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テクニカルサポート詐欺が前年同期比2.5倍に急増! 新手の詐欺としてAIの回答が入口になる事例も〜トレンドマイクロ「個人セキュリティ脅威動向レポート 2026 上半期」
2026年8月21日 08:00
トレンドマイクロ株式会社は8月20日、個人利用者に被害をもたらす「詐欺」と「AIのリスク」の観点から、同社の観測データと調査を基にまとめた「個人セキュリティ脅威動向レポート 2026 上半期」を公開した。
テクニカルサポート詐欺が急増、報告件数は前年同期比2.5倍に
テクニカルサポート詐欺とは、ウェブサイトにアクセスしたターゲットに対して偽の警告画面を表示し、続けてサポートの電話番号として偽の電話番号を表示し、ターゲットに電話をかけさせるもの。従来のウェブ広告から、メールを起点とした誘導へと拡大したという。同社のサポートセンターへの報告件数は5499件で、前年同期と比べて2.5倍となった。
偽の警告画面を表示するウェブサイトへ誘導するメールは165日間で約1388万通観測し、そのうち宛先の約94%が「.jp」ドメイン。誘導先の偽警告サイトは3万3千件超となっており、約9割が1日限りのものであるとしている。一方、偽警告サイトに記載された電話番号は、1つの番号が数百のサイトで使い回されている。
また、4月中旬からは大手ECサイトや国税庁、5月からは「人事評価」などの社内連絡を装う文面も確認されているとし、標的は法人の従業員へも広がっているとしている。
SNS型投資詐欺は「分業体制」で運営、銀行の水際対策への細工も確認
SNS型投資詐欺とは、SNS上の著名人の画像を使った広告などからターゲットを誘導し、LINEなどでやり取りを繰り返して信頼感を植え付けた後に投資をすすめ、資金をだまし取る詐欺。同社は、近年増加するSNS型投資詐欺において、「誘導→2〜3週間かけた信頼構築→架空取引→金銭の要求」の順に4段階で進行する構造を確認した。初期誘導や口座開設担当など、複数の役割ごとにLINEアカウントを使い分ける「分業体制」で運営されているとしている。
支払いにおいては暗号資産での支払い指示が増加。銀行の送金モニタリングを避けるためだとし、仮に銀行に取引目的を尋ねられても「投資」と言わないよう被害者に口止めする事例も紹介されている。
SNS広告からLINEへの誘導が増加し、6月にはさらにLINEからZoomやSignalへ移行する事例も確認されたという。「投資とは言うな」と口止めされている状況自体が、詐欺を強く疑うべきサインであるとしている。
ニセ警察詐欺、「ビデオ通話機能」を用いた偽の取り調べを演出するケースも
同社は、警視庁を装う偽サイトに「ビデオ通話機能」が追加されたことを確認している。従来は偽の逮捕状を表示する手口でアプリへの誘導がされていたが、アプリを介さずに「顔の見える取り調べ」を演出できるようになっているとしている。
ディープフェイクで別人の顔を合成し、攻撃者が警察官や検事役としてビデオ通話に登場する例もあり、映像や電話番号の真偽を見分けることが非常に困難だという。対策として、一度電話を切った後に正規の電話番号にかけ直すことが挙げられている。
利用者が頼るAIそのものが詐欺の入り口に
AIによる詐欺は「攻撃者がAIを道具として使う」段階から、「利用者が頼るAIそのものが詐欺の入口になる」、さらに「AIエージェント自身が攻撃の対象になる」段階へと変化している。AIの回答を経由した偽サイトへ誘導する例や、公式サイトのURLを尋ねた際に詐欺サイトが提示される場合があるとしている。
商品ページに埋め込まれた見えない指示により、AIショッピングエージェントが利用者の予算を30ドルから85ドルへ引き上げ、別の販売者へ誘導した例も紹介されている。正規の権限内で実行されることから、従来の防御では検知が困難だとしている。
同社が過去に行った調査によれば、AIによる詐欺やディープフェイクを「自信を持って見破れる」と回答した人が約8.5%いたという結果を示し、今後はAIの回答も疑う習慣が重要だと述べている。
詐欺にあわないために個人でできる対策
本レポートでは、個人ができる詐欺対策として以下の5点を挙げている。
- メールやSMSのリンクから支払わず公式アプリ等で請求を確認する
- 詐欺電話対策アプリを活用する
- パスワードの使い回しをやめパスキーや多要素認証を利用する
- AIの回答や検索結果も別経路で裏づけを取る
- 家族で見守り声をかけ合う
同社は警察庁推奨制度の認定を受けた無料アプリ「トレンドマイクロ 詐欺バスター Lite」および「トレンドマイクロ 詐欺バスター」の提供をしているほか、全国の警察機関と連携した啓発活動に取り組んでいる。


