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【使いこなし編】第238回

アイ・オーのNAS「HDL-LA02」を、PCを使わずスマホだけでセットアップする

 前回から、アイ・オー・データ機器のNAS「HDL1-LA02」の使いこなしをめている。同社のNAS「LANDISK」シリーズの家庭向けモデルの中でも最も廉価で、気軽にスマホやPCのバックアップ用として2TBの容量を活用できる。

今回から、アイ・オー・データ機器のNAS「HDL1-LA02」を使い始めてみよう

接続が完了したら電源を入れ、LEDが点灯状態になれば準備完了

 「HDL1-LA02」は、有線LAN接続で利用する。本製品にも1mのLANケーブルが付属しているが、もっと長いケーブル、または短くてスッキリと配線できるケーブルがほしい場合には、市販のものを接続してもいい。LANケーブルはCAT(カテゴリ)により対応できる通信速度に違いがあるが、CAT5e以上のLANケーブルであれば利用できる。

 現在市販されているLANケーブルで、CAT5eよりも下(CAT5など)のものは、まずないはずだ。上位のCAT6/6A/7/8などに対応したケーブルでもいいが、オーバースペックではある。

 LANケーブルでWi-Fiルーターの有線LANポートと接続し、電源(付属のACアダプター)も接続したら、本体背面にある電源ボタンを押す。電源がオンになると、前面の緑のLEDが点滅し始めるので、点滅が止まって常時点灯状態になるまで待つ。この間に自動アップデートなどが入るので、長い場合10分ほどかかることもある。とにかく点灯になるまで放置して待つようにする。

LANケーブルとACアダプターの電源ケーブルを接続する
Wi-FiルーターとLANケーブルで接続する
背面の電源ボタンを押す
緑のLEDが点滅し始めるので、点灯状態になるまで待つ

「Magical Finder」でNASのIPアドレスを確認する

 ここからはスマホを使って設定を始める。ます、LAM内にある「HDL1-LA02」のIPアドレスを見つける作業からだ。これには「Magical Finder」というアイ・オー・データ機器が提供するスマートフォンアプリを活用する(本連載でよくIPアドレスを探す用途で「Fing」アプリを使っているが、そちらを使っても構わない)。

 なお、本製品の取扱説明書ではPCの「LAN DISK CONNECT」アプリを使用する方法が紹介されているが、多くの人はスマートフォンを持っていると思うので、筆者は「Magical Finder」を使う方法をおすすめする。以下の手順を参考に、やってみてほしい。iOS(iPhone)の画面で説明しているが、アプリの操作自体はAndroidでも同じだ。

▼Magical Finderのダウンロード
iOS(App Store)
Android(Google Play)

 ここからの初期設定作業は、スマホでWi-Fiルーターに接続し、「HDL1-LA02」と同じLANに接続した状態にしておく必要がある。Wi-Fiがオンになっていて、自宅のWi-Fiルーターに接続していることを確認してから、アプリを起動してほしい。

Magical Finderの初回起動時に位置情報の取得許可の確認画面が表示される。これは「アプリの使用中は許可」にしておく
「Magical Finder」の起動直後の画面は何も表示されないので、[更新]をタップする
自宅LAN上のデバイス検索の許可画面が表示される。[許可]をタップする。
「HDL1-LA02」が問題なく起動してLANに接続されていれば、この画面のように表示され、IPアドレスが確認できる。このままタップする

 Wi-Fiルーターから自動で割り振られたHDL1-LA02のIPアドレス(ここでは192.168.1.144)を確認して以降の操作は、ウェブブラウザーから行っても構わない。同じLANに接続したPCまたはスマートフォンのウェブブラウザーで、アドレスバーにIPアドレスを入力すれば、HDL1-LA02の設定画面が表示される。PCに慣れた人なら、こちらの方が使いやすいだろう。

 ここでは、このままスマホで設定を続けてみる。

外出先からアクセスするため「Remote Link 3」を有効化しておく

 後の連載で利用する予定なので、手順の途中で「Remote Link 3」という機能を有効にしている。後ほど細かな設定も必要になるが、今回はひとまず機能を有効化するだけだ。この機能は、スマートフォンの「Remote Link Files」アプリを使って外出先から自宅のHDL1-LA02にアクセスできるようにする機能だ。外出先から使う予定はないなら、この手順は無視して、有効化しなくても構わない。

 また、途中で「NarSus」というアイ・オー・データ機器が提供するNAS遠隔管理システムへの登録が促されるが、これは使う予定はないので、登録をスキップしている。

詳細情報が表示される[Web設定画面を開く]をタップする
ウェブブラウザーが起動し、設定画面にログインする画面が表示される
[ユーザー名]に「admin」と記入し、[ログイン]をタップする
管理者パスワードを設定する。スマートフォンが管理する強力なパスワードを生成するのがおすすめだ。もちろん自分で決めても構わない
設定画面になるが、[そのまま次へ]で進めていけば、すぐに利用できる。必要な設定に関しては後ほど見ていく。便宜上この時点で名前だけ変更しておいた。変更して[設定内容を反映する]を選ぶとログアウトしてしまうので注意
Remote Link 3を有効にするため、[同意する]にチェックを入れ[Remote Link 3機能を有効にする]をタップする
接続用のPINコードや規定ユーザーの情報が表示されるが、後ほどユーザーを作成して設定するつもりなので、ここは無視して[次へ]をタップする
続いてNarSusへの登録がうながされるが、これは必須ではないので[今は登録しない]をタップする。使ってみたい人は登録しても構わない
本体情報の送信は許諾しておこう
初期設定が完了し、設定画面のメニューが表示された

 以上で、初期設定は完了だ。今後は、HDL1-LA02の設定画面にログインすると、すぐにメニューが表示される。これでバックアップも始められるが、快適に使うには、もう少し設定をカスタマイズしておきたい。次回は、このカスタマイズを実践していく。

【今回の教訓(ポイント)】

自宅LANに接続した機器のIPアドレスは「Magical Finder」で調べるのがおすすめ
HDL1-LA02のIPアドレスが分かれば、ウェブブラウザーからでも初期設定ができる

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。