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米司法省、マルウェア「Zeus」による数百万ドル窃盗で犯行グループを起訴

 米司法省は11日、マルウェア「Zeus」「Zbot」を使用して銀行情報を盗み、数百万ドルの窃盗に共謀した犯罪グループの2人が、11日初出廷したと発表した。

 被告2人はウクライナ国籍で英国在住だが、今回米国に送還され、米国ネブラスカ州リンカーンにて罪状認否を行った。そこで初めてこの件の起訴状が開封された。連邦大陪審は2012年8月時点で既に9人を起訴していたが、これまで起訴状は開封されていなかった。

 9人の内4人は、現在ウクライナとロシアに在住しており、、未だ身柄を拘束されていない。また、残り3人の身元は特定していない。

 起訴内容によると、被告らは「Zeus」「Zbot」マルウェアを被害者のコンピュータに許可なくインストールし、銀行口座番号、パスワード、個人識別番号、RSA SecurIDトークンコード、ネットバンキング口座にログインするために必要な情報を入手。その情報に基づき、共謀者たちが被害者の銀行口座から数百万ドルを盗んだとされている。さらに、検察側は被告らが米国市民をマネーミュール(運び屋)として使用し、送金したとしている。

 マルウェア「Zeus」に関しては、日本国内でも多数の銀行が狙われ、利用者に注意が呼びかけられた経緯がある。

(青木 大我 taiga@scientist.com)