テレワーク、空いた時間でなにしてる?

これぞ着るエアコン!! コンビニで買える冷凍ペットボトルで体を冷やす山善の水冷ベストがロードバイクにちょうどいい【ぼっち・ざ・ろーど!その14】

これは大発見!? 真夏もロードバイクを楽しむための画期的アイテム

 毎年のように言っている気がするが、今年の夏の暑さはスゴい。特に今年は梅雨時期の涼しさから一転して一気に気温が上昇した。

 筆者の場合、夏の間もロードバイクで走っていて、去年の夏も週末には箱根の芦ノ湖まで登っていた。去年もニュースでは危険な暑さと言っていたが、「暑熱順化」といって、体を暑さに慣れさせていくことで、夏本番であってもサイクリングを続けることができた。

 だが、今年は一気に暑くなったせいで、体が順応できていない感じだ。

 7月19日、前日までが梅雨時期の曇り空が続いていた中で、一気に晴れ間が広がって気温がグングンと上がった。この日の天気予報の最高気温は32℃。さすがにまだ体が慣れていないだろうと、比較的平坦な道が多い三浦半島1周を走ることにした。

 走行中の水分補給、塩分補給はもちろん、一番暑いお昼過ぎには食事休憩で休みを入れたり、休憩ごとにウェアを水でぬらしたりと熱中症対策をしつつ無事に走り終えたのだが、次の日の朝起きると頭痛が。どうやら時間差熱中症というのになってしまったようだ。

 例年、もっと暑い日に走っても大丈夫だったし、この日も無理をしないように注意はしていただけに、まさか、というのが正直な気持ちだ。暑熱順化がまだできていないのかも。ならば、少しずつでも外を走って体を暑さに慣らさないと。

 と思ったものの、体が慣れる以上に気温の上がり方がすごかった。翌週末もライドに行ったが、この日の最高気温は36℃!! しかも、アスファルトの照り返しもあって、体感的にはもっと暑い。サイコン(サイクルコンピューター)の温度計だと44℃とかになっていて、思わず笑ってしまった。

 暑さ対策として、以前レビューしたパールイズミのアンダーウェア「アイスポーラー ロングスリーブ」を着ている。ただ、こうした機能性ウェアであっても、外気温が高くなると効果は半減する印象だ。以前レビューしたときは外気温が30℃を下回る程度で、その際には「これは冷える」、と感じたのだが、外気温が上がってくると、そのひんやり感がかなり減ってくる印象だ。決して効果が無いというわけではない。信号で停車すると一気に暑くなるので、走行中の風がある状況ではちゃんと冷える効果が出ているということ。だが、過酷過ぎる環境が冷却効果を上回っているという印象だ。

接触冷感素材と冷感プリントで「ガチ冷え」をうたうパールイズミの「アイスポーラー ロングスリーブ」

 加えて湿度の影響もあるのかもしれない。速乾性がとても高く、洗濯後1時間もあれば乾いてしまうサイクルウェアだが、走ったあとは汗を吸ってめちゃくちゃ重い。脱衣所で脱ぎ捨てると「ドサッ」と音をたてて落ち、まるでドラゴンボールに出てくるピッコロのターバンとマントだ。気化することで熱を逃がす機能性ウェアだが、湿度が高いと汗が気化しにくくなるので、効果が限定的になってしまうのだろう。

ロードバイク乗りにも使えるか? 山善の冷却アイテムを発見!!

 そんなわけでなにかこの猛暑を乗り切る方法がないかと調べていたところ、「これ使えるんじゃない?」と見つけたのが山善の「ダイレクトクール(DIRECTCOOL)」という製品だ。

山善のダイレクトクール

 これは、水冷ベストなどと呼ばれる製品で、内側にホースが通っていて、冷たい水を循環させて体を冷やせる。ベストというよりはリュックサックというほうが分かりやすいだろう。背中に凍らせた保冷剤と少量の水を入れ、その水を循環させることで背中やショルダーベルトの部分を冷却できる。

 ほかにも同じような製品はいくつもあったが、この製品を選んだ理由は、保冷剤の代わりに冷凍したペットボトルを使える点だ。

 当然だが、保冷剤は常温に戻ってしまえば冷却効果はなくなる。現場仕事などであれば、冷凍した保冷剤を何個も用意しておくことができるだろうが、ロードバイクだとそうは行かない。その点、冷凍したペットボトル飲料ならコンビニでも入手できる。しかも、ペットボトル飲料はそのまま水分補給としても使えるのだから、夏のライドにぴったり過ぎるじゃないか!!

 と思ったものの、レビューを見てもロードバイクで使ったという話は見つからない。だけどこれは絶対いい気がする。ならば人柱となろうじゃないか、と思ったわけだ。そして最初に結論だけ言っておくと、この賭けは大成功! 大満足の結果となった。

作りはシンプル、だけどフィットするのがいい

 ということで届いた製品をチェックしよう。今回買ったのはダイレクトクール DC-B05Sというモデルで、カラーはグレー、他にネイビーもラインアップする。

ダイレクトクール DC-B05S、カラーはグレー

 見た目はジョギングなどで使われる小さめのリュックサックという感じだ。ただし、背中やショルダー部分に黒いホースがうねうねと張り巡らされている。

裏返すと黒いホースがうねうねとむき出しで取り付けられている

 背中のメインとなるポケットを開けると、中はアルミの断熱材で覆われていて、外気の熱をシャットアウトする構造になっている。その中にビニール製のバッグが入っていて、そこに凍らせたペットボトルと150mlの循環用の水を入れる。ペットボトルは最大650mlのサイズまで対応する。

 このビニールバッグの下と上に配管が繋がっていて、下から循環用の水を吸い出し、背中やショルダーベルトの中を巡ったあと、バッグの上側から戻ってくる、という構造になっている。

メインポケットの内側は断熱仕様に。その中にビニール製のバッグが入っている
ビニール製バッグは水が漏れないようにスライダーで密閉される
取り外したビニールバッグ、内寸は31×14cmほどで上下にパイプがあってここにポンプとホースが繋がる

 そして下側にあるポケットを開けると、中に水循環用のモーターがあって、USB Type-Aケーブルが出ている。

 特にスイッチなどはなく、USBケーブルにモバイルバッテリーを繋げば動くし、止めたければUSBを外すしかない。実はバッテリーセットモデルも売られていて、そちらに付属のバッテリーは、バッテリー側にスイッチがあるらしい。なので、気になる人はそちらを選ぶのも手だろう。ただ、そんなに頻繁にオン・オフするものでもないし、ロードバイクは炎天下で使うこと、加えて転倒などでバッテリーに強い衝撃が加わる可能性もあるので、どうせ買うなら発火しにくい準固体バッテリーのほうが安心できそうだ。ただし、USB Type-Aポートがあるものを選ぼう(最近はUSB Type-Cしかないモバイルバッテリーも少なくない)。

 ショルダーベルトの胸のあたりにポケットがあって、そこにモバイルバッテリーを入れることができる。ポケットのサイズはiPhoneが収まるぐらいなので、5000mAhクラスのモバイルバッテリーならだいたい入るだろう。

下のファスナーを開けると中に電動ポンプ。赤いほうがビニールバッグに、コイル巻きのほうが冷却用ホースに繋がる
ポンプから繋がるUSBケーブル、ここにモバイルバッテリーを繋ぐ
ショルダーベルトのポケットにモバイルバッテリーが入れられる。ポケットのサイズはiPhoneが収まる大きさ

 サイズはフリーサイズで1サイズのみ。重量は実測で577g。そしてバッテリーの重さだが、5000mAhだとおよそ120g程度。なお、動かすのは小型の電動ポンプだけなので、5000mAhでも20時間駆動するとのこと。なので、普段のライドからモバイルバッテリーを持ち歩いている人は、それを活用すれば重量増加にはならないだろう。

 あとは、循環用の水150gと冷凍ペットボトルの重量が加わるので、トータル1.4kgほどの計算だ。1.4kgと聞くとそれなりに重そうだが、実際に背負ってみると、そんなに重くは感じない。

本体の重さは実測で577g
150mlの水、これが循環して体を冷やす
冷凍したペットボトル。最大650mlのボトルが入る

 というのも、より冷却効率をよくするためには、体に密着させる必要がある。その点、このダイレクトクールは、チェスト部分のベルトと、ショルダー部分のベルトの3箇所でサイズ調整が可能で、体にぴったりと密着させられる。こうすることで冷却ホースが体に密着して体を効率よく冷やしてくれるわけだが、こうして体に密着してくれるおかげで、重量的にも重さを感じにくい印象だ。

 体を動かしても密着してついてきてくれるので、ダンシング(立ち漕ぎ)しても違和感がないし、ロードバイクだけでなくジョギングなどでも使えそうだ。

 ペットボトルも入れてみても、ペットボトルが背中に当たってゴツゴツするような感じはない。またライド姿勢(前傾姿勢)をとって手を前に伸ばしてもショルダーベルトが邪魔になることもなかった。筆者はあまりリュックサックを背負って走るのが好きじゃないのだが、ダイレクトクールはあまり違和感なく着用することができた。

ショルダーベルトの調整ひもで体に密着させる
チェスト部分でも調整可能で体にフィットするので重さも感じにくい印象

実走!! 何時間持つ? 本当に冷える?

 続いて実際に走行してみたのだが、はっきり言ってこれはいい! かなり快適で楽しく走ることができた!! 価格としては1万円弱で、勢いで買うには少し高い気もするが、年に1度使うかどうかの電動ポンプを買うより、夏のライドで必須のこのアイテムを買う方が絶対にオススメだ、と思う。

 まず、今回検証として、日中の13時からの一番暑い時間帯に2時間で50km程度を走ってみた。天気予報の情報だと14時が最高で33℃と、酷暑というほどの気温にはならなかったが、それでも炎天下にアスファルトの照り返しもあって、これまでなら積極的には走りたいと思えない環境。だが、ダイレクトクールを着ていると、終始快適。最近は暑さにガマンしながらのライドが続いていたが、ひさしぶりにとても楽しくライドすることができた。

日中の一番暑い時間帯にライドしてみたが、超快適過ぎた!!

 最大で650mlのペットボトルが入れられるが、今回はあえてコンビニで売られている冷凍されたスポーツドリンクを使用した。これは490mlと容量がやや少ないが、おおむねどこのコンビニでも手に入るので、これでどれぐらい冷えるのか、何時間ぐらい持続するのかというのを検証してみたかった。

検証にはどこのコンビニでも手に入りやすい冷凍アクエリアスを使用。容量は490mlとやや少なめ

 まず冷たさの持続時間。

 公式では1時間30分から2時間ほどとなっているが、ドリンクボトルの中に氷をたっぷり入れておいたって、炎天下の中で走っていれば、1時間もしないで生ぬるくなってしまう。だからそんなに持たないんじゃない? というのが筆者の予想だ。

 だが、そんな予想を裏切って、1時間走った時点ではまだまだペットボトルの中には大きな氷がある状態だった。

1時間経過したところ。とけてはいるが中に大きな氷がある状態。まだまだ冷たくて結露している
こちらはホース。ホースの回りも結露していて冷たくなっているのが目でも分かる

 さらに走って1時間30分の時点で確認するが、まだペットボトルの中に氷が浮かんでいる状態。そこでさらにそのまま走って2時間経過したところで確認したところ、氷は完全になくなっていたが、それでもまだやや冷たさが残るぐらいの状態だった。

およそ1時間30分経過。だいぶとけているが真ん中に直径3cmほどの氷の塊がある
この時点でもあいかわらずホースは結露していて十分冷たい
2時間経過。完全に氷はとけたがまだ少し冷たさが残る
ホース、さっきまでの結露がまだのこっている感じ

 実際の冷却感としても、もうすぐ2時間になるな、というタイミングで、あ、なんかさっきまでの冷たさではなくなってきたかも、と感じられるぐらいで、そこまではずっとほぼ同じぐらいの冷たさが継続していた。

 もちろんもっと気温が上がればもう少し持続時間は短くなるだろうが、おおむね1時間30分から2時間に1度コンビニで冷凍ドリンクを買うようにすれば、バッテリーが持つ限り何時間でも快適に過ごせるはずだ。そして飲む用のドリンクボトルも2時間もすれば空になっていると思うので、ボトルが空になったらコンビニで冷凍ペットボトルを買って、それまで冷却に使っていたペットボトルの中身をドリンクボトルに移す、という運用がいいんじゃないかと思う。

とけたアクエリアスはボトルに移して水分補給に使えるから無駄にならない

 筆者の予想外に冷たさが持続した理由は、おそらくバッグの中の保冷機能のおかげだろう。冷凍ペットボトルを入れる気室がいわゆる保冷バッグのようになっているので、炎天下の中で走っても、外気温や、太陽の熱の影響を受けにくいのだと思われる。保冷機能なんて気休め程度かと思っていたが、良い仕事をしてくれているようだ。

保冷仕様になっているおかげで太陽光などで無駄にとけるのを抑えてくれている模様

 そして冷え具合だが、肩や背中の部分に巡らされたホースは、結露するぐらいしっかり冷えている。そして体感としても、特に背中の部分が面で冷えてくれる感じで、とても涼しく感じる。今回使ってみて実感したのだが、体の前側は走行風が当たるので、冷えてもとくに不思議な感じはしないが、背中が冷たくなるというのはなかなか新鮮だ。

 夏用のウェアを着ていれば、走行風である程度涼しくなるが、それに加えて背中側がずっと冷たいので、快適さを全体的に底上げしてくれているような印象。

 しかもこの「ずっと冷たい」というのも、今までのサイクルウェアではない経験で、これまでであれば信号待ちの間はじりじりと照らす太陽の下でガマンするだけだったのが、ダイレクトクールは止まっている間も背中を冷やし続けてくれる。当然炎天下で停車していれば、まったく暑くないわけはないのだが、背中の冷たさがあることがよりどころになるというか、暑ければ暑いほど、背中の冷たさが際立って幸せな気分になれる。

 夏のライド時にリュックサックなんて背負いたくないという印象を持っていたが、ダイレクトクールならまったく問題無い。実際にはホース(線)で冷やしているのだが、おそらく周囲の水分も冷やしてくれるのだろう、体感的には面で冷えている感じで、ショルダー部分もしっかり冷たく冷えるので、暑苦しさはまったくない。

 今回は2時間ほどのライドだったが、最初こそ、いつもとは違う何かを背負っている違和感があったが、長時間乗れば乗るほどに、違和感が消えていって代わりに快適さが増していった。たとえば水でジャージを濡らすことで体を冷やしたりするが、それも時間が経つと効果が薄くなるのが普通。それがダイレクトクールならずっと「冷たい」のが続くので、これはもう感動するレベルだ。もちろんジリジリと照らす太陽の下では暑さは感じるのだが、それでも体の一部でも冷却される部分があると、快適度は爆上がりだ。

 最後に気になったポイントも紹介しておこう。

 まずは音。といってもモーターの音ではない。モーターの音はむしろ静か過ぎて、電源が入っているのかよく分からないぐらいだ。そうではなくて、これは前傾姿勢のロードバイクならではの問題なのだと思うが、「ジュボボボボ」といった、水が吸えない時の音がしばしばする。特にブレーキングの時になりがちなので、中で水が偏っているのだと思う。これはできるだけビニールバッグの中の余分な空気をぬいておくことと、あとは前傾姿勢がきつめの人は少し水の量を多めにするなどで対応できるだろう。

 あとは調整ひもが風でばたつくこと。体に密着させるために必要な調整ベルトだが、余ったひもが走行中にバタバタする。これは余ったひもを事前に結んでおくのがいいが、サイクルジャージだと背中のポケットがあるので、そこに入れてしまうのもいいだろう。

余ったひもはサイクルジャージのポケットに。ちなみに前傾姿勢になるとダイレクトクールの下側が少し浮く形になるので、サイクルジャージのポケットにも容易にアクセスできる

 このあたりはロードバイクならではの課題だと思うが、今後ロードバイクユーザーも増えそうな気がするので、ぜひ対策していただけたらありがたいところだ。

 使ってみて感じるのはまさに着るエアコンだ。

 以前ソニーのREON POCKETも試したことがあるが、あちらはコンパクトでスーツなどの下につけても目だたないというメリットはあるものの、ロードバイクぐらいの運動量だと冷却性能がやや物足りなく感じる。特にダイレクトクールは冷やす面積が大きいのがいい。

 ペルチェ素子を使った冷却ベストもあるが、電気の力で冷却しようとすると、どうしてもバッテリーの容量が必要になる。その点、コンビニで買える冷凍ペットボトルの冷たさを利用するダイレクトクールに必要な電力は小さいポンプの駆動分だけ。極めてローテクではあるが、それが屋外を移動し続けるロードバイクにちょうどいい。

 そんなわけで、このダイレクトクールがあれば、今年の猛暑の中でも快適にロードバイクを楽しめそうだ。夏に走るの辛いよねーと思っているロードバイク乗りの皆さん、これ着ると幸せになれますよ。

今回は汗を吸い込んでいそうな立体メッシュの部分だけ水でざっと洗った。立体メッシュの部分は乾くのも早い
電動ポンプやバッグを外して全体を手洗いすることができる

テレワークで余裕ができた時間を有効活用するため、または、変化がなくなりがちなテレワークの日々に新たな風を入れるため、INTERNET Watch編集部員やライター陣がやっていることをリレー形式で紹介していく「テレワーク、空いた時間でなにしてる?」。バックナンバーもぜひお楽しみください。