奥川浩彦の「岐阜の山奥に移住しました」
第12回
Wi-Fiより10倍速い!? 筆者の好きな「有線LAN」を移住先の10LDK住宅に構築しました
2026年8月21日 06:00
前々回は筆者が移住した岐阜県加茂郡白川町のインターネット回線事情、前回はやたら広い10LDKのWi-Fi環境についてお伝えした。連載の第12回となる今回は、有線LAN環境について30枚近くの画像を用いてお話ししよう。
できるだけ有線LANで接続したいんです
筆者は有線LANが好きで、NASはもちろん、デスクトップPC、レコーダー、TVなど、できるだけ有線LANで接続したいと思っている。理由は速さと安定性。有線LANと無線LAN(Wi-Fi)のメリット・デメリットはINTERNET Watchの読者には釈迦に説法だと思われるのでここでは言及しないが、興味のある人は筆者がプラネックスコミュニケーションズ株式会社のマーケティング担当をしていたときに監修・掲載した同社公式サイトの記事「Wi-Fiは便利ですが、有線LANは速さと安定性の高さが魅力」を一読いただきたい。
まずはオーディオ部屋の有線LAN接続。前々回の記事で紹介したように、引っ越した翌日にケーブルテレビ回線の工事が行われ、インターネットとケーブルテレビがつながった。関東地区と東海地区ではチャンネルが異なるので、直後に筆者が行ったのはレコーダーの録画設定のやり直し。その際、レコーダー、TVのネットワーク接続はとりあえずWi-Fiを選択した。
数週間後にオーディオ機器のセットアップをした際も、オーディオ用PCのLAN接続はWi-Fi。そのまま半年ほど放置していた。Wi-Fi接続でも特に支障はなかったが、2回ほど、NASに保存したMP3ファイルの転送が寸断され、曲が途切れることがあった。そのうち1回はLINEの通知音が鳴った瞬間で「マジ? そんなことある??」と驚いた。理屈では同じWi-Fiルーターからオーディオ用PCとスマホに小刻みにパケットを送っているので、あり得ることだが、どちらもデータ量は多くないので、たまたまタイミングが悪かったのだろう。
1階のWi-Fiルーターを仮設置から本設置に切り替える作業と同時に、2階のオーディオ部屋の有線LAN接続も行った。間取り図で概要を説明しよう。
2階の仕事部屋の①がONUとWi-Fiルーターの位置。オーディオ部屋方向(図の右)へ5mのLANケーブルでドア付近に設置した3ポートのスイッチングハブ②に接続。そこから1本は15mのLANケーブルで1階に設置したWi-Fiルーターへ。もう1本は10mのLANケーブルでオーディオ部屋まで配線し、4ポートのスイッチングハブ③に接続した。さらに半年後、仕事部屋のTVの裏に3ポートのスイッチングハブ④を設置し、仕事部屋のレコーダーとTVも有線LANで接続した。
1階に配線した15mのLANケーブルは2mほどのゆとりがあったが、2階のオーディオ部屋への10mのLANケーブルはギリギリ。何度もメジャーで確認し「ギリ行けそう」となり、配線を開始した。
今回、有線LANの配線に利用したのは、小型のスイッチングハブ。USB(Type-C)給電で使用でき、電源も含めて場所を取らずに設置できる。仕事部屋のドア付近に3ポート、オーディオラックの裏に4ポートのスイッチングハブを設置した。仕事部屋の壁、オーディオラックの背面への固定は、百均で見つけた食器洗い用のスポンジを吸盤で取り付けるホルダー。吸盤を外してネジで固定。硬めの戸当りテープで隙間を調整して設置した。
Wi-Fiから有線LANに変更。速さを測りました
Wi-Fiから有線LANに変更してどう変わったか。オーディオ用PCとNAS間の速度を計測してみた。オーディオ用に使用しているPCは手のひらサイズのミニPC。CPUはN100、OSにWindows 11 Proを搭載。ネットワークインターフェースは、Wi-Fi 6と、2.5Gbpsの有線LAN。Amazonのブラックフライデーセールで2万円以下で購入した。届いたPCのセットアップをしているときに、清水理史さんの連載「イニシャルB」に同じPCのレビューが掲載されビックリ。清水さんに「自分も買いました」とメールでやり取りした。
オーディオ用PCの用途は、NASに保存した音楽ファイルの再生なので、NASからPCへのデータ転送がほとんど。PC側からファイルを送り出すことはめったにない。TVも同様で、Android TVのアプリでAmazon Prime Video、FOD、Leminoなどの動画再生や、NASに保存した動画の再生で、Wi-Fiルーター側からTV側へのデータ転送が主となる。一方、レコーダー(DIGA)は録画した映像をアプリ「どこでもDIGA」でタブレットやスマホで視聴するので、レコーダー側からWi-Fiルーター側へデータ転送を行っている。
有線LAN接続(1Gbps)とWi-Fi接続(Wi-Fi 6)でそれぞれ、NASからオーディオ用PCへファイル転送を行ってみた。音楽ファイルは一瞬で転送が終わってしまうので、計測用に約2.3GBの動画ファイルを使用した。有線LAN接続は約20秒でファイルが転送できた。表示された速度は約115MB/s=920Mbpsとなった。
次はWi-Fi接続で同じ動画ファイルの転送。転送開始直後は15MB/sで転送を開始したが、途中で1~3MB/sに速度低下、その後は速度が回復して5分半ほどでファイルが転送された。Wi-Fiらしく?タイミングが悪かったようで、再測定を実施することにした。
Wi-Fi接続の2回目。有線LANほどの安定性はないが、極端な速度低下はなく、約3分半でファイルが移動できた。表示された速度は7~14MB/s、平均は約12MB/s=96Mbpsとなった。速度は有線LANと比較してザックリ10分の1といったところだ。
INTERNET Watch読者には「何を今さら」という結果だが、速さと安定性は有線LAN接続に優位性があり、筆者としては音楽鑑賞時の安心感が増し、満足している。
仕事部屋のレコーダーとTVも有線LAN接続しました
1階とオーディオ部屋の有線LAN接続からさらに半年後。連載の第8回の気泡緩衝材で窓の寒さ対策を行った際、仕事部屋のPCを移動して部屋が空っぽになったときにLANケーブルを配線し、仕事部屋のTVとレコーダーも有線LAN接続が完了した。こちらの仕事部屋のレコーダーもDIGAで、タブレットとスマホで録画の視聴に使用している。加えて2台のDIGAが有線LANでつながったので、それら2台の間のWi-Fi~Wi-Fi接続による速度半減も回避でき、仕事部屋のDIGAに録画した番組をオーディオ部屋のDIGAで視聴する際も(過去に実害はなかったが)安心感が増した。
やたら広い家の各部屋への有線LANの配線は以上。小型スイッチングハブは1つ1000円台。15mのLANケーブルは2264円(10mの白いLANケーブルと5mの青いLANケーブルは以前からの手持ちで追加出費なし)。メッシュ対応のWi-Fi機器を追加するのと比べると大幅な低コストで済んだ。今どき有線LANはあり得ないという人も多いが、速度とコストを考慮するとコストパフォーマンスは高い。
奥川浩彦の「岐阜の山奥に移住しました」連載記事一覧
- 第1回:夢の地方移住、第一歩! 岐阜県白川町に「広々10LDKの山荘風住宅」購入しました
- 第2回:移住生活に早くもトラブル! 引っ越し当日、天井から冷水が降ってきました
- 第3回:希望どおりの物件は簡単には見つからない。地方移住の計画を甘く考えてました
- 第4回:地方移住の目的は“田舎で爆音”。物件探しにGoogleマップが大活躍しました
- 第5回:地方移住で知っておくべき“空き家あるある”とは? ネガティブな話もいろいろ聞きました
- 第6回:えっ、そんなに払うの!? 田舎の空き家の固定資産税はタダみたいなものと思っていました
- 第7回:移住先の家が寒っ! 広すぎる部屋、カーテンで暖房効率をアップしました
- 第8回:効果ある? プチプチで窓の寒さ・結露対策をして比較してみました
- 第9回:地方移住で実現した夢のオーディオ部屋も……今年の冬はプチプチ寒さ対策で乗り切りました
- 第10回:移住先の町が「フレッツ光」提供エリア外でした……光ネット回線はケーブルテレビ一択
- 第11回:移住先の家がメッチャ広い! トイレや浴室にもWi-Fi電波が届くよう宅内LANを整備しました
- 第12回:Wi-Fiより10倍速い!? 筆者の好きな「有線LAN」を移住先の10LDK住宅に構築しました





























