■NASAの地球観測衛星「Terra」からの最新画像が見られる「FLASH EARTH」
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「FLASH EARTH」トップページ
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「Terra」の映像
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「Google Maps」や「Microsoft Virtual Earth」など、今や衛星写真を見られる地図サイトは数多く存在する。これら各サイトの衛星写真をワンタッチで切り替えられるサイトが「FLASH EARTH」だ。衛星写真の表示にFlash Playerを使用しており、切り替えられる画像はGoogle Maps、Microsoft Virtual Earthのほか、「Yahoo! Maps」や「Ask.com」などが選べる。例えばGoogle Mapsで、ある地点を表示させたまま他の地図サイトを選択した場合、位置は変わらずに衛星写真だけが切り替わる仕組みになっている。同じエリアで表示内容の違いを見比べられるので便利だ。
もう1つ注目したいのが、地図サイトの衛星写真に加えて、NASAの「Terra」という地球観測衛星の映像が見られること。この映像は定期的に更新されており、雲の位置などが毎日変わって面白い。これから北半球が冬に向かっていく中で、日本アルプスなどの山岳地域が雪で白くなっていく過程をチェックしたりするのも楽しいだろう。
操作方法はホイールでの拡大や画面の回転、マウスのドラッグによるスクロールなどが可能で、じつに使いやすい。また、右下の検索窓に国名や都市名を入れれば、検索された国や都市にダイレクトに移動できる。緯度や経度なども表示されるので、「Google Earth」など他の地図サービスとも連携しやすい。ただし、Terraの画像で縮尺を拡大していくと、すぐに表示不能マークが出てしまうので気を付けよう。おそらくTerraが大きな縮尺の映像までカバーしていないからなのだと思うが、この辺りはちょっと残念だ。
とはいっても、最新の衛星写真をリアルタイムに見られるというのは、かなり面白い。Google Earthなどで衛星写真の魅力を知った人は、次のステップとしてこのようなリアルタイム画像のチェックにハマってみてはいかがだろうか。特に、Terraを活用したサイトというのは他にも数多く存在するので要チェックだ。次回以降も随時紹介していく予定なので、お楽しみに!
■URL
FLASH EARTH
http://www.flashearth.com/
■鳥になった気分で下界を眺められる鳥瞰図サイト
大人気の地図サービス「Google Earth」の魅力と言えば、やはり地図を立体的に見られることだろう。上空から地表を斜めに見るアングルに酔いしれた人も多いと思うが、このような地図は古くから「鳥瞰図」「バーズアイビュー」などと呼ばれて親しまれてきた。デジタル地図が普及する以前にも、数多くの鳥瞰図が人の手によって描かれてきたのだ。
そんなアナログな鳥瞰図を楽しめるサイトが、最近になって増えてきた。中でもオススメなのが、「永野達代の鳥瞰図ギャラリー」というサイト。このサイトでは鳥瞰図作家・永野達代氏の手による作品集が公開されている。公開されている作品は、神奈川県茅ヶ崎市の明治初期の鳥瞰図「明治初年の茅ヶ崎」や、千葉県千葉市の中心地を時系列に追った「千葉市の変遷」など。それぞれ拡大版の画像も掲載しているので、細かい部分までじっくり堪能できる。
もう1つ注目したいサイトが、「オールド観光案内図コレクション」だ。ここには戦前から昭和初期にかけての古い鳥瞰図が掲載されている。各都道府県ごとに整理されているので、地元の古地図を探してみてはいかがだろうか。また、鳥瞰図に加えて古い観光パンフレットの画像も掲載されており、アンティーク趣味がある人にはたまらない内容となっている。
ほかにも、「TUBE GRAPHICS」というサイトがある。ここは、企業から鳥瞰図の作成を依頼されているデザイン会社によるサイトで、今までの作品をギャラリーとして見られる。タウンマップや山岳地図など多彩な地図が掲載されているので、地図デザインの多様性を存分に味わってみよう。
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「オールド観光案内図コレクション」に収録されている「景勝の長崎」
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「TUBE GRAPHICS」の作品紹介ページ。観光ガイドブック用などに同社が制作した鳥瞰図が掲載されている
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■URL
永野達代の鳥瞰図ギャラリー
http://www33.ocn.ne.jp/~takisekibututiba/nagano/
オールド観光案内図コレクション
http://www.asocie.jp/map/oldmap/oldmap_top.html
TUBE GRAPHICS
http://www.tubegraphics.co.jp/
■全国の地すべり地形分布図を「Google Earth」にオーバーレイ
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「地すべり地形分布図データベース」
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「Google Earth」上に表示させた状態
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台風や大雨、融雪、地震などによって山の斜面の一部が滑り落ちる「地すべり」。時には家屋や道路を崩壊させたりと、重大な被害を引き起こすこの災害に対して、注意を喚起するために作られたサイトが「地すべり地形分布図データベース」だ。
このサイトは、防災科学技術研究所が刊行している「地すべり地形分布図」をインターネット上で閲覧できるようにしたもの。「地すべり地形」とは地すべりによってできた地形のことで、この分布状況を広く知らせることによって、土地利用に際して注意を促したり、防災への意識を高めたりすることがこのサイトの狙いだ。
分布図の表示システムは、ベクトルデータから作った地すべり地形の表示や検索がスムーズに行なえる「ウェブマッピング(Web-GIS)版」と、ecw圧縮したラスター画像を見られる「ラスター図のズーム表示」、全国三十数カ所の代表的地すべり地を立体的に表示する「代表的地すべりの三次元表示」、地図の回転や俯瞰が可能な「地すべり3Dマップ」と、4種類が用意されている。なお、10月12日にはラスター版の分布図を「Google Earth」上で表示するkmzファイルも公開された。
また、地すべり地形分布図とは別に、これまで起きた地すべりや土砂崩れなどの災害をまとめた「既往斜面災害データベース」も用意されており、「ウェブマッピング版」「簡易地図」「災害一覧表」の3種類の方法で、過去の斜面災害の詳細なデータを調べられる。
解説が充実しているのもこのサイトの特徴だ。地すべりとは何か、このサイトのデータをどのように生かせばよいのかといったことに関して丁寧な説明が用意されている。実際にデータを見る前に、まずは基本的な知識を学んでおこう。
ちなみにここで公開されている地すべり分布図は、なんと航空写真を人の眼で1枚ずつ判読して作られたものだという。現在の技術では、まだコンピュータによる自動判読は無理なのだそうだ。意外にもアナログな手法で作られているこの分布図、作成者の苦労を思いながら防災に役立ててほしい。
■URL
地すべり地形分布図データベース
http://lsweb1.ess.bosai.go.jp/jisuberi/jisuberi_mini/index.asp
■町丁目・大字レベルで地域の人口構成比などがわかる「地図info」
自分が住んでいる街がどれくらいの面積で、人口は何人なのか。地域に関する基本的なデータというのは意外と知られていないものだが、このような地域情報を調べられるサービスが始まった。財団法人日本地図センターが提供する「地図info」というサイトだ。
トップページの日本地図からクリックでエリアを指定していくと、地図の下部にさまざまなデータが表示される。内容は世帯数や人口、人口密度、面積、人口構成比、緯度や経度、標高など。これらのデータの中でも、特に面白いのが「人口構成比」だ。このデータを見れば、その地域に住んでいるのは若い人が多いのか、それとも高齢化が進んでいるのかが一目でわかるので、ビジネスで出店プランを練るときなどに重宝するだろう。
地域情報だけでなく、役所や郵便局、学校、大型小売店の情報がわかる「周辺施設情報」、駅の位置がわかる「最寄り駅情報」、その地域の過去の天気がわかる「気象情報」など、ほかにもいろいろな情報が調べられる。さらに、住民基本台帳や人口の推移、市町村合併、乗り物に関する情報が読める「知っ得情報」というコーナーも見逃せない。
地図自体は国土地理院の「電子国土」を使っている。これは「移動モード」「ズームモード」「測定モード」という3つのモードを持った地図サービス。測定モードを使うとマウスで指定した範囲の距離や面積を調べることができたりと、なかなか便利だ。一方で、「Google Maps」へのリンクも掲載されており、クリックすると別ウィンドウが開いて、現在閲覧している位置がGoogle Maps上で表示される。場合に応じて2つの地図を使い分けて、さまざまな地域情報を調べてみよう。
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「地図info」トップページ
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地域情報画面
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■URL
地図info
http://info.jmc.or.jp/
(2006/11/02)
碓氷 貫(うすい とおる)
地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。
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