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米国の公共図書館を横断検索できる「Digital Public Library of America」β版公開

 米Digital Public Library of America(DPLA)は18日、ウェブサイトのベータ版公開を発表した。

 DPLAは米国中の図書館、博物館、アーカイブに保存されている書籍、画像、動画、音などを一括横断検索できるポータルとなる。

 米国にはデジタルデータを保管している公共図書館が多数ある。米国議会図書館や日本でもなじみのあるInternet Archiveなどが有名だ。しかしその他にも大学図書館附属のアーカイブなどが分散して存在する。その中には小さいながらも貴重なコレクションがある。DPLAによってこれらすべてを一括横断的に検索できるようになり、歴史的資産を効果的に活用できるようになる。

 DPLAは今日の公開時点で約200万アイテムの検索が可能だとしている。今後、米国中の図書館、博物館などとの連携により、検索できる範囲を広げていきたい考えだ。

 DPLAでは、各図書館などから寄贈されたメタデータのみを保存し、データ自体は各図書館などが保存している。利用者は検索結果をもとに、保存先図書館のサイトにてデジタルデータを閲覧できることになる。

 DPLAではキーワード検索にとどまらず、メタデータによる場所や時間による検索など、強力な検索機能を提供する。さらに、APIを無料で提供するデジタルプラットフォームとしても機能する。現在欧州のデジタル図書館Europeanaと横断検索できるアプリなどが公開されている。今後は一般市民の開発者の参加により、クリエイティブな仕方で米国の歴史に親しんでもらえるようなスマートフォンアプリ開発などに利用してもらいたい考えだ。

 DPLAは米国政府や民間財団などによる民間財団などによる資金援助を受けている。本拠地がボストンにあるため、15日に発生した爆弾テロ事件の影響を受け、オープニングセレモニーが影響を受ける結果となってしまった。

(青木 大我 taiga@scientist.com)