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ヤフー、「忘れられる権利」など検索とプライバシーに関する有識者会議を設置

 ヤフー株式会社は7日、「検索結果とプライバシーに関する有識者会議」を設置し、2014年度中をめどにヤフーとしての考え方を整理・公表すると発表した。

 検索結果とプライバシーの関係では、2014年5月の欧州連合(EU)司法裁判所の判決において、いわゆる「忘れられる権利」として、Googleなどの検索エンジンに対して個人の名前を含む検索キーワードによる検索結果の削除を求める権利が個人にあることが認められた。

 ヤフーでは、ある情報を検索結果に表示すべきか削除すべきかの判断について、「表現の自由」や「知る権利」とのバランスを考慮すると同時に、削除を求める方々への対応が不十分だと受け止められないよう対応していく必要があると考えていると説明。そのために、これまで以上に判断の透明性や客観性を高めていくことを目的として、社外の有識者による会議を設置するとしている。

 有識者会議の検討事項としては、検索サービスの社会的意義、検索サービスの中立性と信頼性、「表現の自由」や「知る権利」への貢献、検索サービス提供者の社会的責務などが挙げられている。

 会議の委員長は内田貴氏(東京大学名誉教授、弁護士)、委員は泉徳治氏(弁護士、元最高裁判所判事)、宍戸常寿氏(東京大学大学院法学政治学研究科教授)、長谷部恭男氏(早稲田大学大学院法務研究科教授)、升田純氏(中央大学大学院法務研究科 教授、弁護士、元東京高等裁判所判事)の計5名。

 ヤフーでは、11月11日に第1回の会議を開催し、今後複数回実施。一連の検討内容をふまえ、2014年中をめどに、ヤフーとしての検索結果の表示に関する考え方を整理し、公表する予定としている。

(三柳 英樹)