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さくらインターネット、IoTを活用するフォグコンピューティング推進団体への加入を発表

 さくらインターネット株式会社は13日、フォグコンピューティングの推進団体「OpenFog Consortium」にアジア初の「Contributing Member」として加入したことを発表した。

 OpenFog Consortiumは、ARM、Cisco、Dell、Intel、Microsoft、プリンストン大学エッジラボラトリーにより、フォグコンピューティングの普及を目指して設立された団体。4月にはさくらインターネットのほか、IEEE、GE Digital、Schneider Electricが運営メンバーとして加入している。

 Contributing Memberは、OpenFog Consortium運営メンバーの推薦と選定、運営方針への議決権などがあり、大きな影響を持つ存在。

 さくらインターネットのContributing Memberとしての加入により、OpenFog Consortium初の国外支部となる「Japan Regional Committee」が立ち上がるという。運営のリーダーシップを取るさくらインターネットのほかに、団体設立に参加したARM、シスコ、デル、インテル、マイクロソフトに加え、富士通と東芝もメンバーとして参加する。

 OpenFog Consortiumでは、フォグコンピューティングのオープンアーキテクチャの定義やユースケースの開発、運用を通じた実現性と相互運用性の検証などを行っているほか、各種標準化団体との連携、認知度向上のための情報提供やイベント開催なども手掛ける。

 OpenFog Consortiumが提唱する「フォグコンピューティング」は、IoTの普及により、多種多様なデバイスやセンサーから生成される大量のデータを処理するにあたって、クラウドとデバイスの間のネットワークルーターにクラウド機能を拡張することで、コンピューティング、ストレージ、コントロール、ネットワークなどのリソースとサービスを分散させるもの。データが生成される場所の近くでリアルタイムに処理を行うことで、クラウドのみで処理した場合に生じる処理能力やネットワーク帯域の不足、遅延の発生によるサービス性の低下などを避けることができるという。

 さくらインターネットが4月中に提供を予定している「さくらのIoT Platform α」は、通信環境とデータの保存や処理システムを一体型で構築するIoTプラットフォームの実証実験環境。「さくらのIoT通信モジュール」と、キャリアネットワークをL2接続した閉域網を用意し、ストレージ、データベース、ルールエンジンを含むバックエンド、外部のクラウドやアプリケーションサービスと連携できるAPIまでを垂直統合型で提供する。

 9月からは「さくらのIoT Platform β」として提供し、将来的にはデータ販売が可能な新サービスとして「さくらのIoT Platform」を2016年度中に提供開始するという。

 さくらインターネットでは「さくらのIoT Platform α」をオープンアーキテクチャとし、検証を重ねることで、フォグコンピューティングとIoTのシナリオ構築に尽力するとしている。

(岩崎 宰守)