ニュース

IIJら3社、AIのさらなる普及を見据え、運用の柔軟性が高い「モジュール型エッジデータセンター」の共同検証

 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)、株式会社NTTデータ、日比谷総合設備株式会社は、6月よりモジュール型エッジデータセンターの社会実装に向けた共同検証を開始すると発表した。

 近年、AIの普及に伴い、演算需要の急増や消費電力の増大が進み、AI基盤を支えるデータセンターの供給不足が課題となっている。しかし、都市部や既存のデータセンター施設では液冷設備の導入に制約があるため、高発熱・高密度なIT機器を柔軟に収容可能なデジタルインフラの整備が求められているという。

 こうした課題を解決するソリューションとして、小型で、短期間での導入や用途や規模に合わせた柔軟なカスタマイズが可能な「モジュール型エッジデータセンター」が期待されている。

 IIJは、モジュール型エッジデータセンター「DX edge Cool Cube」の販売を3月に開始した。電源供給・冷却システム・ラックが一体化した完結型のオンプレミスAI基盤で、機密性の高いデータを扱う現場において、データを外部に出さずにAIを運用するための基盤としても利用できるほか、ワット・ビット連携の実現に向けた分散型デジタルインフラとしても活用できる。

 今回の共同検証では、「DX edge Cool Cube」を活用し、NTTデータおよび日比谷総合設備が運営する、データセンター領域における次世代技術の検証拠点「Data Center Trial Field」において、空冷と液冷を組み合わせたハイブリッド冷却構成による実環境での検証を実施する。AIや高性能計算などの処理負荷の高い用途への対応を想定し、既存施設への適用性や、短期導入可能なモジュール型構成の有効性、効率的な冷却および安定運用の実現性を評価するとしている。

 具体的な検証内容として、次の3つの内容が挙げられている。

ハイブリッド冷却による高密度環境への対応

 GPUを搭載した直接液冷サーバーと、空冷方式のネットワーク機器やストレージ機器が混在する環境を想定し、冷却液分配ユニットとラック近傍に設置する空調設備を組み合わせたハイブリッド冷却構成により、複数の冷却要件に対応可能なシステム構成とする。これにより、高密度環境における冷却効率および安定運用の実現性を評価する。

モジュール型構成による既存施設への適用性

 短期導入が可能なモジュール型データセンターの既存施設への適用性を検証する。設備一体型の構成により、都市部や既存データセンターにおいて柔軟な導入が可能かを評価する。

運用データの可視化と設計指針の確立

 各機器の稼働状況や冷却システムの状態を可視化し、設計および運用に必要なデータを取得する。取得したデータをもとに、都市型データセンターに適したAI基盤の設計および運用指針を整理する。

 3社は、同検証で得られるハイブリッド冷却やモジュール型構成の適用に関する検証結果をもとに、技術的知見および運用ノウハウを整理し、都市型データセンターに適したAI基盤の設計および運用モデルの確立を目指すとしている。