自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!
【使いこなし編】第244回
iPhoneのファイル管理アプリでアイ・オーのNAS「LAN DISK」を操作する
2025年7月3日 06:00
アイ・オー・データ機器のNAS「LAN DISK」シリーズの「HDL1-LA02」を、第237回から活用している。家庭向けモデルの中でも最も廉価で、気軽にスマホのバックアップ用として2TBの容量を活用できる。
前回は、外出先からアイ・オー・データ機器が提供しているリモートアクセス用アプリ「Remote Link 3」を使ってHDL1-LA02にアクセスしたが、自宅内でWi-Fiに接続した(HDL1-LA02と同じLANに接続した)状態なら、ほかのファイル管理アプリでもアクセスできる。
「Remote Link 3」は外出先からのアクセス用として、自宅でスマートフォンを使うときは、より使いやすいアプリを選ぶと便利だろう。アクセス認証の時間が短くて済むので、快適に利用できる。ここで紹介する手法は、同じLANに接続した状態なら、メーカーや製品を問わず、どのNASにも共通して使えるので、覚えておくといいだろう。
なお、もしもLAN DISKシリーズのNASで、作業途中で入力する必要のあるLAN上のIPアドレスがわからなくなったら、第238回で使った「Magical Finder」で探すことができる。「IPv4アドレス」という項目をチェックする。
iOSの「ファイル」アプリでは書き込みができなかった
iOSとAndroidでは使うアプリが異なるので、今回はiOS(およびiPadOS)で実践する。Androidは次回にしよう。iOSでは、純正の「ファイル」アプリが利用可能だ。
ただ残念ながら、iOS 18.5の「ファイル」アプリでは、ファイルの表示はできるのだが、NASへの書き込みができない状況だった。いずれ問題の原因は修正されると思われるが、このままではちょっと使いにくい。
「Documents」アプリでNASのファイルを操作する
そこで、Readdle Technologiesの「Documents」というアプリを使ってみることにした。このウクライナ発のアプリはとても多機能で、元はPDF閲覧・編集アプリだったのだが、さまざまなファイル操作が可能になっている。
PDFの編集やVPN、音声編集などの高度な機能が使える「Documents Plus」というサブスクリプションも9.99米ドルで提供されているが、ファイル操作や閲覧などの基本機能は、サブスクリプション登録をしなくても無料で活用できる。
▼Dobumentsのインストール
Documents(App Store)
使い始めにサブスクリプションへの招待があるスプラッシュ画面に遷移するので、とりあえずスキップしてしまう。ちょっと分かりにくいので、起動手順を載せておこう。「無料トライアルのしくみ」という画面で7日間のお試しが開始された場合、左上の[×]で閉じると、そのまま無料版として利用できる。
使用中「Documents Plus」の加入が必要な機能を選択しても、この「無料トライアルのしくみ」画面は表示されるので、その際も同様に画面を閉じればよい。この画面は、トライアルに登録してしまったような気がしてしまうかも知れないが、この画面が表示されただけではトライアル登録も始まっていない。「Documents Plus」の加入は(トライアルも含め)ここから[続ける]で登録した場合のみだ。途中メールアドレスの登録もうながされるが、通知が不要なら登録しなくても問題ない。
ここまでの操作を完了すれば、以降で実践するファイル操作の基本機能は無料で使えるようになる。接続は[Windows SMB]という種類を選び、[URL]に「smb://」が記入されているので、続けてIPアドレスを記入する。ほかユーザーのログイン情報の記入は「ファイル」アプリなどと同じだ。
Documentsでの写真ブラウズは、アルバム作成やAI検索はできないが使いやすい。サムネイルをタップして詳細表示にすると、横スクロール表示になってとても見やすい。写真をタップすると、写真アプリ同様にステッカー登録などもできてしまう。
一度接続すると、[マイファイル]タブにアイコンが作られているので、そこから簡単にアクセスできる。もちろんこれが繋がるのは自宅のWi-Fiに接続している時だけだ。
アップロード時も同様だが、[ファイル]を選べば写真以外でもアップロードできる。[ファイル]を選ぶと「ファイル」アプリを使ったアップロードになる。このDocumentsから[ファイル]を選んで「ファイル」アプリ経由のアップロードであれば、問題なく書き込みができた。
今回はファイラーとしてDocumentsを選んだが、自宅LANのネットワークドライブにアクセスできるファイル管理アプリであれば、好みでアプリを選んで構わない。ポイントは、Windowsの「SMB」というプロトコルを使っていることと、NASのIPアドレスを指定すること、そして、登録したユーザーのログイン情報を使うことだ。次回は、同じことをAndroidで実践してみる。