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2012年度の光回線純増数、KDDIが60万件に増加、NTT東西は計74万件に減少

 株式会社ICT総研は16日、「2013年ブロードバンドサービスの東西エリア別市場動向調査」の結果を発表した。電気通信事業者や関連企業への取材、インターネットユーザー2万3000人へのウェブアンケート調査、各種公開資料などを分析してとりまとめたもの。

 これによると、2012年度末(2013年3月末)のブロードバンドサービス加入者は全国で4058万件で、世帯普及率は74.9%。このうち光回線は2385万件で、58.8%を占めている。ADSLは539万件(13.3%)にまで減少した一方、CATVインターネットは604万件(14.9%)へと増加し、初めてADSLを上回った。このほか、WiMAXなどのBWA(ブロードバンドワイヤレスアクセス)が530万件(13.1%)で、前年度から2.3倍に増加した。

ブロードバンドサービスの加入者数(総務省のデータおよびICT総研の調査結果に基づく。ICT総研の発表資料より)

 光回線の事業者別内訳は、NTT東日本・西日本が合計1730万件でシェア72.5%、KDDIが287万件でシェア12.0%、ケイ・オプティコムが140万件でシェア5.9%の順。NTT東西のシェアが依然として大きいが、KDDIが全国的にシェアを大きく伸ばした。KDDIが2012年2月から開始した「auスマートバリュー」により、au携帯電話サービスとのセット販売を強化したことで、割引額の大きい同サービスの加入者が増えているという。

 2012年度の年間純増数を見ると、KDDIが60万件へと増加。一方、NTT東日本は40万件、西日本は34万件で、合計74万件にとどまる。2009年度にはNTT東日本は124万件、西日本は88万件だったが、純増数が減少傾向にある。

NTT東日本、NTT西日本、KDDIの光回線サービスの純増数(ICT総研の発表資料より)

 光回線のシェアを東西エリア別に見ると、東日本エリアではNTT東日本が78.3%と圧倒的で、KDDIは15.6%にとどまる。しかし、KDDIは前年度末のシェア12.7%から2.9%伸ばしており、東日本エリアでの急増が目立つという。

 西日本エリアでは、NTT西日本が最大シェアを持ってはいるが66.3%にとどまる。ケイ・オプティコムが12.3%、KDDIが8.2%あるほか、そのほかの電力系事業者も7.0%あり、東日本エリアに比べて激しい競争が展開されているという。

 また、ICT総研が5月に実施した光回線の顧客満足度についてのアンケート調査によれば、「サービス品質」「料金」「顧客対応」の3項目を平均した総合満足度が最も高かったのは、東日本エリアではKDDIのauひかりだった。2位はソフトバンクBBのYahoo! BB 光、3位はNTT東日本のフレッツ 光。フレッツ 光は、料金に対する満足度が低く、以前から加入しているユーザーが料金を高いと感じているようだという。

 西日本エリアでは、ケイ・オプティコムのeo光が1位、KDDIのauひかりが2位、NTT西日本のフレッツ 光が3位。eo光は3項目いずれも最も満足度が高かったという。ただし、西日本エリアは競争が激しいため、サービスや料金面の評価が全体的に高い傾向が見られたとしている。

(永沢 茂)