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Windows 10無償アップグレード期間は残り3カ月、日本のユーザーは期限ギリギリまで待つ傾向

 日本マイクロソフト株式会社は、1年間限定で実施している、Windows 8.1/7からWindows 10への無償アップグレードが3カ月後の7月29日に終了することを受け、アップグレードを推進する施策を発表した。

 Windows10は、これまでのWindowsでは最も速いペースでインストールベースが増えており、3月末の時点ですでに世界で2億7000万台以上のPCで稼働。また、4月時点で国内市販PCの9割が搭載しているという。さらに国内の法人でも8割以上ですでに検証が進められているとのことだ。

日本マイクロソフト株式会社代表執行役社長の平野拓也氏

 ただし、同社独自の調査によれば、国内では欧米よりも、アップグレードを期限ぎりぎりまで待つユーザーが多い。一方で、Windows 10へアップグレードしたいと考えている人の割合は欧米よりも高いとのことだ。

 しかし、Windows 10への無償アップグレードの期限が7月29日であることを「知らない」ユーザーも63%に達するという。調査では、Windows 10の価値を理解していないユーザーも38%いるとのことで、Windows 10の魅力について日本マイクロソフト業務執行役員Windows&デバイス本部長の三上智子氏が、「起動時間の短縮」「復帰の高速化」「ブラウジングの高速化」さらに快適になるポイントとして挙げた。

日本マイクロソフト株式会社業務執行役員Windows&デバイス本部長の三上智子氏
Windows 10とWindows 7の比較ベンチマーク(Windows 10アップグレードガイドより転載)

 無償にもかかわらずアップグレードを行っていないユーザーは、Windows 8.1や7で現在使用しているアプリケーションや周辺機器の互換性に対する懸念を挙げているという。

 アプリや周辺機器の互換性や、以降に対する不安の声に対しては、「Microsoft米国本社の人間が1カ月滞在して国内独自のデバイスに対して調査を行っており、自信をもって互換性向上をお伝えできる段階」(三上氏)とのことだ。

 こうしたことを背景に、日本マイクロソフトでは「より多くのユーザーにWindows 10へアップグレードいただくため」(平野氏)の施策を行っていく。

 具体的には、「Windows 10アップグレードガイド」のウェブサイトをリニューアルし、Windows移行のサポート窓口「Answer Deskサポート」をこれまでの平日と土日に加え、祝日も開設するとともに、通常よりも人員を2.5倍に拡大、オンラインチャットと電話によるサポートを提供するという。

 また、4月29日の仙台を皮切りに7月の福岡まで全国11カ所で「Windows 10体験キャラバン」を開催する。会場ではWindows 10パソコン実機の展示に加え、アップグレードやWindows 10の魅力、最新の情報に関する質問を受け付けるという。

 さらに、毎月10日を「Windows 10の日」とし、5月10日より賛同パートナー15社とも連携の上、Windows 10ユーザー向けにキャンペーンや導入事例の紹介などを行っていくという。

Windows 10無償アップグレード終了を告知するキャラバンカーと平野氏
Windows 10の日のキャンペーンロゴ

 これら施策により「年末までに(現時点で最多の)Windows 7のインストールベースを抜いて、Windows 10が一番多くなるようにしたい」(平野氏)とした。

(岩崎 宰守)