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Android端末を“人質”にとる偽ウイルス対策アプリが出現

 株式会社シマンテックは24日、Android端末を狙った偽ウイルス対策ソフトが出現しているとして、公式ブログで注意を促した。

 偽ウイルス対策ソフトは、「端末がウイルスに感染している」といった警告を表示し、感染を除去するにはソフトの完全版を購入する必要があるなどと称して、ユーザーから金銭をだまし取る詐欺の一種。この詐欺はこれまで主にPCを標的としてきていたが、現在ではAndroid端末を狙うようになっているという。

 シマンテックが発見した「Android.Fakedefender」もこうした偽ウイルス対策ソフトの亜種だが、端末をロックして“人質”にとり、解除のためとして金銭を要求する「ランサムウェア」と呼ばれるマルウェアと同様に、端末をロックしてしまうという特徴があるという。

偽ウイルス対策アプリの画面ショット

 アプリをインストールした場合、端末の種類によって互換性の問題があるため被害は一様ではないが、多くのユーザーに共通している被害としては、インストールすると他のアプリの起動が妨害され、アプリがアンインストールできなくなる。OSの設定も変更され、場合によっては端末の工場出荷時データリセットさえ実行できず、ハードウェアリセットしか手段がなくなることもある。

 シマンテックでは、PCの場合と同様に、Androidを狙う偽ウイルス対策ソフトが深刻な問題になるのも時間の問題だと指摘。こうした脅威は、いったんインストールされてしまうと削除が難しいため、そもそも端末に入り込まないようにすることが重要だとして、「ノートンモバイルセキュリティ」などのセキュリティアプリをインストールすることを推奨している。

(三柳 英樹)