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アイ・オーのお手軽NAS「HDL1-LA02」を家族で使うためのアカウントとアクセス権の設定

アイ・オーのお手軽NAS「HDL1-LA02」を家族で使うためのアカウントとアクセス権の設定

 アイ・オー・データ機器のNAS「LAN DISK」シリーズの中でも、最も廉価で手軽に使える「HDL1-LA02」を、第237回から使い始めている。2万円を切る実売価格で、気軽にスマホのバックアップ用として2TBの容量を活用できる。

アイ・オー・データ機器のNAS「HDL1-LA02」。ユーザーと共有フォルダの設定を続けていく

 前回は自宅のLAN内でHDL1-LA02のIPアドレスを固定し、いつも同じIPアドレスでアクセスできるようにする方法を紹介した。今回は、NASのストレージ内部を、より快適に使うための設定を実践する。

家族や仲間で使うなら、最初にユーザーやアクセス権を設定!

 NASは、ネットワーク経由で複数人がアクセスして同時に利用できることが特徴だ。人ごとにユーザー(ユーザーアカウント)を設定し、それぞれに自分だけが見られる個人用フォルダーと共有用フォルダーを作ったり、親が写真を保存して子どもは見るだけにする(間違って削除したりすることがないように)、ような設定もできる。

 セットアップした直後の状態でHDL1-LA02を使うと、誰もが「disk1」というドライブのルート(おおもとの階層)にアクセスする状態になっている。1人だけで使うならそのままても構わないが、家族や仲間と使うなら、あらかじめ人数分のユーザーを作成し、個人用のフォルダーなどを作っておいた方が、ファイルが散らからずに済むし、どのように使ってほしいのかを示唆できる。

 今回は、両親と子ども1人の3人家族で使い、子どもには見るだけの権限を設定する操作を実践していく。なお、ここでは大人数ではないため使わないが、「グループ」を作成して、グループごとにアクセス権を管理することも可能だ。

家族分のユーザーを作成する

 まずは、利用する人数分ユーザーを作成しておこう。ちなみに、初期状態で「remote」というユーザーが作られているが、これは、そのままにしている。初期セットアップ時に、外出先からアクセスするため「Remote Link 3」を有効化した際に作成されたユーザーだ。

 新規ユーザー作成時、ユーザー名は半角英数にしておく。パスワードは、しっかりと決めた上で覚えておくようにする。ユーザーごとにメモを残しておくといいだろう。

ブラウザで「HDL1-LA02」のIPアドレスにて設定画面にアクセスし、[ユーザー&グループ]を選ぶ
[ユーザー]を選ぶ
現在の状態チェックのため[一覧]を選んでみる
「remote」というユーザーが、すでにあることが確認できる。[追加へ]をクリック
ユーザーの情報を記入して[追加]をクリック。[一覧]で確認して、同じように別ユーザーも追加していく
このように3名のユーザーを追加しておいた。両親と「muff」は子供という設定

ユーザーごとのフォルダーを作り、アクセス権を設定する

 次に、ユーザーごとのフォルダーを作成する。まず、初期設定では「disk1」が誰でもアクセスできるようになっているので、これは利用できないように変更しておく。disk1の下層にユーザーごとのフォルダーなどを作成し、それぞれのアクセス権を設定するためだ。

設定画面のトップに戻り、[共有フォルダー]を選ぶ
続けて[一覧]を選ぶ
初期設定の共有フォルダが確認できる。赤い表示になっている「disk1」の[変更]をクリックする
[詳細アクセス権]で[有効]を選択すると、ユーザー選択画面が表示されるので、すべて[禁止ユーザー]のままにしておき、[変更]で反映させる
設定後に再度[一覧]を表示させると「disk1」は黒くなっているはずだ。[追加へ]をクリックする

 各ユーザーのフォルダーを作成し、本人以外のユーザーは閲覧のみができるようにしておくと、分かりやすいだろう。場合によっては、すべてのユーザーが保存できる共有用のフォルダーもあわせて作っても構わない。

 以下の実践例では「kumi」「shun」はそれぞれ自分の名前のフォルダーにのみ保存が可能で、ほかの人のフォルダーは見るだけになる。「muff」は子ども用で、すべてのフォルダーを見るだけに設定する。

 なお、管理者ユーザーの「admin」でログインすれば、すべてのフォルダーにアクセスできる。ただし、これはメンテナンスや緊急時用で、普段は使わないようにしておく。

 作成は[共有フォルダー]の追加画面で[名前]を入力し、[詳細アクセス権]を設定する。初期状態では全てのユーザーが[禁止ユーザー]になっていて、アクセスできないので、保存を可能にするユーザーは[読み書きユーザー]に、見るだけのユーザーは[読み取りユーザー]に移動させよう。最後に[追加]をクリックすると、フォルダーが作成される。

共有フォルダーの追加画面で家族用フォルダーを追加。[名前]を入力。[ゴミ箱]は好みでオンにしておこう。[詳細アクセス権]を[有効]に切り替える
[禁止ユーザー]にある該当するユーザーを選択して、[読み書きユーザー]の[選択]をクリック
このように[読み書きユーザー]移動させる
同様に[読み取りユーザー]には見るだけのユーザーを登録。一番下の「追加」をクリックすると共有フォルダーが作成される
別のユーザーの共有フォルダーも、同様の手法で作成する。
作成した共有フォルダーを確認したところ

 子どもはファイルを見るだけなので、フォルダーは作成しない。各フォルダーに読み取りユーザーとして設定するだけだ。

 これらの設定をした時点で、登録したユーザーでアクセスすると、WindowsやmacOSでLAN内にてファイル共有をできるようになっているのだが、これは次々回以降に実践してみよう。次回からは、スマートフォンでこの共有フォルダーにアクセスできるようにする設定を行う。

今回の教訓(ポイント)

共同で使うNASはユーザーごとにフォルダーを作成すると使いやすい
初期状態では、誰でもアクセスできる「disk1」が作成されている

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。