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米RedHat、コミュニティ版OpenStackディストリビューション「RDO」を発表

Fedoraに似たアプローチを採用

 米RedHatは15日、OpenStackコミュニティバージョンのディストリビューション「RDO」と、「RedHat OpenStack Enterprise Edition」の早期導入プログラム版を公開した。

 この発表は、RedHatのFedoraモデルを想起させる。RedHatは、Fedoraではコミュニティにより最新技術を導入し、その技術は後にサポートが提供される「RedHat Enterprise Linux」へと取り込まれているからだ。

 OpenStackとは、CPU、ストレージ、ネットワークなどクラウドの基盤となるソフトウェアをオープンソースで構築するための一連のソフトウェアだ。いわゆるIaaS(Infrastructure as a Service)と呼ばれる種類に属する。

 発表によると、RDOはコミュニティによりサポートされた無料ディストリビューションだ。RedHat Enterprise Linux、Fedora、その他のディストリビューション上で動作する。「Openstack.org」で提供される最新安定版を利用し、RedHatプラットフォームに簡単にインストール、デプロイできるように、RedHatが開発したインストールツール「PackStack」と同梱される。

 コミュニティは「openstack.redhat.com」にて提供され、RedHatプラットフォームでOpenStackを運用している他のユーザーと知識を共有できる。

 これと同時に発表されたのが、RedHatの商用サポートバージョン「RedHat OpenStack Enterprise Edition」の「Early Adopter Program」だ。2012年8月には「Preview Release」として公開されていたが、今回「早期導入プログラム」へと昇格したことになる。

 プレビュー版はOpenStackコミュニティ「Essex」リリースを基盤にしていたが、早期導入プログラムではコミュニティ「Folsom」リリースを基盤としている。

 このRedHat OpenStack早期導入プログラムに関心を持つ顧客は、RedHatに問い合わせをすることで、90日間無料で評価を行うことができるとしている。

 RedHatのOpenStackへのコード貢献率は増加傾向にあるという。コミュニティFolsomリリースではコード貢献企業として2番目だったが、最新版の「Grizzly」では企業としては一番多くのコードを提供したとしている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)