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楽天、C2Cフリマアプリに参入、出品手数料が無料の「ラクマ」提供開始
(2014/11/17 15:49)
楽天株式会社は17日、フリーマーケットアプリ「ラクマ」を提供開始すると発表した。個人ユーザー同士による消費者間(C2C)売買取引を行えるアプリで、出品手数料および売買成立時の手数料は無料。Android版を25日にリリースするほか、iOS版も近日リリース予定。利用には楽天会員IDが必要。
C2C初心者でも簡単に使い始められるサービスを目指し、出品にあたってはスマートフォンのカメラで商品を撮影することで最短1分で出品できることにこだわったという。商品についての詳細確認や価格交渉は、アプリ上の商品ページにあるコメント機能によって出品者と購入者が直接コミュニケーションして行う仕組み。
また、決済にはエスクローを導入しており、購入者が支払った代金をいったんラクマが預かり、購入者が商品を受け取ったことを確認した後、ラクマ側から出品者に支払う流れとなっている。
代金は出品者の売上金としてプールされ、自身がラクマで商品を購入する際の支払いに利用できるほか、現金で引き出すことも可能。国内金融機関の指定口座宛に振り込んでもらうことができる。ただし、引き出し額が1回あたり1万円未満の場合は216円(税込)の手数料が発生する。引き出しの申請は毎日受け付けており、振込先口座が楽天銀行の場合は0時~8時59分までに申請すれば、その日のうちに振り込まれる。
購入者側の決済手段は、クレジットカード、コンビニエンスストア支払い、ペイジー(今後実装予定)、ラクマの売上金、楽天スーパーポイントの5種類。このうちラクマの売上金と楽天スーパーポイントについては、代金の一部として充当し、残りを他の決済手段で支払うことも可能。これにより、決済手段の組み合わせは15通りになるとしている。なお、コンビニエンスストア支払いとペイジー利用の場合は、決済手数料として一律216円(税込)がかかる。
アプリのリリースに先立ち、17日より、ラクマのスマートフォン向けウェブサイトにおいて先行出品の受付を開始した。アプリのリリースと同時にラクマ上に商品がそろって取引が行えるようになるとしている。
楽天ではこれまでもC2Cサービスとして「楽天オークション」を展開してきたが、オークションは入札によって値段が上がっていく仕組みなのに対して、フリーマーケットは基本的に価格は固定で、ユーザー同士のコミュニケーションによって価格が下がっていく仕組みであると説明し、C2Cマーケットそのものが変化してきていると指摘する。また、楽天オークションの利用が30代以上の年齢層が高いユーザー中心であるのに対し、フリマアプリは若年層が主なターゲットというすみ分けもある。ラクマで取り扱う商品はオールジャンルだが、特に若い女性や主婦に多く利用されるカテゴリーでの利用を想定しているという。
競合するフリマアプリとの差異化については、まず、売上金の引き出しが月2回に限定されるサービスが多い中、ラクマでは毎日引き出せる点を挙げた。売ったらすぐに手元にお金が入るというリアルのフリーマーケットに近いとした。
また、「フリーマーケットアプリ自体は誰でも作れるサービスだが、何が大事かというと、運用だと思っている」(楽天常務執行役員の高橋理人氏)とも。「最初は健全に成長していくと思うが、利用が拡大すると、その場を利用してよくないことをする人も集まってくる。これをどう排斥していくか、初心者の方でも安心して利用できるかどうかの部分に、競合との差異化が生まれてくるのでは」とした。