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JPNICとMF、安全な経路制御に向けた情報配信システムの試験運用を開始

 一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)とインターネットマルチフィード株式会社(MF)は1日、安全な経路制御に向けた取り組みとして、誤った経路情報の発見に有用となる「RPKI ROAパブリックキャッシュ情報」の試験配信を、ISPなどに向けて開始した。

 インターネットは、ISPなどのネットワークが相互に接続され、それぞれの経路情報を交換することで制御を行っているが、設定ミスなどにより誤った経路情報が交換されてしまうことがある。これにより、特定のネットワークに到達しなくなったり、大規模な盗聴行為につながる恐れがあり、2008年にはYouTubeの誤った経路が広まったことで、YouTube宛のIPパケットが本来とは異なる宛先ネットワークに届くといった事例も発生している。

 JPNICとMFでは、RPKI(Resource PKI)と呼ばれる認証基盤をベースに、正しいIPアドレス情報とAS番号の組み合わせを記述した「RPKI ROAパブリックキャッシュ情報」の試験配信を開始。これにより、ISPにあるBGPルーターなどが経路の妥当性を確認できるようになり、インターネットの信頼性向上に貢献するとしている。

従来のルーティングの一例との比較

(三柳 英樹)