奥川浩彦の「岐阜の山奥に移住しました」
第10回
移住先の町が「フレッツ光」提供エリア外でした……光ネット回線はケーブルテレビ一択
2026年5月13日 06:55
田舎への移住で気になるのはインターネット回線の速度。この記事を読まれているINTERNET Watchの読者は「インターネット回線が遅いところには住めない」と思っている人もいるだろう。インターネット回線のサービスは、同じ自治体の中でも市街地は提供エリア、山間部では提供エリア外ということは珍しくない。
連載の第10回は、筆者が移住した岐阜県加茂郡白川町で、ケーブルテレビ(CATV)局が提供するインターネット回線サービスについて紹介しよう。
「フレッツ 光ネクスト」も「NURO 光」も来ていません
インターネット接続用の代表的な光回線として「フレッツ光」の岐阜県の提供エリアを見てみよう。「フレッツ 光ネクスト」(最大1Gbps)は岐阜県内のほとんどの地域で提供されている。提供されていないのは、筆者が移住した白川町、筆者の孫が住む東白川村、その北の下呂市、白川郷のある白川村の4自治体だけだ。NTT西日本の提供エリア検索で筆者の住所を入力して詳細検索すると「未提供エリアです」となる。
一方、「フレッツ 光クロス」(最大10Gbps)の岐阜県内の提供エリアはまだまだ限定的。白川町の西側の七宗町が飛び地的に提供エリアとなっているのは意外だ。
次は、筆者が移住前、神奈川県川崎市で利用していた「NURO 光」。岐阜県内の提供エリアは白川町の南側の八百津町まで広がっている。
白川町のインターネット光回線は「CCNet」一択です
移住先の物件探しをしていた2024年10月、調べてみると、白川町で光回線の提供を行っているのは「CCNet」のみ。最大1Gbpsのサービスに加え、最大10Gbpsのサービスも提供されていた。
取材したところ、CCNetは愛知県・三重県・岐阜県でケーブルテレビやインターネット回線などのサービスを提供している会社で、1990年に春日井ケーブルテレビ企画株式会社としてスタート。その後、サービス提供エリアの拡大と合併を繰り返し、春日井テレビ放送株式会社、春日井小牧コミュニケーションテレビ株式会社、中部ケーブルネットワーク株式会社と社名を変え、2022年に現在のCCNet株式会社となった。
2000年から光ハイブリッド方式(基幹は光ケーブル、各加入者宅には同軸ケーブル)のインターネット回線の提供を開始。白川町でこの方式によるサービスを開始したのは2010年。その後、各加入者宅まで光ケーブルの方式の「CCNet光」は2013年から順次エリアを拡大。白川町では2020年にCCNet光のサービス提供が開始された。最大10Gbpsのサービスは2023年にスタートしている。
独自サービスとして「安全・安心チャンネル」を放送している。通常放送の12チャンネルのサブチャンネルである123チャンネルを利用して、各地域に設置されたライブカメラで道路や河川の様子をテレビ映像で見ることができる。
光回線の開通に2~3カ月? 代替回線として「Starlink」も考えました
2024年10月下旬、物件の内見中に白川町移住サポートセンターの人との雑談で「CCNetの開通には2~3カ月かかるかも」と聞いた。移住の日程は12月中旬を想定、住み始めて約1カ月もインターネット回線がないのはかなり痛い。その間の代替手段はモバイルWi-Fi? Starlink? などと考えながら白川町をあとにした。
川崎に戻り、CCNetに連絡すると「過去に回線工事をした建物ですので、1カ月で工事可能です」との回答。即、最大1Gbpsのサービスを申し込み、最終的な日程は、12月16日午前に引っ越し荷物の搬入、午後にガスの開栓工事。ケーブルテレビとインターネット回線の工事は翌17日の午前となった。
朝9時、高所作業用のバケット車で工事担当者が到着。過去に工事実績があるので、20mほど南側の県道の電柱で作業が始まった。最終的に光ケーブル回線を引き込む場所は、グルッと建物を半周して、2階北西の仕事部屋。一番遠い部屋だ。
ほどなく電柱での作業を終え、バケット車を敷地内に移動。筆者宅の南側の壁(軒下)、ガレージの屋根に乗って東側の壁に沿って配線をし、仕事部屋のベランダの壁に穴を開け、コンセントから室内に光ケーブルを引き込んだ。ケーブルテレビの開通および各部屋のアンテナ端子の信号強度の確認も含め2時間ほどで作業は完了した。
光回線の先はONUとWi-Fiルーター。CCNetから提供されたWi-FiルーターはバッファローのWSR-1800AX4-KH。Wi-Fi 6、メッシュ対応、有線ポートはWAN/LANともに最大1Gbpsのエントリークラスの製品だ。
開通直後、Wi-Fi接続したスマホでGoogleスピードテストを実施したときのスクリーンショットが、NASに保存したスマホ画像のバックアップに残っていた。値を見ると、下り(ダウンロード)436.6Mbps、上り(アップロード)408.3Mbpsと、問題ない速度を確認した。この時点では引っ越したばかりでPCは未設置。有線LAN接続による速度は記録が残っていない。
今回、記事の執筆にあたり、有線LAN接続での速度を計測してみた。9時、15時、21時、3時(深夜)にデスクトップPCでGoogleスピードテストを実施。5回計測した値は表のとおり。下り(ダウンロード)は800Mbps前後、上り(アップロード)は500Mbps弱となった。
| 下り | 9:00 | 15:00 | 21:00 | 3:00 |
| 1回目 | 708.3 | 826.7 | 655.7 | 831.7 |
| 2回目 | 663.7 | 842.3 | 787.5 | 828.3 |
| 3回目 | 854.0 | 828.4 | 785.3 | 825.0 |
| 4回目 | 791.1 | 844.2 | 722.6 | 837.9 |
| 5回目 | 823.8 | 832.1 | 830.7 | 833.2 |
| 平均 | 768.2 | 834.7 | 756.4 | 831.2 |
| 上り | 9:00 | 15:00 | 21:00 | 3:00 |
| 1回目 | 553.3 | 470.6 | 452.7 | 500.0 |
| 2回目 | 517.7 | 567.3 | 184.5 | 390.5 |
| 3回目 | 543.2 | 457.7 | 211.2 | 549.0 |
| 4回目 | 439.0 | 451.5 | 426.5 | 582.9 |
| 5回目 | 480.3 | 533.5 | 497.8 | 420.8 |
| 平均 | 506.7 | 496.1 | 354.5 | 488.6 |
田舎のテレビ事情はどうなの? 「モヤさま」放送されてませんでした
筆者の周りは「テレビ見ない」という人がチラホラいるが、筆者はかなり見ている(正しくは録画している)。なのでケーブルテレビに関しても触れておこう。
インターネット回線、ケーブルテレビの工事が完了してすぐに取りかかったのは、テレビ本体とBDレコーダーの録画予約の再設定だ。関東地方と東海地方ではチャンネルが異なっているので、毎週録画などの予約は全てエラーとなっていた。
地方の系列局は、主要な番組は東京のキー局と同じ放送だが、いくつかの番組は岐阜では放送されていなかった。「あれ、モーサテがない。モヤさまもない」。筆者が毎週録画をしていた番組では、テレ東の「Newsモーニングサテライト(モーサテ)」「モヤモヤさまぁ~ず2(モヤさま)」は「ぎふチャン」では放送されていない。「Newsモーニングサテライト」はBSテレ東の同時刻の放送を録画設定、「モヤモヤさまぁ~ず2」は田中瞳アナ卒業までTVerに頼ることとなった。
筆者が2024年に購入したテレビ(REGZA)には「シーンリスト」という機能がある。録画映像の本編とCMを区切ってくれるチャプター機能は一般的だが、シーンリストはシーンごとに区切ってくれる機能だ。例えばCMのない相撲中継は取組ごとに区切ってくれるので、録画視聴時はポンポン飛ばして見たい力士の取組だけ見ることができる。冬季オリンピックでは、スノーボード、ジャンプ、フィギュアなどは日本人選手のシーンだけ効率よく見ることができた。普段のニュース番組やワイドショーも細かく区切られるので、気になるテーマ、見たいシーンだけ時短で見られる超便利機能だ。
テレビ購入後にFacebookで「これって今どきは標準機能?」と質問したら、著名ライターさんが「人力でデータ入力するREGZAの独自機能」だと、REGZAのYouTubeチャンネルの動画を教えてくれた。
シーンリストが使えるのは、東京・名古屋・大阪の地上波で放送された番組。シーンリストがテレビにダウンロードされるまでは2時間ほど。BSや地方局の独自番組は対象外。岐阜では地上波で放送されていない「Newsモーニングサテライト」をBSテレ東で録画すると、シーンリストの対象外で区切ってくれない。さらに、ぎふチャンはテレ東の系列局ではなく、関東のtvk(神奈川)、チバテレ(千葉)、テレ玉(埼玉)と同様な位置付けのようで、テレ東と同時放送の「ワールドビジネスサテライト」をぎふチャンの地上波で録画してもシーンリスト機能が使えない。ガッカリである。それでもテレ東以外の地上波系列局の番組ではシーンリストが使えるので助かっている。
逆に救われたのは、物件購入前に南側の山林に遮られてアンテナ受信の可否が懸念されたスカパー!だ。内見のときには気付かなかったが、BS/CSアンテナが建物に設置されていて、工事業者が確認すると問題なく受信できた。自分で設置しようと川崎から持ってきたパラボラアンテナと、家のデカさを考慮して購入した40mのアンテナケーブルは物置部屋に放置することとなったが、既設のアンテナ、屋外・屋内配線をそのまま使用することができた。
移住前、川崎のマンションもテラスハウスも、地上波はJ:COM(ジェイコム)のケーブルテレビが標準設備となっていて、記憶ではTOKYO MX、tvk、テレ玉は視聴することができた。権利や費用など大人の事情はあると思うが、CCNetが岐阜県でテレビ愛知を見られるようにしてくれることを期待したい。
インターネット回線、ケーブルテレビは大きなトラブルはなく設置工事が完了した。次回は、やたら広い10LDKの家屋での有線LAN、無線LANについてお伝えしよう。
奥川浩彦の「岐阜の山奥に移住しました」連載記事一覧
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- 第2回:移住生活に早くもトラブル! 引っ越し当日、天井から冷水が降ってきました
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