自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!
【使いこなし編】第239回
NASを自宅で便利に使う「IPアドレス固定」の方法〜アイ・オー「HDL1-LA02」で実践する
2025年5月22日 06:00
本連載の第237回から、アイ・オー・データ機器のNAS「LANDISK」シリーズ「HDL1-LA02」を使い始めてみる。同社のNAS「LAN DISK」シリーズの家庭向けモデルの中でも最も廉価で、気軽にスマートフォンのバックアップ用として、2TBの容量を活用できる。
IPアドレスを変わらないようにして、アクセスを簡単に
前回行った初期設定ですでに使えるようにはなっているが、筆者は、家庭内でNASを使うときには、IPアドレスを固定して使うことをおすすめしている。
自宅のWi-Fi(家庭内LAN)に接続した機器には、それぞれ「192.168.1.1」のようなIPアドレスが割り振られるが、ネットワークのおおもと(DHCPサーバー)であるWi-Fiルーターやそれぞれの機器を再起動したり、一定の時間が経過したりすることで、割り振られるIPアドレスが変わってしまうことがある。しかし、NASにはIPアドレスを入力してアクセスするので、変わらない方がアクセスしやすいのだ。
本連載では何度かIPアドレスの固定を実践していて、今回も必要な手順をひととおり紹介するが、最初に注意点を1つ。IPアドレスを固定するには、NAS(HDL1-LA02)側の設定だけでなく、Wi-Fiルーターなど家庭のDHCPサーバー側での設定も、一部必要になる。これは家庭ごとに使っている機種が異なり、すべてのケースを紹介しきれない。もしも設定方法が分からなかったら、IPアドレスの固定にこだわらないようにしてほしい。IPアドレスが変更されたときに、前回使った「Magical Finder」などを使ってIPアドレスを調べる必要が生じるが、毎日やらないといけなかったりするわけではない。
なお、IPアドレスの固定についてより詳しく知りたい人は、本連載の第38回〜第41回あたりで、より詳しく解説しているので、あわせて読んでみてほしい。
要は、Wi-FiルーターのDHCPサーバー機能が自動配布するIPアドレスの範囲を一部制限したうえで、自動で割り振られない任意のIPアドレスを指定する。たいていはDHCPサーバーで配布する「開始IPアドレス」を設定できるので、この数値を少し後ろにずらして、それよりも前の数値に固定すればいい。
DHCPサーバーの設定後、IPアドレス固定の設定を行う
ここからIPアドレスを固定するための操作を実践するが、「HDL1-LA02」上で設定を変更する前に、自宅のDHCPサーバー機能で、割り振るIPアドレスの範囲を設定しておく必要がある。
DHCPサーバーの設定をしないでNAS側でIPアドレスの固定だけを行うと、一見うまく動作しているように見えても、ある日突然IPアドレスがほかの機器と重複して、動作が不安定になる場合があるので、注意してほしい。
筆者宅では、フレッツ光回線で使用中のホームゲートウェイ(ルーター/DHCPサーバー機能を持つ機器)である「PR-400MI」のDHCPサーバーの設定を変更して、IPアドレスを「192.168.1.100」から自動配布するようにしている。つまり、接続した機器に「192.168.1.2」〜「192.168.1.99」のIPアドレスは自動で割り振られないようにしているので、この間の数値を固定に使えるということになる。
ウェブブラウザーのアドレスバーに、HDL1-LA02のIPアドレスを入力して、設定画面にアクセスする。設定画面はPCのウェブブラウザーの方が見やすいが、操作自体はスマートフォンからも可能だ。
ついでに「IPv6」をオンにしておく(必須ではない)
続けて、初期設定でオフになっている「IPv6」をオンにする操作を行う。ここではIPv6について詳細な解説は省くが、これにより、IPv6回線でつながる確率が上がる。とはいえ、実際の通信で関連するアプリなどがIPv6を使っているのかは不明で、この設定は必須ではないが、今回の実践では念のためIPv6を使う設定にしておいた。
この状態で、スマートフォンアプリ「Remote Link Files」を使って、外出先から自宅内にあるHDL1-LA02にアクセスできることを確認している。IPv6をオフにしてもつながっているので、動作に関係はないと思われるが、今後利用するアプリによってはネットワーク接続が安定すると考えられる。例えば、iPhone向けのアプリは、IPv6通信に対応していないと登録できないので、すべてIPv6通信をしているはずだ。
【今回の教訓(ポイント)】
LAN DISKシリーズに限らず、NASはIPアドレスを固定しておくと便利
先にWi-FiルーターのDHCPサーバー設定でIPアドレスを固定できるように設定しておく