特集
離れた拠点のネットワーク機器、予算はないけどリモート管理できませんか?~情シスの疑問をバッファローに聞く
無料で使える「キキNavi」でできること
2026年9月16日 07:00
ネットワーク機器は、オフィスに限らず店舗や工場、倉庫など、さまざまな拠点で使われる。特に近年では、人手不足を補い、設備の監視や管理を無人化・自動化するためにも、ネットワーク機器の導入が進んでいるだろう。
そのような中で、ネットワーク機器そのものの保守・管理までは手が回っていない企業も少なくない。機器メーカーによっては保守サービスやリモート保守ソリューションを有料で提供している場合もあるが、社内で決済が下りずに保守サービスが利用できなかったり、複数の拠点にネットワーク機器を設置していながら十分なリモート保守体制が構築できず、情シス担当者が拠点を回って点検していたり、といったこともある。
今回は、法人向けネットワーク機器に対して無料のリモート管理サービス「キキNavi」を提供している株式会社バッファローに、その狙いと機能、できることを聞いた。
話を聞いたのは、株式会社バッファローの深見昭生氏(営業技術部 部長)と平井敏幸氏(営業技術部 東日本営業技術課)。バッファローでは、全国の地域に根ざしたパートナー企業を通して法人向け製品を提供している。そして、ユーザー企業にバッファローの営業担当と技術に明るい営業技術部の担当者が一緒に赴いて、相談に応じたりサポートを行ったりしている。そうした活動の中で聞こえる現場の声も反映して作られているのが、キキNaviだ。
| ◆ポイント◆ 無料ながらも充実した機能と使いやすい画面で、業務負担を大幅軽減 |
| 今回のポイントは、無料で簡単に使えて離れた拠点にある機器の保守・管理の負担を軽減できるという、キキNaviのコンセプトだ。 有料の保守サービスを利用できず、せっかく導入した機器が真価を発揮できない、といったことがないよう、バッファローでは「キキNavi」を無料サービスとして提供しながら、機能の充実に努めている。同様に法人向けネットワーク機器に無料の保守・管理サービスを提供するメーカーは複数あるが、バッファローの「キキNavi」は対象製品の幅広さや機能の充実度において、トップクラスのサービスのひとつだと言える。 対象となる同社の法人向け製品を導入することで無料で利用でき、専用のアプリをインストールしなくてもウェブブラウザーから操作できる。そして、機器の保守・管理にあたる情シス担当者の業務負担を軽減してくれる機能がそろっており、専門の情シス担当者でなくても情報を把握しやすい。 |
4カテゴリーの製品が対象、遠隔地の機器の稼働状況を把握し再起動などが可能
まずは、キキNaviの機能を見ていこう。
キキNaviに対応するのは、バッファローの法人向けNAS、Wi-Fiアクセスポイント、ルーター、スマートスイッチの4カテゴリーの製品。これらを導入し、ウェブサイトからキキNaviに登録することで利用を開始でき、月額料金などは必要なく無料で利用できる。操作はすべてウェブブラウザー上で行い、特別なアプリなどは必要ない。

基本機能は次の4つとなっている。
稼働状況の把握
機器の稼働状況を確認できる。トラブルをキキNaviのシステムが検知したときには、管理者にメールで通知する仕組みもある。
遠隔簡易操作
機器に対してネットワーク経由で再起動を行ったり、トラブル時の状況把握のためのログの取得、ファームウェア更新、有線LANポートのオン/オフによるPoE機器の再起動などの簡易操作ができる。
稼働状況の共有
複数のユーザー企業のネットワーク機器の管理を受託しているSI(システムインテグレーション)事業者などの場合、複数のユーザー企業の機器をキキNavi上で一括管理し、ユーザー企業に対しては、それぞれ必要な機器のアクセス権だけを共有し、双方で稼働状況を適切に把握できる。

設定情報の保存
機器の設定をキキNaviに自動保存でき、製品を入れ替えたときには、以前の設定情報を簡単に引き継げる。

このほかに、特定のカテゴリーの製品向けの機能が、次の3つある。
リモート設定
ルーター、Wi-Fiアクセスポイント、NASが対象。ルーターとWi-Fiアクセスポイントは、機器を設定するためのスクリプトを登録しておき、キキNaviを通じてリモートで機器に対して一括で設定を実行できる。NASはキキNaviを通じてリモートで設定画面を開き、設定変更ができる。
クラウドゼロタッチ
Wi-Fiアクセスポイントのほか、ルーター「VR-Uシリーズ」で利用できる。機器の購入時にキキNaviへの登録を行うことで、設置してネットワークに接続するだけでキキNaviで事前に設定した内容が自動的に反映されるため、リモートかつ特別な操作不要(ゼロタッチ)で初期設定を完了できる。Wi-Fi製品は複数台にSSIDやパスワードなど同じ設定を行う必要があるが、この工数を削減できる。
トラブル調査にかかる現場の見えにくい負担も軽減
キキNaviの主要な機能は以上の通りだが、ネットワーク機器の保守・管理には、もっと面倒な作業もあると、現場の情シス担当者は思うだろう。遠隔地でトラブルがあると、現地から問い合わせが来ることもある。しかし、現地のスタッフが技術に明るいとは限らないので、原因の特定がうまくできず、しかしクレームは増えて困ってしまう……といった経験のある人は多いに違いない。
キキNaviでは、前述のようにリモートで機器のログを取得できるほか、キキNavi上でマニュアルなどの資料も参照できる。また、シームレスにバッファローにサポートを依頼する(担当者が電話をかける必要がある)こともできる。
この際、窓口の電話番号に加えて「お問い合わせ番号」という情報が表示され、窓口のオペレーターに「このお問い合わせ番号」を伝えることで、すぐに詳細な状況がバッファローに共有される。


トラブル発生時には、「機器がおかしい」「どんな状況ですか?」「つながらないんだ!」「ほかの機器は問題ありませんか?」のような、原因を探るためのやり取りが起こりがちだ。しかし、キキNaviを利用していれば、機器のある現地に対しても、サポートを一緒に行うSI事業者やメーカー(バッファロー)に対しても、必要なやり取りを大幅に減らすことができ、労力的にも心理的にも、負担を軽減できる。
販売店やユーザー企業の声で機能を拡充
無料ながらさまざまな機能を備えたキキNaviだが、最初は機器の遠隔監視サービスから始まった。深見氏によると「全国の販売店様やユーザー企業からの声で、設定が変更できるようにしてほしいといった要望をいただき、実現できるものから順次実装して、今の形になっています」とのことで、ユーザーのニーズに応じて機能が拡充されてきたわけだ。
「情シスの仕事には、トラブル対応などの場当たり的な作業が多いと思います。例えば、通信できないとなると、情シスの方はどこが悪いか、1つ1つ可能性を探りながら当たりをつけないといけない。そうした際に、的確に当たりをつけるための強力なツールになると、われわれは考えています」(深見氏)
キキNaviをメインに扱うのは、機器をユーザー企業に販売して保守・管理を請け負っているSI事業者が多いという。ユーザー企業の体制はさまざまで、SI事業者にほぼ任せているケースから、ユーザー企業でも積極的に管理するところ、トラブル発生時にはSI事業者とユーザー企業で同じ画面を見ながら解決するところ、などがある。
「多店舗を展開しているお客様でご導入いただくことが多いですね。例えばジムやヨガスタジオ、学習塾などで、店舗や拠点が多いケースで管理したいと。各店舗で好きなWi-Fiを置いて勝手に設定したりすると管理ができず、セキュリティ的に危ないということで、一括で管理したいという話もいただきます」(平井氏)
キキNaviの紹介ページには、「キキNaviを導入されたお客様の声」のコーナーもあり、実際のユーザーがどのようなところでメリットを感じているかが分かる。そこでも、さまざまな声が紹介されているが、ユーザーの声として特に多いのは、現地に行かなくてもある程度状況の把握ができるのがありがたい、というものだという。
具体的に、キキNaviによってSI事業者がユーザー企業で発生したトラブルにすばやく対応できた事例を聞いた。あるときユーザー企業からSI事業者に、有線LANのループ(両端を同じスイッチに接続してしまった状態)と思われるトラブルが発生したという連絡があったが、同時にキキNaviからも、ループ検知の通知が入っていた。これによってループが問題だと確信を持って判断でき、すぐに対処できたという。「キキNaviがなければ、本当にループかどうかも分からず、現地に行って確認・対応しなければならないところで、非常に助かったとのお声をいただいたことがありました」(平井氏)。
情シスがなく、予算もなくても、自社で機器を管理できる
キキNaviの特徴は、対象機器を購入すれば、追加料金なしに、ウェブブラウザー上で簡単に利用できることにある。これについて深見氏は「管理ツールは一般にランニングコストがかかるものですが、われわれは、そこ(管理ツール)で儲けるというより、当社のネットワーク製品を使っていただくための強力なツールとしてキキNaviがある、という考えで提供しています」と、キキNaviの位置づけを語った。
平井氏からは「社内に情シスがないお客様が困っていて、予算があまりかけられない中で、できるだけ低コストな対応でトータルな満足度を高めていただける施策となります」と、無料提供を前提とした中で機能強化に取り組んでいる、との説明を受けた。ウェブベースで、シンプルな画面構成として、有料のリモート管理ツールのようなグラフィカルな画面ではないが、トラブル時の通知機能など、業務上で重要な機能は備えている。
なお、同社では、より高度な管理機能を求めるユーザーや、組織のセキュリティポリシーによってインターネットに情報を出せないユーザー向けに、ネットワーク管理ソフトウェア「WLS-ADTシリーズ」も有償で用意している。
深見氏によれば、家庭向け製品も手掛ける同社だからこその、インターフェースの分かりやすさも「推しポイント」だという。確かに、家庭向け製品と似たインターフェースで、誰にでも分かりやすく感じられる。情シスなど専門部署を持たない企業でも、低いハードルで利用できるだろう。




