米Qualcommがスマートウォッチ「Toq」を12月2日発売

　米Qualcommは11月18日、スマートウォッチ「Qualcomm Toq」を12月2日に発売すると発表した。価格は349.99ドルからで、Toq公式サイトにて販売される。

Qualcomm Toq公式サイト

　ToqはQualcomm独自開発のディスプレイ技術「Mirasol」を搭載。Androidスマートフォンと連動し、通知やコンテンツを表示するほか、高音質ヘッドセットとの連動、無線充電技術にも対応する。

　QualcommのMirasolディスプレイテクノロジーを搭載していることがToqの大きな特徴だ。Mirasolは反射光を利用し、バックライトが必要ないため、消費電力が低い。また太陽光の下でも視認性が高い。光の性質を利用した「干渉変調」技術によってカラー表示を実現。リフレッシュの必要がなく、電源オフ状態で情報を表示し続けられる点は電子ペーパー技術とも類似性がある。

　このディスプレイには、スマートフォンからの通話許可・拒否、テキストメッセージ、カレンダー等のアラート、その他スマートフォンからの通知を表示できる。天気表示アプリAccuWeatherや株価表示アプリのE＊TRADEがインストールされている。Qualcommは、今後も自動的にソフトウェアアップグレードによって機能を改良していくという。対応するAndroid OSのバージョンは4.0.3以上だが、Qualcommでは4.3以上での利用を推奨している。

　ディスプレイは反射光を利用するため暗闇では見られない。そのため表面にフロントライトが埋め込まれており、タップで点灯可能だ。傷つきやすさについては通常のスマートフォンと同程度としている。また、気になる電池持続時間だが、通常の利用状況では数日程度、ただしスマートフォンやBluetooth利用状況によっては変化するとしている。

　スマートウォッチは常に身につけるため、デザインが重要な要素となる。しかし、Toqではリストバンドの交換はできない。スタイリッシュなデザインにするため、リストバンド内に電子部品やディスプレイへの給電回路が組み込まれているからだという。

　ToqはこのほかにもQualcomm WiPower LE技術による無線給電や、2014年発売予定の高音質Bluetoothヘッドホンにも対応する。

　QualcommはToqをコンシューマー向けに大々的に売り込もうとしているわけではないことを明確にしている。発表文の中でQualcommの会長兼CEOであるPaul E. Jacobs氏は、「ToqスマートウォッチはQualcommによるイノベーションの鍵となる技術のショーケースとなる。これには常時電源オンの低消費電力Mirasolディスプレイ、AllJoyn接続、WiPower LE無線充電技術などであり、これから起ころうとしているウェアラブル分野を定義することになる」と語っている。