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「CEATEC AWARD 2026」発表、音源分離技術、スマートグラス用ディスプレイ、社会インフラ向けAIが大臣賞受賞
「CEATEC 2026」は10月13日~16日に幕張メッセで開催
2026年10月7日 06:00
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は10月6日、「CEATEC 2026」にて展示される技術・製品・サービスなどを対象とする「CEATEC AWARD 2026」の、大臣賞および各賞の受賞展示を発表した。
CEATEC 2026は、10月13日~16日の4日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される。テーマは「Transformation -企業が、産業が、そして社会が変わる-」。優れた技術や構想を披露するだけにとどまらず、変革の価値を高め、社会実装を加速させる場となるという。
CEATEC AWARDでは、学術的・技術的観点に加え、市場性や将来性など多面的な視点から、特にイノベーション製が高い優れた展示を表彰している。本記事では、CEATEC AWARD 2026を受賞した展示の一部を紹介する。
フィジカルAIの“耳”:多様な現場の音から、異常音も人の声も聞き分ける
三菱電機グループ「タスク汎用音源分離技術(TUSS)」
三菱電機グループは、複数の音が鳴っている環境下でも、音を正確に聞き分ける聴覚認識機能をフィジカルAIに与えられる「タスク汎用音源分離技術」(TUSS)を展示する。この展示は総務大臣賞を受賞した。
工場や公共空間では、機械音、人の声、環境ノイズなどが重なるため、AIで音声情報を活用しようとしても、必要な音を正確に捉えることが難しい。同社が開発したTUSSでは、分離・抽出したい音をプロンプトで指定することで、マイクで収音した混合音から目的の音を音源ごとに分離・抽出する処理を単一のAIモデルで実現する。これにより、音を起点とした現場の複雑な状況認識が可能となり、フィジカルAIの信頼性向上に貢献するとしている。
総務大臣賞の選評では、画像・映像中心だったフィジカルAIに聴覚情報を加え、異常検知や音声認識、現場記録などの精度向上を支えることで、音をデータとして高度に活用し、AIが現実世界を理解する幅を広げる基盤技術として、幅広い展開が期待されるとした。
スマートグラスの弱点を克服し、デザイン性と実用性を向上
TDK「スマートグラス用ディスプレイ向けメタオプティクスミラー」
TDK株式会社は、光の干渉による虹模様を抑えつつ高い透明度を確保し、通常のメガネに近い外観を実現する「スマートグラス用ディスプレイ向けメタオプティクスミラー」を展示する。この展示は経済産業大臣賞を受賞した。
スマートグラスは、日常的に装着するため、スタイリッシュさなどのデザイン性が製品選定で重要なポイントになる。しかし、従来のスマートグラス向けのディスプレイは対面から虹模様が見えるなどの大きな課題があった。
同社は、微細ナノ構造によるメタオプティクスミラーを用いたディスプレイを開発し、従来の網膜直接描画型ディスプレイで必要だった大きな曲面ミラーを薄型・平坦化し、メガネのレンズに埋め込めるようにした。今後、さらに透明度を上げたディスプレイの開発を進める予定だという。
経済産業大臣賞の選評では、従来の網膜直接描画方式が抱えていた外観上の制約を、ナノ構造を用いた部品技術から解決し、高価な導波路に依存しない光学系の簡素化にもつながり、スマートグラスの実用化を前進させて次世代インターフェースの市場形成を支えるものづくり技術として、今後の展開が期待されるとした。
「ハーモナイズドソサエティ」の実現を支えるAIソリューション群
日立製作所「HMAX by Hitachi」
株式会社日立製作所は、社会インフラ向けAIソリューション群「HMAX by Hitachi」を展示する。この展示はデジタル大臣賞を受賞した。
同ソリューションは、鉄道、電力、産業、金融などの停止しないことが求められるミッションクリティカルな分野をAIとデータでつなぎ、運用・保守・制御・意思決定の高度化を図るもの。社会インフラを継続的に最適化・運用の高度化をすることで、持続可能で災害やトラブルに強い社会の実現に貢献するとしている。
デジタル大臣賞の選評では、安全性や信頼性が不可欠な社会インフラにおいて、AIを実際に動いている設備やシステムへつなぐ実装力が特徴だとし、AIを社会インフラの安全・安心とレジリエンス向上につなげる取り組みとして、今後の展開に期待が寄せられるとした。
手指の動作を高精度に捉え、AI・ロボットへつなぐグローブ
村田製作所・メルトインターフェース「ContactGlove3 Pro」
村田製作所とメルトインターフェーステクノロジーズ株式会社は、電磁場(EMF)方式により手の指の動きを高い精度で計測する「ContactGlove3 Pro」を展示する。この展示は優秀賞を受賞した。
ContactGlove3 Proは、メルトインターフェーステクノロジーズが開発した5本の指の位置・姿勢を直接計測するグローブ型インターフェースで、データの計測に使われるセンサーには村田製作所の「LFアンテナ」が使われている。送信側のアンテナが作る磁界を受信側のLFアンテナで検出することで、位置・姿勢を推定している。
取得したデータは、フィジカルAIの訓練データや、ロボットの遠隔操作などで活用できる。カメラの設置の必要なく装着するだけで使用できることや、8時間以上の連続稼働ができることを特徴としている。
選評では、熟練動作を高品質なデータとして蓄積できれば、ロボット学習や技能継承、自動化が難しかった細かな手作業などへ活用範囲が広がとし、ヒューマノイドを含むフィジカルAIの社会実装を、データの入口から支える基盤技術として評価するとした。
匂いセンサーで病気の兆しを嗅ぎ取る0次スクリーニング
太陽誘電「においセンシング × AI で挑む『がん』の早期発見」
太陽誘電株式会社は、匂いセンサーを使用し、尿中の成分からがんの可能性を検知するサービスを展示する。この展示は優秀賞を受賞した。
がんの早期発見では、自覚症状がない人を検査につなげることが課題になる。同サービスでは、同社独自のQCMセンサー、感応膜、AI解析技術によって実現した高感度な匂いセンシングを活用し、日常生活の中で継続的に異常の兆候を捉え、無自覚段階で受診行動を促すことが狙いだという。
選評では、日常生活の側に受診のきっかけを増やすことで、検診・診断技術だけでは届きにくかった「そもそも検査を受ける」という行動につなげ、がんの早期発見を、医療技術だけでなく受診行動につなげるところから支えようとする取り組みとして評価されたとした。
受賞展示
CEATEC AWARD 2026において各賞を授賞した展示のCEATEC 2026会場におけるブース番号は、次の通り。
総務大臣賞
- フィジカルAIの“耳”:多様な現場の音から、異常音も人の声も聞き分ける 「タスク汎用音源分離技術(TUSS)」(三菱電機グループ/ブース番号:8H412)
経済産業大臣賞
- スマートグラス用ディスプレイ向けメタオプティクスミラー(TDK株式会社/ブース番号:5H261)
デジタル大臣賞
- 「ハーモナイズドソサエティ」の実現を支えるAIソリューション群 「HMAX by Hitachi」(株式会社日立製作所/ブース番号:7H010)
優秀賞
- 排水レス循環型洗濯システム「トリプルフリーランドリー」(シャープ株式会社/ブース番号:5H340)
- Physical AIの“データの入口” ― 人の手指動作を高精度に捉え、AI・ロボットへつなぐハンドトラッキンググローブ(株式会社村田製作所・メルトインターフェーステクノロジーズ株式会社/ブース番号:7H340)
- においセンシング x AI で挑む「がん」の早期発見~兆しを嗅ぎとる0次スクリーニング~(太陽誘電株式会社/ブース番号:8H030)
イノベーション賞
- プロセス全体最適化プラットフォーム(アイクリスタル株式会社/ブース番号:4H019)
- 外科手術支援のための視覚・言語統合型AI基盤モデル~手術の文脈を理解する、次世代Surgical AI~(Direava株式会社/ブース番号:5H440)
グローバルイノベーション賞
- NoorNation for Renewable Energy(NoorNation/ブース番号:4H501)
トランスフォーメーション賞
- AIエージェントがロボットを育てる ― 一行の指示から実機までをつなぐPhysical AI自律R&D基盤(アマゾンウェブサービスジャパン合同会社/ブース番号:4H535)
ネクストジェネレーション賞
- 常識を覆す新素材×超高速「熱」検知技術で世界の市場を切り拓く(TopoLogic株式会社/ブース番号:4H141)
- TRAILS ― スマホのみでGPSの届かない場所でも位置測位できる空間AI(zeteoh株式会社/ブース番号:4H242)
モビリティイノベーション賞
- 雪国の危険・重労働を無人化する国産陸上ドローン「除雪ドローン」(エバーブルーテクノロジーズ株式会社/Japan Mobility Show Bizweek 2026出展者)





