鎖的に接続し、ベストエフォートで、どんなデータも運んでしまうようなインターネットは、当時の行政にはなかなか理解できなかったが、結果的にすべてを崩してしまった、とのコメントがあった。

浅羽氏:この破壊的イノベーションが通信で起こり、その後も情報流通における検索エンジン、物流におけるECと連続した時代だったのです。今はAIで同じことが起きています。どんどん新しい価値が生まれて、新しいサービスが市場を作っていく。そういったことを目の当たりにしてきた30年だったかなと思います。

2000年頃に通信で起きた破壊的イノベーション(浅羽氏の講演資料より)
「この破壊的イノベーションが通信で起こり、その後も情報流通における検索エンジン、物流におけるECと連続した時代だったのです。今はAIで同じことが起きています」(浅羽氏)

AIを事業運営の基盤技術として組み込む

——続いて、直近の、1~3年先ぐらいに予定されている新サービスなどについて、お聞かせください。

谷脇氏:先ほど浅羽が破壊的イノベーションに言及しましたが、2026年5月の決算発表で、IIJとしてのAI戦略を発表しました。ここから先の3年は、AIを事業運営の基盤技術として実装していくのだろうと思っています。

IIJ 2026年3月期決算説明資料(社長プレゼンテーション資料)より、AI戦略に関する説明資料の一部。AIを単なる効率化ツールのように捉えるのではなく、事業運営そのもの基盤技術、差別化の源泉として組み込み、セキュリティ、デジタルインフラ、システムインテグレーションの3つの事業領域に注力するとしている

谷脇氏:もうひとつ、「X as a Service」の適用範囲が拡大する「モノのサービス化」がさらに進んでいくと考えています。複雑化しているネットワークサービスやシステム運用のためのインフラを、各企業が内部に抱えておくというのは、難しくなっていくでしょう。

 IIJでは、ネットワーク機器や通信機能をサービスとして提供するだけでなく、ITインフラの整備・運営業務のシェアードサービスである「ストラテジックITアウトソーシング」を提供しています。このようなサービスをさらに改善し、ご利用いただくことで、企業は必要なネットワークやシステムを必要な量だけ随時調達できるようになり、スケールもしやすくなる。

 AI実装の本格化と、モノのサービス化、この2つによって、デジタルサービスの利用のしかたが大きく変わっていく。これが3年後には実現すると思っています。

【ストラテジックITアウトソーシング】

一般的なネットワークアウトソーシングではなく、ITインフラに関わるすべての業務とシステムを、シェアードサービス(事業会社の間接部門が担うべき特定の業務領域を一括して担うことで、組織の業務効率化を図ること)として提供するサービス。IIJのシステムインテグレーションのノウハウをもとに、複数の顧客企業に共通のシステム・サービスを提供し、顧客企業のKPI達成にコミットする。
ストラテジックITアウトソーシング

デジタルの負の影響が問われる議論においても「自由」は守られるべき

——さらにもう少し先の、5~10年後に予想される環境変化と、それへの対応についてお聞かせください。

谷脇氏:世界経済フォーラムという組織があり、毎年「グローバルリスクレポート」を発表しています。最新のレポートで10年後のリスクを見ると、だいたい2つのテーマに集約されています。ひとつは環境問題、もうひとつがデジタルです。

【グローバルリスクレポート】

世界経済フォーラムは、スイスに本部を置く非営利財団で、世界の経済や政治、学術研究などの分野における指導的立場の人物が参加し、情報交換や議論を行う。グローバルリスクレポートは、世界の広範囲・複数の産業に影響する大きなリスクを評価した報告書で、毎年発表されている。
Global Risks Report 2026

谷脇氏:デジタルは利便性を飛躍的に向上させますが、負の影響も問われるようになっています。SNSのエコーチェンバー効果を背景とする社会の二極化、サイバー攻撃やAIのリスク、偽情報・誤情報や有害情報、などですね。

 ただ、子どもが有害情報を見られないように法規制でアクセスをブロックするという議論に、私は否定的です。国が有害の基準を定めるのは健全ではありませんし、民間主導によるレーティングなどの自主的な対策やリテラシー教育の充実を進める方が望ましい。

 「漫画村」のブロッキングの問題についても、いろんな議論があったけれども、アクセスを遮断するには利用者本人の許諾が前提であり、表現の自由を守る必要があるということを理解してくれる人の方が多かった。これは、インターネットの自由を守るという、とても大事にしていかないといけない議論だと思っています。

【インターネットの自由、漫画村のブロック】

表現の自由やインターネットにおける自由を重視する立場の背景には、「滑り坂論法」と呼ばれる考え方がある。はじめは多くの人が嫌う表現や危険視する思想・行動を規制するために制度を作ると、その適用範囲がなし崩し的に拡大されてしまうおそれがある。ある問題に対し、そのような「滑り坂化」のおそれがある手段以外を取るべきとする考えだ。

「漫画村」はかつて存在した海賊版漫画配信サイトで、2018年に閉鎖されたが、その後同様の海賊版サイトへのアクセスをブロックするべしという議論が起きた。アクセスのブロックに関しては「通信の秘密」を侵害するとの議論もある。
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谷脇氏:インターネットの自由に関連して、最近は「デジタル主権」という言葉がよく使われるようになりました。

 デジタル分野は安全保障にも直結する領域となり、サイバー空間に国がどこまで関与するのか、そして、それぞれの国家がデジタルデータや技術の領域でイニシアチブをとれるのか、ほかの国に支配されるようなことにならないかが、問われるようになってきています。この先、デジタル主権が国力そのものになっていくと思っています。

【デジタル主権】

digital sovereignty(デジタル・ソブリニティ)とも。デジタルのサービスやデータの管理において、他国の影響を避け、自国の法制度のもと自律的な管理を実現すること。米国企業の支配が世界的に強く、中国企業のさらなる海外進出も想定される中、特に欧州で議論が進み、日本などアジア諸国においても課題となっている。
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「デジタル主権が国力そのものになっていくと思っています」(谷脇氏)

「お年寄りはインターネットを使えない」という常識は終わる

谷脇氏:かつて常識だった「お年寄りはインターネットが使えない」という世界は早々に終わるでしょう。今の80代以上でも3割の方がインターネットを使っていますが、60代や70代は9割以上です。10年先、高齢者もインターネットを使いこなしていることを前提として、高齢者が抱える問題を、どうやってデジタル技術で解決していくのかは大きなテーマです。

 日本は世界の中でも高齢化が20年ぐらい先行していますので、高齢者向けのデジタルソリューションを他国に先駆けて作って海外にも売っていけばいいとずっと言ってきましたが、ロボットなどの領域で中国などにキャッチアップされつつあります。2050年くらいになると、日本の高齢化率は40%程度になりますが、そこから先は頭打ちになります。

 その時代には、日本よりも、中国や韓国の方が高齢化率が高くなっていきます。構造的な人手不足の中、フィジカルAIなどの領域が今後ますます重要になるでしょう。

ネットワークの「集中と分散」の課題が宇宙にも広がる

谷脇氏:ネットワークにおいては、集中と分散のバランスが継続的な課題としてあります。IIJでは、白井データセンターキャンパスのような集中型の大型データセンターを整備する一方で、機動性が高いエッジ向けのモジュール型データセンターや冷蔵庫サイズのマイクロデータセンターの社会実装にも取り組んでおり、集中と分散のベストミックスの実現を目指しています。その一環として、分散する複数の小規模データセンターをネットワークで接続して分散電源と組み合わせるワット・ビット連携にも取り組んでいます。

 そして、ネットワークの存在する領域が広がっていきます。例を1つ挙げると、宇宙インターネットです。現在は宇宙で取得したデータをそのまま地上に落としていますが、宇宙に複数の小型データセンターを設けて分散・連携させることでダウンリンクの通信帯域を節約できるなど、さまざまな可能性が考えられると思います。この分野でもデジタル主権が大事です。

30年後の技術は分からないけれど、確実に日本の人口は半減する

——30年後の2056年頃に、インターネットあるいは世界はどのように変わり、そのときにユーザーとどのような関係を築いていたいと考えられますか?

谷脇氏:30年後のことは分かりません(笑)。ただ、ひとつ確実に言えるのは、その先の2100年頃に日本の人口は6200万人となり、ピーク時に比べてほぼ半減するということです。技術の予測は何とも言えませんが、人口に関する長期統計が大きくズレることはありません

 すると、日本の消費のうちおおむね半分を占める個人消費が半分になる。では、国力を維持するにはそこを別の何かで補う必要があるということで、グローバルの需要をどう取り込むか、そして新しい産業をどのように起こしていくということを真剣に考えざるを得ないと思います。

 もうひとつ。30年後といわずとも、データ駆動やAI実装の流れの中で、より細かで粒度の高いサービスの個別化という方向性があると思っています。

 例えば、医療における薬の量。今だと「成人」で一律だったりしますが、体重や既往症など、さまざまな条件により、より最適な処方があるはずです。ネットワークサービスの領域でも、こうした個別化によるサービス最適化を自動化されたプロセスで実現し、提供する、という価値の作り方が重要度を増すと考えています。

MITで提唱された「空気のような通信環境」

谷脇氏:通信に関しては、おそらく空気のような存在になっていくのだろうと思います。2000年頃、MIT(マサチューセッツ工科大学)で「プロジェクト・オキシジェン」(MIT Project Oxygen)という研究プロジェクトが立ち上がりました。どこでも空気のように通信が利用できるようにする、というものです。

 このプロジェクト・オキシジェンの内容を見てみると、「Pervasive(いたるところ)で、Human-centered computing(人間中心のIT)を実現する」と書いてあります。まさにそういった、いたるところに遍在していて、人間中心にコンピューティングが実現されていく。そのことによって人間が能力を拡張していく、そういう世界になっていくといいと思います。

【MIT Project Oxygen】

MITコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)が中心となって立ち上げられた研究プロジェクト。「空気のように、いたるところに、そして自由に。潤沢な計算力と通信力を、人々の暮らしへ自然に溶け込ませる」といったコンセプトのもと、ユビキタスコンピューティング・人間中心のコンピューティングについて、デバイスやヒューマンインターフェイスなどの技術が研究・開発された。
MIT Project Oxygen

分からないながらも、未来を見据えた投資が大切

——先ほど、デジタル主権のお話もありましたが、現在、米国内での青少年のSNS中毒訴訟やさまざまな規制の動きなどもあり、米国のテック大手は今ほどの勢いではなくなるかもしれません。そのとき、未来に日本ならではの何かが生まれる、あるいは、日本における海外のサービスの入り込み方が、異なる形に変わる、ということは考えられるでしょうか?

谷脇氏:米国ではAIの分野でも、LLMに代表されるように、大量のデータを超高速に一括処理して新しい価値を生み出す大規模集中型です。このアプローチに日本がそのまま対抗するのはかなり難しいです。そこで日本は、インターネットのように、分散型のデジタル資源をネットワークで結合し、仮想的に統合運用することも可能なデジタル基盤の構築を軸に進め、それが地域の活性化にもつながるという姿が考えられるのではないかと思います。

 また、デジタルの世界は変化が早く、スケーラビリティも強く働くので、市場ルールのあり方も新しい取り組みが求められます。例えば、欧州におけるデジタルサービスで採用されている「共同規制」(Co-regulation)のように、全てを法律で縛るのではなく、望ましい原則を定めて、プラットフォーム事業者が自発的にそれを守るようコミットしてもらう、というアプローチの比重が高まっていくでしょう。

【共同規制】

EUのAI法(AI Act)やデジタルサービス法(DSA)で採られているアプローチ。EUが大枠となる基準や目標を定め、事業者がその達成のための具体的なルールを策定して、運用する。デジタルプラットフォームやAIのような変化が早い問題に対して、柔軟なルールの策定・運用が可能になることが特徴だとされる。

谷脇氏:これからは社会課題解決型のソリューションを事業として育てていくことが重要になってきます。そこでは、日本の課題解決のプロセスで生まれた新しい知恵やビジネスアイデアがマーケットで円滑に具体化できる環境づくりが求められます。

 その際、日本に合ったやり方を考える必要があるでしょう。ただ単に流行ったサービスや他国の取り組みの後追いをしても、いいものは生まれません。次に何が来るのかを多様なコラボレーションの中で考え、そこにしっかりとシードマネーを入れて育てることが大切でしょうね。

——ありがとうございました。

「次に何が来るのかを多様なコラボレーションの中で考え、そこにしっかりとシードマネーを入れて育てることが大切でしょうね」(谷脇氏)

※INTERNET Watchでは2023に、IIJ技術研究所所長の長健二朗氏に「日本のインターネット商用利用30周年」を記念したロングインタビューを行っている。ぜひ、あわせてお読みいただきたい。