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2カ月で3300事業者が登録、クラウド会計ソフト「freee」で請求書管理が可能に

 株式会社CFOは22日、銀行やクレジットカードのウェブ口座と同期し、会計帳簿を自動的に作成するクラウド型会計サービス「freee(フリー)」において、請求書を作成することで、請求書売上の経理処理や入金管理を自動化する機能を追加した。

 freeeは銀行やクレジットカードのウェブ口座からテキストを解析し、自動で会計帳簿データに変換するサービス。テキスト解析が間違っていても、画面上で「飲食費」や「物品の購入等」といった正しい勘定科目を指定できるため、簿記の知識がなくても使えるという。

 今回追加した新機能ではまず、freee上でPDFの請求書を作成すると、自動でオンライン上の会計帳簿に反映される。請求書にはロゴや印影をカスタマイズして付けられるため、オリジナルの請求書を無料で作成できる。

 PDF請求書を作成した後は、freee上で銀行口座からの入金を確認し、「登録」ボタンをクリックするだけで会計帳簿に入金が反映される仕組み。入金が遅れている請求書は「お知らせ」欄で確認できる。

 CFO代表取締役の佐々木大輔氏は従来の入金管理について、「請求書を作成するツールと別の会計ソフトで帳簿を記録した上で、請求書と銀行の入出金明細を照合し、入金状況を会計ソフトに記録する作業が必要だ」と説明する。

 これに対してfreeeは、請求書を作成するだけで、請求書売上の会計帳簿への入力や、入金確認が自動で行われるため、利用者は請求書処理に関する手間を大幅に削減できるとしている。

「会計ソフト難民」Macユーザーの救世主に

CFO代表取締役の佐々木大輔氏

 CFOは、元グーグルの佐々木氏が2012年7月に設立した企業。「経理専任者がいない中小企業や個人事業主が、より創造的な活動に注力できる環境を作りたかった」という理由で、freeeを開発し、3月19日にスタートした。

 佐々木氏によれば、サービス開始から2カ月間で約3300事業者がfreeeに登録しており、約9万3000件の仕訳が入力されたという。「1件の仕訳にかかる時間は約2分程度。freeeはこれを自動で作成するため3100時間相当の手間が省けたことになる」。

 サービス開始後のネット上の反応では「仕分け作業がなぜか楽しい」「便利すぎて感動している」といった声があり、クラウド型会計サービスが待望されていたことを感じたと語る佐々木氏。

 「ネット上の反応を見ると、主要な会計ソフトが対応していないMacのユーザーが『会計ソフト難民化』していたことを知ったが、freeeはブラウザー経由で利用できるため端末やOSを問わず利用できる。」

 今後は請求書の入金に加えて、ECデータやPOSデータと連携して入金を自動化する。支出の面では「Zaim」や「ReceReco」といった家計簿アプリと連携し、現金支払いも会計帳簿に自動的に反映する予定。「まだ自動化に対応していないプロセスをつぶし、スモールビジネスの経理業務の完全自動化を目指す」。

 freeeの料金は青色申告に対応する個人事業主プランが月額980円、会社法に対応する法人プランが月額1980円、機能を省略した無料版もある。7月末まで全プランが無料となるキャンペーンを実施している。いずれのプランも3ユーザーまで利用可能。

(増田 覚)