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Samsungが299ドルのスマートウォッチ「GALAXY Gear」を発表

 Samsung Electronicsは4日、ドイツで開催されている国際展示会「IFA 2013」でスマートウォッチ「GALAXY Gear」を発表した。

 価格は299ドルで、Samsung Electronicsでは「ウェアラブルデバイス」「コンパニオンデバイス」などと呼んでいる。9月25日から、世界140カ国を対象に順次発売される。

「IFA 2013」で発表されたSamsungのスマートウォッチ「GALAXY Gear」

 Samsungのスマートウォッチが注目されるのは、Samsungがスマートフォンで世界最大シェアを持っているからだ。現時点でスマートウォッチはスマートフォンのコンパニオンデバイスとなっている。最大シェアを握るSamsungは激化しているスマートウォッチ市場成功の指標となると見られている。

 米Appleは日本国内で「iWatch」なる商標登録を行っており、スマートウォッチを開発してるのではないかと噂されている。Appleは9月10日に発表イベントを開催予定で、そこで次期iPhoneと共に、スマートウォッチの発表が行われるのか注目される。

 日本メーカーでは、ソニーがかなり以前からスマートウォッチを販売しており、Xperiaスマートフォンと連動するコンパニオンデバイスとして利用できる。

 また、今日になって携帯電話用半導体開発大手の米Qualcommがスマートウォッチ「Toq」を2013年第4四半期に販売開始すると発表した。ToqはMirasolカラータッチディスプレイを搭載し、Androidスマートフォンと連動する。

 どのようなスマートウォッチが成功を収めるのかを考えるのは興味深いが、GALAXY Gearはその参考になりそうだ。

 GALAXY Gearの重さは73.8gでサイズは36.8×56.6×11.1mmの腕時計型。表面には1.63インチ(41.4mm)スーパーAMOLED(解像度は320×320)ディスプレイがある。発売時点では6色(ジェットブラック、モカグレー、ワイルドオレンジ、オートミールベージュ、ローズゴールド、ライムグリーン)が用意される。身につける物だけに、ファッション性も重要な要素となる。

 デバイス性能としては、800MHzプロセッサ、4GB内蔵メモリ+512MB(RAM)、さらに1.9メガピクセルBSIセンサー、オートフォーカスカメラ、マイク×2(ノイズキャンセル機能付き)、スピーカー×1、加速度計、ジャイロスコープ、Bluetooth v4.0を内蔵する。

 オーディオフォーマットはAACとM4A、ビデオコーデックはH.264、MP4で720p HD画質の再生と録画が可能だ。

 GALAXY Gearには様々な用途があるが、とくに通知が便利そうだ。電話着信通知を受けて内蔵マイクによるハンズフリー通話が可能だ。買い物帰りなどで両腕がふさがっていても、GALAXY Gearに話しかけるだけでハンズフリーコールを開始できる。

 メール受信通知ではメールやテキストメッセージの受信通知を表示させ、返信が必要かを一瞥するだけで確認できる。要返信の場合、スマートフォンと連動しているので、鞄からスマートフォンを取り出してすぐに返信を書き始められる。

 音声認識によるメール文章作成、カレンダー予定の登録、アラームの設定、天気予報の確認もGALAXY Gearの「S Voice」から可能。

 内蔵センサーを利用して、消費カロリーの計算、歩数計などフィットネス用途にも利用できる。当然腕時計としても利用でき、10種類のデザインから時計表示方法を選べる。

 Samsung製内蔵アプリ以外にも、サードパーティーによるアプリが利用できる。発表時点ではEvernote、LINE、Path、Pocketなどが搭載されている。

 セキュリティー機能としては、GALAXY Gearがスマートフォンから1.5メートル離れると、自動的に画面をロックする機能や、なくしたときにリモート操作で見つけることが可能な「Find my Device」などを搭載する。

(青木 大我 taiga@scientist.com)