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「GraphHackアワード2013」、グランプリはソーシャルカラオケ「ohaco」

「GraphHackアワード2013」グランプリを受賞した「ohaco」の原田大作氏(写真右)

 ITスタートアップの登竜門「GraphHackアワード2013」の最終選考会が10月3日に開催され、グランプリはソーシャルカラオケ「ohaco」が受賞した。グランプリ賞金は100万円。

 「Graph hack アワード」は、GMOアドパートナーズ株式会社の研究機関「サノウラボbyGMO」が主催。2011年の初開催から今回は3年目、3回目の開催となる。「Web上の人間関係を、ちょっと便利におもしろくする。」をテーマとして自作サービスやサイト、アプリケーション、ガジェットを公募し、39作品が集まった。

 最終選考会では、選考会を経て最終ノミネートに選ばれた5作品のプレゼンテーションが行われ、審査委員によってグランプリが選出された。

 グランプリに選ばれたソーシャルカラオケ「ohaco」(http://ohaco.in)は、趣味が合うカラオケ仲間の集客から店舗予約、メンバーのグループ化までワンストップで提供するアプリ。

 「ohaco」では、カラオケ企画を投稿すると、Facebook Graph API や、カラオケの実機の歌唱履歴から決定された音楽インタレスト情報を用いて志向性が合う仲間が自動的にピックアップされる。自動ピックアップされたリストから声をかけたい人やグループのボタンを押すとスマートフォンのプッシュ通知が送られる。参加人数が3名以上集まったら、カラオケの鉄人の予約コンシェルジュが最適な部屋を自動予約し、参加者の当日の誘導、参加メンバーの評価、グループ化、音楽コミュニティへの参加までをワンストップで提供する。

 ふだん職場や学校のグループでカラオケに行くことがあっても、アニメ主題歌などを歌ってもわかってもらえないことが多いが、同じ趣味の人であれば会ったばかりでもカラオケで盛り上がれることから、「ohaco」ではアニメ主題歌の好きなユーザーが多いという。もっとも多いのはJ-POPのコミュだが、アニメ、ゲーム、ボカロなどのコミュもそれぞれ1000人以上の登録者がいる。メインユーザー層とTwitterの親和性が高いことから、10月3日にTwitter連動も開始した。

 「ohaco」を運営するザワット株式会社の原田大作氏は、プレゼンで「グランプリを取ったら、賞金100万円でユーザーへの感謝イベントとしてカラオケパーティを開催します!」と宣言。実際にグランプリを受賞したわけだが、「約束は守ります。賞金でカラオケパーティを開催します」とコメント。運営会社主催で参加費が割引もしくは無料のカラオケパーティが開催されるようだ。

「ohaco」トップページ
企画を投稿、いいね!やコメントで気軽に参加できる
カラオケコミュ。同じ趣味の人とはすぐに打ち解けてカラオケを楽しめる

 優秀賞には、「ietty」、「ストリートアカデミー」、「planBCD」、「STORYS.JP」の4サービスが選出され、賞金15万円が授与された。

 「ietty」(https://ietty.me/)は、好みの物件情報を登録すると、条件にあった物件を提携する不動産業者が紹介してくれるというもの。地元に密着した不動産業者が直接条件を見て紹介するため、不動産ポータルサイトに載ってないような掘り出し物件が紹介されることもあるという。

 「 ストリートアカデミー」(http://www.street-academy.com/)は、「教える」と「勉強したい」という個人同士のニーズをつなぐサービス。レッスンやワークショップで参加者を募り、カルチャースクールなどではカバーしていないようなニッチなニーズなどもカバーできる。スタートアップ段階の現状は教える講師の質を担保するため、運営側で適任と思われるブロガーなどに声をかけているという。

 「planBCD」(https://planb.cd/)は、世界中のグロースハッカーにサイトのUI改善を依頼し、気に入った改善案を選ぶと現在のUIとのA/Bテスト(対照テスト)をクリックひとつで開始することができるというもの。サイトは英語で、運営会社のKAIZEN platformは米国に本社を置く。KAIZEN platformはすでにGREEベンチャーズなどを引受先とする80万ドルの資金調達を実施している。プレゼンも手馴れており、新鮮味という点でグランプリからは漏れたようだ。「planBCD」には優秀賞のほか、審査員特別賞(花束)が授与された。

 「STORYS.JP」(http://storys.jp/)は「みんながストーリーを持っている」をコンセプトに、名刺や経歴書に載らない個人の物語を蓄積・共有するサービス。ユーザー登録にはFacebook アカウントを用い、基本的に実名制であることがポイントだ。ブログサービスは、ほとんどのブログがふだん見に来る人は数人レベルとなかなか読んでもらえない一方で、晒されて叩かれたりするが、STORYS.JPではカテゴリー分けなどでテーマに興味のある多くの人の目に触れる機会を増やし、一方で登録ユーザーのみが全文を読める形にして、安心して書けるよう、また書き続けるモチベーションが得られるよう工夫が施されている。

(工藤 ひろえ)