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Facebookが「コミュニティ規定」を更新、どのようなコンテンツが違反となるかを明確化

 米Facebookは15日、Facebook上でどのような情報をシェアできるかについて説明している「コミュニティ規定」のページを更新した。規定自体に変更はないが、どのようなコンテンツが報告や削除の対象になるのかを、従来よりも詳細に解説している。現時点では日本語版ページは従来のままだが、今週中に更新される予定だという。

 Facebookでは、ユーザーがコミュニティ規定を理解することによって、「利用者同士が共感と尊敬の気持ちを持ちながらやりとりし合える場となるようにという思いから」規定を制定したと説明。今回の更新により、どのようなコンテンツがわいせつだとみなされるのか、ヘイトスピーチとみなされるのかといったケースについて、より具体的な例を示している。

 更新されたコミュニティ規定は、「安全の確保」「礼儀正しい行動(周りを尊重する振る舞い)」「アカウントと個人情報の保護」「著作物の保護」の4つのセクションに分けられた。

 その中では特に、「自傷行為」「危険な団体」「いじめと嫌がらせ」「犯罪行為」「性的暴力や搾取」「わいせつコンテンツ」「ヘイトスピーチ」「暴力的なコンテンツ」の各項目について、詳細な説明を加えた。新たに追加された説明もあるが、これまでのコミュニティ規定の内容に沿った説明となっているという。

 Facebookでは、「ある人にとってジョークのつもりで投稿された動画が、他の人にとっては大変不愉快でありながら、規定に違反する点がないという場合もあります」として、「世界中の多様なコミュニティの必要性をすべて満たす規定を維持するということは大変難しい」と説明。特に、ヘイトスピーチに関しては難しい面があり、Facebook上ではヘイトスピーチは常に禁止してきたが、更新されたコミュニティ規定ではこうした暴力的な表現からいかにコミュニティを守るよう努力してきたかを説明しており、世界各地の政府やコミュニティ、研究者や専門家からの意見を参考に、ベストな対応を行うための対策を取っているとしている。

 また、各国の法律が禁止するコンテンツについては、コミュニティ規定には違反しない場合でも、ユーザーからの報告を検討し、当該国の法律に違反していると判断された場合にはコンテンツへのアクセスを制限することがあると説明。こうした政府からの請求については、「政府請求レポート」として公開している。

 Facebookでは、2014年下半期の政府請求レポートを公開。データやコンテンツ制限の請求については増加傾向が見られ、法律に違反するとしてコンテンツの制限を求められた件数は9707件で、上半期(8774件)から11%増加した。国別では、トルコやロシアなどからの請求が増加し、パキスタンなどからの請求が減少した。

 アカウント情報に関する請求は3万5051件で、上半期(3万4946件)とほぼ変化がなかった。国別では、インドなどからの請求が増加、米国やドイツなどからの請求が減少した。

(三柳 英樹)