奥川浩彦の「岐阜の山奥に移住しました」
第8回
効果ある? プチプチで窓の寒さ・結露対策をして比較してみました
2026年4月2日 06:55
12年住んだ川崎市のオフィス兼住居を撤収し、岐阜の山奥(岐阜県加茂郡白川町)に移住して1年チョット。超々快適な生活を送っているが、2シーズン目も冬の寒さとの戦いは続いた。3月下旬(執筆時点)、やっと冬の終わりが見え、ホッとしているが、連載の8回は前回に続き、筆者のケチケチ寒さ対策を30枚超えの写真、グラフとともにお伝えしよう。
2月下旬、急に暖かくなり「もう灯油は買わなくていいかな?」と思った。2月27日から3日間、東京で撮影の仕事があり、1年ぶりに東京を訪れた際は、薄手の長袖のシャツで過ごせる日があった。白川町に戻ってからも、しばらく暖房を使用しない日が続いたが、3月に入り再び最低気温が氷点下となった。
前回の記事では、移住直後にカーテンで広い部屋を仕切り、暖房効率を上げる対策を紹介した。これに加え、昨シーズン・今シーズンとプチプチ(気泡緩衝材)を利用した窓の寒さ対策も行ったので紹介しよう。
やたら窓が多い……財政面の理由で、とりあえずプチプチで対策しました
一般的に暖房中の室内から最も熱が逃げるのは窓と言われている。移住した10LDKの物件の間取り図を見ていただこう。緑線は腰高の小さめの窓(サッシ)、青線は人が通れる大きめの窓(サッシ)。1階の南側(間取り図の下方向)は和室3部屋×4枚=12枚の大きめのサッシがある。2階のオーディオ部屋は南側・北側で計8枚、仕事部屋(前室)も同様に8枚。使用していない空き部屋もあるが、やたら窓が多い。
寒さ対策に加え、筆者は結露対策も重要と考えている。窓ガラスだけでなくアルミサッシも結露し、窓枠の木部にカビが発生することがある。窓の寒さ対策と結露対策で有効なのは、ペアガラスなど断熱性の高いサッシに変更するか、内窓の増設だが、いずれもコスト面のハードルが高い。
財政面を考慮し、とりあえず筆者はプチプチによる対策をした。ホームセンターなどでは、窓の断熱用として販売されている3層構造のプチプチもあるが、コスト面を考慮し、筆者は梱包用にストックしてあった2層構造の一般的なプチプチを使用した。また、窓ガラスの部分に貼っただけではサッシ部分の結露には効果がなさそうなので、プチプチで窓の外側か内側に空間を作るように窓枠全体に貼るかたちにした。
過去の経験では外側の方が効果が高いと感じているが、外側からアプローチできない場合は内側となる。また、プチプチによる対策を行うと窓の開け閉めが困難となる。筆者が移住したのは古い木造の建物なので気密性が低い。気密性の高いマンションなどでは、ドアを開閉するなど換気に注意が必要かもしれない。
最初の冬は2階の4部屋の窓で対策を実施した。ベランダがない2階の窓なので、外作業は難易度が高く、プチプチで内側に空間を作った。
窓の手前の木枠の中間に1枚目のプチプチ。木枠の部屋側の垂直面に2枚目のプチプチを貼ってみた。テープ貼りの方が密閉度は高そうだが、作業が簡単なタッカー(=大型のステープラ=ホッチキス)を使用した。
移住して1シーズン目の冬、プチプチあり・なしで温度変化を計測しました
さて効果は? 窓ガラス、サッシの結露は解消。寒さ対策は……体感なし。そもそもオーディオ部屋は小さな窓にプチプチを設置したが、8枚の大きな窓は未対応。仕事部屋は前回の記事で紹介したカーテンが部屋の1面となっているので、窓以上に熱は逃げそう。小さな窓だけで大きな効果は期待できない。
一応、計測を試みた。オーディオ部屋の隣の物置部屋に一時的に石油ファンヒーターを持ち込み、温度ロガーのセンサーを窓の外(外気温)、窓際、室内に設置。寒さが厳しくなった2月に温度変化を計測してみた。
プチプチ設置前、この日の外気温(青線)は19時にマイナス1℃。その後、マイナス4℃くらいまで下がっている。室温は7℃くらい。ファンヒーターの設定温度を18℃にして点火、5分ほどで設定温度に達して調整運転、点火から20分ほどで燃焼停止。室温が7℃くらいに下がったところで再点火、これを3回繰り返した。
ファンヒーターに表示される温度は本体の背面のセンサー、計測しているのは壁に貼り付けたセンサーの温度なので若干の差はある。プチプチあり・なしとも、室温(赤線)は設定値を少し超えてから調整運転に移行するようだ。燃焼停止後は急速に温度が下がり、その後はゆるやかに下がる。
プチプチ設置前の室温と窓際(グレー線)の温度差は調整運転中が2℃くらい、燃焼停止後は1℃くらい。キンキンに冷えた窓ガラスの影響で窓際は少し低めになったと思われる。
プチプチ設置後、この日の外気温は19時に0℃。その後マイナス5℃くらいまで下がっている。ファンヒーター点火後、調整運転に入る前のピーク温度が少し高めな印象。燃焼停止後に急速に温度が下がり、その後はゆるやかに下がるのはプチプチ設置前と同様だが、下がり方がよりゆるやかになったようにも見えるが劇的な変化はない。
窓際(グレー線)の温度は劇的に変化している。プチプチとガラス窓で挟まれた空間の燃焼時の温度は10℃くらい。室温より7~8℃低くなった。燃焼停止後の温度も室温より2.5℃くらい低い。ファンヒーター燃焼時、窓ガラスの外側は氷点下、内側はプチプチなしで17℃、プチプチありで10℃なので、窓の内側・外側の温度差が減少した分、窓から逃げる熱は少ないはずだ。体感はしないが、ファンヒーターの消費する燃料は減っているかもしれない。
物置部屋の計測とは別に、仕事部屋の結露は劇的に解消した。窓ガラスの内側の温度が下がったことに加え、人や燃焼による湿度(水分)がプチプチで遮られたためと思われる。断熱性の高いサッシや内窓を設置すれば、もっと効果があると思われるが、そこそこ満足度の高い対策となった。
1シーズン目の作業はここまで。費用面はタッカーが1509円、タッカー用の針(2000本入)が239円。プチプチは手持ちのロールを利用。その後買い足したロールは幅1200ミリ・長さ42メートルで2640円。プチプチの撤去は引き剥がすだけだが、タッカーの針を抜くための工具が692円。
仮に何もない状態から購入・設置・撤去をすると5000円ほどとなるが、工具はもちろん、針もプチプチも翌年は残りが使えるので、2年目の費用はゼロ円、施工する自分の労力だけとなる。
2シーズン目の冬、プチプチ設置に加え、窓の木枠を修繕しました
2シーズン目、プチプチ対策をした2階の4部屋のうち、オーディオ部屋以外の3部屋は夏に網戸にして風を通すためプチプチを撤去。冬を前に再びプチプチを貼ることとした。今シーズン重視したのは、窓枠の木部の修繕。長年の結露によるカビと劣化を修復するため、木部の表面を電動サンダーで削って、防カビ、はっ水系の塗装をすることとした。
修繕作業は物置部屋からスタート。サンダー、塗装、サンダー、塗装……と3回ほど行ったが、サンダーが撒き散らす粉塵がすごい。次の寝室は粉塵対策を強化したが、部屋を空っぽにしないと万全とは言えなかった。ハードルが高かったのは仕事部屋。窓のすぐ手前にNASとプリンター、すぐ横にPC。これをカーテンで仕切られた前室に移動。修繕作業以上にPC関連の移動に労力を要した。
キッチンの窓で「外側プチプチ」を試しました
2シーズン目はキッチンの窓にもプチプチ対策を行った。1階なので外側にプチプチを養生テープで貼るだけの簡単作業。ここも目的は結露対策。その効果は絶大だった。
料理をするため、最も結露するのがキッチンの窓。外側にプチプチを貼ったので効果は高く、結露は激減した。さすがに煮物・鍋物で湯気が長時間発生する調理をすると、うっすら曇る。特にガラス面とプチプチの隙間が狭い下部は曇りやすい。ちなみにプチプチ設置前の結露の写真、右側の窓ガラスは少し結露が少なめ。理由は網戸。網戸があるだけでガラス面の温度が変化し結露は少なくなる。
窓の外側にプチプチを貼ると効果は高いが、見た目はよくない。近所の人に「ガラスが割れましたか?」と思われそうだ。筆者は気にしないし、この建物の北側は農地で、その先の建物まで170メートルほど離れているため、気付く人は少ない。「外側プチプチ」、近所の目が気にならない人は来年の冬にお試しいただきたい。
さらに、2シーズン目はオーディオ部屋の大きな8枚の窓(サッシ)に、やや大規模な寒さ対策を行った。次回はその顛末をお伝えしよう。
奥川浩彦の「岐阜の山奥に移住しました」連載記事一覧
- 第1回:夢の地方移住、第一歩! 岐阜県白川町に「広々10LDKの山荘風住宅」購入しました
- 第2回:移住生活に早くもトラブル! 引っ越し当日、天井から冷水が降ってきました
- 第3回:希望どおりの物件は簡単には見つからない。地方移住の計画を甘く考えてました
- 第4回:地方移住の目的は“田舎で爆音”。物件探しにGoogleマップが大活躍しました
- 第5回:地方移住で知っておくべき“空き家あるある”とは? ネガティブな話もいろいろ聞きました
- 第6回:えっ、そんなに払うの!? 田舎の空き家の固定資産税はタダみたいなものと思っていました
- 第7回:移住先の家が寒っ! 広すぎる部屋、カーテンで暖房効率をアップしました
- 第8回:効果ある? プチプチで窓の寒さ・結露対策をして比較してみました



































