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第63回:「自転車大好きマップ 全国版」に「マイ地図」機能追加 ほか
[2009/06/11]
特別編2:ソニー「nav-u」の小さいカーナビ使ってみました<徒歩・自転車編>
[2009/05/28]
特別編1:ソニー「nav-u」の小さいカーナビ使ってみました<基本機能編>
[2009/05/21]
第62回:Google Mapsで「日本の地質百選」めぐり ほか
[2009/05/07]
第61回:黒部ダムオフィシャルサイト ほか
[2009/04/23]
第60回:「伊能大図」をネット上で見られる国土地理院のサイト ほか
[2009/04/09]
第59回:黄砂ライダーの観測状況など公開、東アジアの大気汚染マップ ほか
[2009/03/26]
第58回:光の軌跡で、日本主要都市の道路網を描く ほか
[2009/03/12]
第57回:好みの温泉を感性で探せる「感性検索 温泉版」 ほか
[2009/02/26]
第56回:Google Earth用の自社ビルを作る「インターネット建築.com」 ほか
[2009/02/12]
第55回:全国のダーツバーを探せる「ダーツマップドットコム」 ほか
[2009/01/29]
第54回:国土地理院、空中写真で国土の変遷がわかるデータベース ほか
[2009/01/15]
第53回:箱根駅伝を地図でチェック、「YOMIURI ONLINE」に特集サイト ほか
[2008/12/18]
第52回:ライブカメラでも確認できる、NEXCO東日本「高速道路雪道情報」 ほか
[2008/12/04]
第51回:積雪状況や降雪予報をチェックできる「雪センター 全国の雪情報」 ほか
[2008/11/20]
第50回:「Mashup Awards 4」で地図サイトが最優秀賞を受賞 ほか
[2008/11/06]
第49回:紅葉スポットを「BIGLOBEみんなの評判β」で自動分析 ほか
[2008/10/23]
第48回:全国の学校や公共施設の分布状況がわかる「日本を学ぶ」 ほか
[2008/10/09]
第47回:ソニースタイルが鉄道ファン向け地図コミュニティサイト ほか
[2008/09/25]
第46回: 仮想レース体験サービス「猛レース」で発見した面白レース ほか
[2008/09/11]
第45回:衛星の台風観測データが見られる「JAXA/EORC台風データベース」 ほか
[2008/08/28]
第44回:お盆の高速道路の渋滞情報を予測した「渋滞予報カレンダー」 ほか
[2008/07/31]
第43回:東京23区の「駅出口パノラマ写真」、Yahoo!地図で掲載 ほか
[2008/07/17]
第42回:地図からWebを逆検索する「逆マップ検索君」 ほか
[2008/07/03]
第41回:道の幅やカーブの多さを示した「道路の走りやすさマップ」 ほか
[2008/06/19]
第40回:「Google Earth」上で気候変動予測を表示するプラグイン ほか
[2008/06/05]
第39回:スパムブログを完全排除したタウン情報サイト「30min.」 ほか
[2008/05/22]
第38回:Yahoo!地域情報、方言の分布状況などがわかる特集 ほか
[2008/05/08]
第37回:「Virtual Earth 3D」でラスベガスや東京の3D表示 ほか
[2008/04/24]
第36回:街ログで「この街に住みたい!」レポート ほか
[2008/04/10]
第35回:「OpenStreetMap Japan」の日本サイト開設 ほか
[2008/03/27]
第34回:「楽天市場」の流通状況を地図上に可視化 ほか
[2008/03/13]
第33回:地図職人による地図の知識サイト ほか
[2008/02/28]
第32回:「撮るマップ」で東京マラソンを10倍楽しむ ほか
[2008/02/14]
第31回:アニメ「世界名作劇場」を地理の切り口で考察 ほか
[2008/01/31]
第30回:「ちず丸地震情報(仮)」に過去の地震の統計グラフ ほか
[2008/01/17]
第29回:都道府県の訪問経験を数値化する「経県値」 ほか
[2007/12/20]
第28回:世界の雨量分布図速報を準リアルタイムで配信 ほか
[2007/12/06]
第27回:エリアごとのインフルエンザ流行状況がわかる地図 ほか
[2007/11/22]
第26回:電車からの風景投稿サイト「The Train Travel」 ほか
[2007/11/08]
第25回:360度の全周囲画像サービス「LOCATION VIEW」 ほか
[2007/10/25]
第24回:「自転車大好きマップ 全国版」がリニューアル ほか
[2007/10/11]
第23回:「Second Life」内に静岡県・熱海の3Dジオラマ ほか
[2007/09/27]
第22回:ジョギングやマラソンに役立つツールを集めた「42.195km.net」 ほか
[2007/09/13]
第21回:防災の日、自分の町のハザードマップを確認 ほか
[2007/08/30]
第20回:バルーンからの空撮画像をFlash化する「航空写真ナビ」 ほか
[2007/08/02]
第19回:パノラマ写真を地図とともに楽しめる「景図工房」 ほか
[2007/07/19]
第18回:道路から見た街並み映像を表示する「GeoMovie」 ほか
[2007/07/05]
第17回:鉄道用「Google Earth」、JR東日本が業務に導入 ほか
[2007/06/21]
第16回:ルート地図と動画を融合させた新サービス ほか
[2007/06/07]
第15回:セブン-イレブンで出力可能な住宅地図 ほか
[2007/05/24]
第14回:地理を楽しく学べる「常識が身につく地図パズル」 ほか
[2007/05/10]
第13回:予測地図をチェックして大規模地震に備えよう ほか
[2007/04/19]
第12回:京都市、修学旅行用ナビサイトを開設 ほか
[2007/04/05]
第11回:「ALPSLAB route」に平均斜度を測定できる機能が追加 ほか
[2007/03/22]
第10回:東京都内の全31万棟を実地調査した集合住宅図鑑サイト ほか
[2007/03/08]
第9回:「そらまめ君」で大気汚染の状況をチェック ほか
[2007/02/22]
第8回:ウォークスルーも可能な「バーチャル京都3Dマップ」 ほか
[2007/02/08]
第7回:地図を活用した美しい映像で日本の新しい一面を発見 ほか
[2007/01/25]
第6回:旅の思い出を“旅行雑誌”にして残そう ほか
[2007/01/11]
第5回:一歩先を行くリアルな「三次元地図配信システム体感サイト」 ほか
[2006/12/14]
第4回:Google Earth上にジョギングルートを表示する「JogNote」 ほか
[2006/11/30]
第3回:GPS付きケータイで写真を投稿するプロジェクト ほか
[2006/11/16]
第2回:全国の地すべり地形分布図を「Google Earth」にオーバーレイ ほか
[2006/11/02]
第1回:国土地理院、「触地図」の原稿を作成するソフトを公開 ほか
[2006/10/19]
趣味のインターネット地図ウォッチ
第17回:鉄道用「Google Earth」、JR東日本が業務に導入 ほか

地球温暖化による海面上昇を地図でシミュレーション

「+7m」の場合の日本

「+14m」の場合の関東地方

 先日、ドイツで行なわれたサミットで最大の話題となったのは地球温暖化対策だった。温暖化が地球にもたらす影響にはさまざまなものがあるが、最も深刻な問題の1つは、世界各地の氷や雪が溶けることによる海面上昇だ。国連の研究によると、海面が1メートル上昇すると1億4,500万人が洪水の被害を受けて、損害額は9,500億ドル近くになるという。特に日本は海に囲まれた島国なので、海面上昇による影響は大きい。

 このような温暖化の問題を考えるきっかけとなるサイトが、「Flood Maps」だ。「flood」とは洪水のこと。このサイトは、温暖化がもたらす海面上昇によって、世界各地がどれくらい水没するかをシミュレーションできる地図サイトだ。

 トップページにアクセスすると、Google Maps APIを使った地図が表示される。試しに日本のエリアを見てみよう。よく見ると、日本列島の沿岸部の辺りに、グレーで塗りつぶされている部分があるのがわかる。このグレーの部分が、海面上昇で水没する地域だ。地図の左上にある「Sea level rise」の欄に、海面上昇の値が示されている。デフォルトは「+7m」、つまり7メートル上昇した場合の状況が表示されている。ゼロから「+14m」まで値が変えられるので、上昇値を変えることでグレーのエリアがどれくらい変化するのかを見てみよう。このグレーの表示は、縮尺に関係なく地図と重ね合わされるので、各地域の拡大図を見ながら水没するエリアをチェックできる。たとえば東京近郊で見てみると、「+2m」くらいまではまだ水没する地域はまばらだが、これを「+5m」にすると、湾岸地域はもちろん、東京都の江戸川区から葛飾区、足立区までがほぼ全滅になる。5メートル上昇しただけでこんなにも陸地の形が変わってしまうのか、と驚かされる結果だ。

 また、内陸部でも海抜が低い地域はグレーに表示されるので、内陸部にも意外と低地が多いことに気付かされるだろう。道路地図を見ているだけではあまり意識しないが、このように「水没」という形で視覚的に表現されると、地表の凹凸がよくわかる。ちなみにこの地図はGoogle Mapsを使っているので衛星写真も見られるのだが、衛星写真上でも水没地域を表示可能だ。衛星写真で見ると、陸地の面積が少なくなる感覚がよりリアルに伝わってくる。

 なお、地図の下部には現在表示している地図のURLが表示されていて、ほかのWebサイトに貼り付けられるようになっている。もしこのサイトを見て温暖化への危機感を感じたなら、自分のWebサイトやブログなどに貼り付けてみてはいかがだろうか。同サイトの存在を広く知らしめることで、もしかしたら温暖化防止への一助となるかもしれない。

URL
 Flood Maps
 http://flood.firetree.net/

鉄道用「Google Earth」、JR東日本が業務に導入

 東日本旅客鉄道(JR東日本)は、ジェイアール東日本コンサルタンツが提供する3D衛星画像配信サービス「グーグルアース レイルウェイ(Google Earth &Railway)」を導入すると発表した。同サービスは「Google Earth」に鉄道情報を重ね合わせた業務用システムで、都市計画やマーケティング、観光事業などさまざまな業務に利用できる。さらに都市部で高層ビルの建設を計画したり、防災計画に役立てたりと、鉄道以外の分野にも応用していく予定だ。

 JR東日本はこれまでにも、線路や駅の平面図を地図化した地理情報システム「鉄道GIS」を構築して保守管理に役立ててきた。今回導入するグーグルアース レイルウェイは、Google Earthに地上解像度1メートルの高解像度衛星写真や3次元地形データ、地図情報を搭載し、さらにデジタルの線路平面図や線路沿線設備の情報などを重ね合わせたもの。一般向けのGoogle Earthと同じように、拡大や縮小、回転、鳥瞰表示などが自由に行なえる。現在はJR東日本エリアを中心とした全国主要都市だけをカバーしているが、今後は全国的に整備していく予定としている。

 現在のところ、一般の人はグーグルアース レイルウェイを見ることはできないが、JR東日本が公開した利用イメージを見てみると、海沿いの3D地形図に鉄道の線路平面図を重ね合わせたり、気象レーダーの観測情報を重ね合わせて雲の画像を地図上に表示したりと、普通のGoogle Earthとはひと味違った機能が数多く搭載されているようだ。

グーグルアース レイルウェイ マーケティング分析例

都市計画での利用イメージ(JR東日本本社ビル付近) 防災計画での利用イメージ。沿線の3D地形モデルを表示している

 また、観光事業への活用の第1弾として、JR東日本横浜支社はグーグルアース レイルウェイの3D映像を掲載した旅行用小冊子「レールウェイ ジオラマップ(小田原~東伊豆の旅)」を制作して、首都圏の主な駅で無料配布した。“地形を感じる列車の旅”をコンセプトに作られたもので、小田原から伊東までのエリアの中から見どころを紹介している。

 エリア全景の3D地形図を大きく掲載しており、富士山や芦ノ湖、山中湖、箱根、愛鷹山、駿河湾などの眺望が楽しめる絵図となっている。画像の下には線路の標高の移り変わりをグラフで表示していて、地形の変化もわかりやすい。このほか、小田原と真鶴、湯河原、熱海、伊東の3D地形図の拡大図も掲載されている。小田原フラワーガーデンや万葉公園、姫の沢公園、小室山公園など、各エリアのおすすめスポットも紹介されており、航空写真と現地で撮影した写真の2つを見比べながら楽しめる。

 この冊子の画像を見る限り、通常のGoogle Earthと比べて特に変わった部分は見られないが、今後はグーグルアース レイルウェイならではの一般向けコンテンツが登場してくることも期待したい。

JR東日本横浜支社が無料配布した「レールウェイ ジオラマップ」

小田原から伊東にかけての3D地形図が大きく掲載されている
URL
 JR東日本のニュースリリース(PDF)
 http://www.jreast.co.jp/press/2007_1/20070603.pdf

So-net buzzmap、カレーや鉄道をテーマに地図の“主”コンテスト

「So-net buzzmap」トップページ

みんなのスポット

 ソネットエンタテインメント(So-net)は、口コミ地図サイト「So-net buzzmap」に、携帯電話からスポット情報を投稿できる機能を追加した。同サイトは飲食店や公園、街中で見つけたものなど、さまざまなスポット情報を投稿できる情報共有サービス。投稿された情報は「みんなのスポット」というコーナーで閲覧可能で、ここではGoogle Maps APIを使用した地図が表示される。各スポット情報にはタグが付けられており、地図上に表示するアイコンをタグで絞り込むことが可能だ。地図の右にタグのリストが掲載されているので、これを利用すれば効率よくスポット情報を探せる。

 スポット情報を示した地図上のアイコンをクリックすると、詳細情報が表示される。ここでは各スポットについて書かれたブログ記事をチェックできるほか、この情報を「マイ地図帳」に登録している人のリストも調べられる。マイ地図帳とは、登録すると各ユーザーに与えられるもので、自分のお気に入りのスポットなどを登録してオリジナルの地図帳を作成できる。名前を付けたりスキンを変えたりと、カスタマイズも自由だ。

 さらに今回の機能強化によって、So-net buzzmapは携帯電話からも地図情報の投稿や閲覧が可能となった。しかもGPS機能付きの携帯電話なら、同サイト上の「スポット作成」ボタンをクリックするだけで自動的に現在位置を取得して、位置情報を登録できる。これによって、気に入った場所を見つけたらその場ですぐに投稿が可能になった。

 また、So-net buzzmapではこの機能強化に加えて、ユーザーが作成したオリジナル地図のコンテスト「So-net buzzmap 主(ぬし)マップコンテスト」を開催した。このコンテストは、特定ジャンルに絞って地図にスポット情報を作成して、完成した地図の人気を競うイベント。審査はユーザーによって行なわれ、各ジャンルで最も支持を得た人が、そのジャンルの“主”となる。

 ジャンルは、鉄道に関する知識やエピソードを募集する「鉄道ジャンル」、カレー店の情報を募集する「カレージャンル」、夕焼けの写真がうまく撮影できるスポットを募集する「夕焼けジャンル」、各地のキャラクターに関する情報を募集する「御当地おもしろキャラジャンル」の4種類。いずれも濃いテーマばかりなので、この手の情報に詳しい人は、ぜひ挑戦していただきたい。開催期間は7月31日まで。

URL
 So-net buzzmap
 http://buzzmap.so-net.ne.jp/

(2007/06/21)


碓氷 貫(うすい とおる)
地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。

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