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国内の電子書籍市場はマンガが牽引、全巻まとめ買いが後押し要素に

 矢野経済研究所は10日、国内の電子書籍市場に関する調査結果を発表した。

 国内の電子書籍市場は、2013年度は前年度比19.7%増の850億円だった。さらに、2014年度は1050億円、2017年度には1910億円まで拡大すると予測している。2013年度の市場規模拡大の要因として、スマートフォンの普及のほか、2012年後半の外資系電子書籍ストアの日本市場への本格的な参入を挙げている。

 2013年度の電子書籍の分野別市場規模は、コミック分野で650億円、小説・文学・ビジネス書・実用書などの読み物分野で160億円、雑誌分野で40億円と、コミック分野が市場全体の8割を占めている。

 また、紙媒体を含む国内コミック市場全体における電子コミック構成比は約15%である一方、紙媒体を含む国内小説・文学(ライトノベル除く)市場における電子書籍構成比は約2%にとどまっている。

 巻数が多いコミック分野において、過去の作品が電子化されることで、読者がまとめ買いするケースが多く、市場の伸びを牽引。過去作品の電子化が一巡することで、市場の伸びは鈍化する可能性がある一方で、小説・文学などの読み物分野では徐々に電子化が進んでおり、今後の伸びが期待されるとしている。

国内電子書籍の市場規模推移

(山川 晶之)