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ヤフーがプライバシーポリシーを改定、CCCにウェブ閲覧履歴などの情報を提供

 ヤフー株式会社は21日、Yahoo! JAPANのプライバシーポリシーを6月2日付で改定すると発表した。改定により、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)との間で、相互にユーザーの情報を提供できるようにする。

 ヤフーとCCCでは、両社のIDとポイントプログラムを2013年7月に統合。ユーザーがYahoo! IDとTカードを連携させることで、Yahoo! JAPANのサービス利用やキャンペーン参加などで、実店舗でも使えるTポイントが付与される取り組みを進めてきた。今回のプライバシーポリシーの改定により、さらにユーザー情報についても連携できる仕組みを整える。

 改定により、ヤフーとCCCでは利用者に関する情報を相互に提供し、「より深くお客様のことを理解してサービスの魅力を高める取り組みを開始」すると説明している。具体的には、Tポイント連携の手続きを行ったユーザーについて、ヤフーではCCCが保有する商品購入履歴、キャンペーンやサービスの利用履歴、顧客分析情報の提供を受ける。一方、CCCではヤフーが保有する利用者のウェブページなどの閲覧履歴、キャンペーンへの参加情報、顧客分析情報などの提供を受ける。

 新しい規定の適用を受けるのは、Yahoo! JAPANにおいてTポイントの付与を受けるために必要な手続きを行ったユーザーに限定され、情報連携を望まないユーザーにはオプトアウト(情報提供の停止)の仕組みを用意するとしている。

 説明にある「より深くお客様のことを理解してサービスの魅力を高める取り組み」とは、具体的にはどのようなサービスでの利用を想定しているのかをヤフーの広報部に質問してみたが、現時点では取り組みについては検討段階で、その前段階としてプライバシーポリシーを改定すると説明。提供する情報については、Yahoo! JAPAN IDからは切り離した形で提供するとともに、「ある程度の母数がある情報でないと意味がないと考えており、個別のサイト訪問履歴やURLといった情報を提供するのではなく、例えば特定の広告をクリックしたユーザー群のような形での提供を考えている」とした。

 また、プライバシーポリシーの改定後の文面についても現在調整中であり、実際の文面を6月2日以前にユーザーに公開するかどうかは未定だと説明。オプトアウトの仕組みも、6月2日の段階で用意されるかは未定だが、6月2日のポリシー改定時点ですぐに両者間での情報提供が開始されるわけではないとした。

 このほか、新しいプライバシーポリシーでは、病気予防のためのエビデンス(根拠)情報の収集、獲得、創出のためのプロジェクト「HealthData Labo」に参加するユーザー向けの規定や、共同研究を行う外部研究機関などへの情報提供に関する規定、官公庁から法令違反の疑いのあるユーザーに対して通知を行いたいという要望があった場合に、ユーザーの連絡先を提供できるようにするための規定を追加するとしている。

 裁判所の命令や警察の捜査などに対する個人情報の提供については、現行のプライバシーポリシーにも定められており、新しいプライバシーポリシーではそれ以外のケースに対応するものだという。どのようなサービスで、どの官公庁から要望が来ているのかという点については、具体的な名称を挙げての回答はできない(ヤフー広報部)と説明。情報開示に応じるかは、個々のケースの法令違反の内容によって総合的に判断するという。

(三柳 英樹)