■地球観測衛星の映像を閲覧できる「ASTER 画像公開システム」
|
「ASTER 画像公開システム」トップページ
|
|
ASTER画像
|
前回は地球観測衛星「TERRA」の画像を利用したサイトとして「FLASH EARTH」を紹介したが、このほかにもTERRAを利用した地図サイトは数多くある。その1つが、「ASTER 画像公開システム」というサイトだ。ASTER(Advanced Spaceborne Thermal Emission and Reflection Radiometer:資源探査用将来型センサー)とは、TERRAに搭載されているセンサーの1つで、地質情報や火山活動を監視するためのものだ。このセンサーを使って環境問題や資源問題を解決するために始められた日米合同の地球観測計画は、「ASTERプロジェクト」と呼ばれている。
ASTERセンサーは、NASAの国際協力プロジェクト「EOS計画」に基づいてTERRAに搭載された。打ち上げられたのは1999年12月で、2000年12月からはデータが一般にも公開された。ASTER 画像公開システムは、このASTERセンサーで捉えた日本の映像を配信しているサイトだ。データそのものは有料だが、画像はWebブラウザ上で気軽に閲覧できる。
使い方は簡単で、見たいエリアを地図または市町村名で指定するだけで画像が表示される。右側のメニューには各年に撮られた画像が並んでいるので、どれか1つを選択してみよう。古いものだと、2000年のものまである。
ちなみにASTERセンサーは「可視近赤外放射計」「短波長赤外放射計」「熱赤外放射計」によって構成されており、地表の植物などによって反射した赤外線は赤く写る。関東地方の画像を見ると、都市部になるにつれて赤い部分が少なくなっていく様子がわかる。このように、普通の衛星写真とはちょっと違って見えるので注意しよう。過去の画像もストックしてあるという点で、このサイトは普通の衛星画像サイトとは一味違う。現在と過去で地表の様子を見比べたりすれば、新たな発見があるかもしれない。
■URL
ASTER 画像公開システム
http://imageweb.aster.ersdac.or.jp/top.htm
■GPS付きケータイで写真を投稿するプロジェクト
|
「Urban landscape search engine」トップページ
|
|
「Google Earth」上での表示画面
|
番号ポータビリティで盛り上がる携帯電話業界だが、みなさんはどんなケータイをお使いだろうか? 地図フリークのケータイと言えばGPS機能の付いたものが定番だが、その利点は迷子になった時のナビゲーションだけではない。位置情報を付加した写真が撮れるというユニークな機能もあるのだ。この機能を最大限に生かしたのが「Urban landscape search engine」というサイト。都市生活者のアクティビティを反映した、都市の地図を作ることを目的としたこのサイトでは、さまざまな人がGPSケータイのカメラで撮影した映像を、位置情報とともに投稿するプロジェクトを行なっている。
アクセスすると、無数の赤い点がマッピングされた地図が表示される。それぞれの点にマウスオーバーすると、写真とタイトル、撮影場所が表示されるという仕組みだ。地図の下には投稿された写真の新着リストも掲載されており、ここではユーザーの検索や、同じエリアに投稿された他の写真の検索なども可能だ。
最近では、「Google Earth」にも正式対応した。サイト内のkmlファイルをクリックすると、投稿された無数の赤い点が、Google Earthの中に反映される。もちろん、Google Earth内の点もクリックすると写真や投稿場所が見られるようになっている。このkmlファイルはGoogle Earth 4の新機能である「タイムスライダー」に対応しており、投稿の様子を時間軸で追うことも可能だ。
投稿された写真を見るだけでは飽き足らないという人は、自分でも投稿してみよう。auのGPS携帯を持っている人なら誰でも参加OKで、会員登録の必要もない。写真と位置情報を付加したメールを送るだけだ。ちなみにこのサイト、「都市の地図」をコンセプトとしてはいるものの、リゾート地など都市部以外からの投稿もけっこう多い。参加者もプロジェクトのテーマなど堅苦しく考えずに、自由に地図投稿を楽しんでいるようだ。この手のプロジェクトは、ただ見ているだけよりも、自ら積極的に参加して楽しんだ者が勝ち。auのGPSケータイを持っている人は、気軽に参加してみてはいかがだろうか。
■URL
Urban landscape search engine
http://ld.minken.net/
■ありえない!? Google Earth「3Dギャラリー」のユニークな3Dモデル
「Google Earth」で建物が3D表示されるようになったのはよいけど、元の形とは似ても似つかない造形が多くて不満を感じている人も多いのでは? そんな人に朗報なのが、グーグルが公開した「3Dギャラリー」の日本語版だ。ユーザーが投稿した建造物の3Dモデルをダウンロードできるこのサイト、以前から英語版が開設されていたが、このたび日本語版が開設されたことで一層使いやすくなった。
すでにさまざまな日本の建物がアップロードされているので、Google Earth上でリアルな建物を見たい人はすぐにダウンロードしてみよう。デフォルトの3D表示では箱の形にしか表示されなかった東京タワーなどもきちんと表示されるので、見ていてとても楽しい。しかも、「第2東京タワー(すみだタワー)」など、2006年現在でまだ建っていない建造物も配信されている。このように、実際には存在しないものをダウンロードできるのも、3Dギャラリーの大きな魅力なのだ。
3Dギャラリーを丹念に見ていくと、そんな「ありえない」3Dモデルがほかにもいくつか見つかる。例えば東京に出現した「ゴジラ」の映像。日本が誇る偉大な怪獣を、まさかGoogle Earth上で見られるとは思わなかった。こんな粋なものを作ってくれた作者はエライ! ほかにも、瀬戸内海の港に浮かぶ潜水艦や、鹿児島の基地から飛び立とうとしているM-Vロケットなど、建物以外の3Dモデルは意外と多く投稿されている。このようなユニークな3Dモデルがどんどん投稿されれば、Google Earthはますます楽しくなっていくに違いない。
|
|
東京に出現したゴジラ
|
M-Vロケット
|
■URL
3Dギャラリー
http://sketchup.google.com/3dwarehouse?hl=ja
Sumida Tower(New Tokyo Tower)
http://sketchup.google.com/3dwarehouse/details?mid=6507bba963074b3c18b66ea652bc8bd2&hl=ja
Godzilla in Tokyo
http://sketchup.google.com/3dwarehouse/details?mid=3898df1e00f727cbde5dd1e1fa06ae6b&hl=ja
Akishio(Place Model)
http://sketchup.google.com/3dwarehouse/details?mid=30d880e821a94f373eb280ef0f619671&hl=ja
M-V Launch Vehicle
http://sketchup.google.com/3dwarehouse/details?mid=d1d2c6da9d8b321a5c09b72a5fd09f5f&hl=ja
■関連記事
・ グーグル、「Google Earth」で利用できる3Dモデルの日本語検索サイトを公開(2006/11/02)
■各地の降雨情報をリアルタイムにチェック
|
「防災情報提供センター」トップページ
|
|
10分ごとの雨の強さをビジュアル化した「リアルタイムレーダー」
|
昨年の冬はかなりの豪雪で、各地に大きな被害をもたらした。今年も大雪による被害を心配してる人も多いと思うが、そんな方におすすめしたいのが国土交通省が運営している「防災情報提供センター」だ。
このサイトでは、防災に関するいろいろなデータを配信している。主なデータは、各地の降雨量や降雪量を調べられる「リアルタイム雨量」と、全国の様子が一目でわかる「リアルタイムレーダー」の2つ。このほかに、過去に観測された気象データや河川水位、潮位、波高などのデータや、地殻変動データを地図上で見られる「観測情報」も用意されている。
リアルタイム雨量を見るには、地図上から見たいエリアの位置を指定しよう。地図を拡大していくと各市町村にグレーの丸が表示されているので、これをクリックすると各市町村の観測所で記録された降雨量がグラフ表示される。60分間雨量は1時間ごと、10分間雨量は10分ごとに更新されるので、最新の雨量をすばやくチェック可能だ。これに対して、レーダーによって観測した10分ごとの雨の強さをビジュアル化したのがリアルタイムレーダーだ。こちらは過去3時間前までの画像を動画で見られる。
今度は「観測情報」を見てみよう。これは、国土地理院の「電子国土Webシステム」を利用したもので、気象データや地殻変動データのほかに、「主な風水害の情報」や「主な地震・火山災害の情報」など、過去の災害記録も閲覧できる。
例えば地震災害の場合には、死傷者数や建物の被害件数などの災害概要に加えて、震度分布図などの詳しい情報も閲覧できる。また、台風情報には経路図や期間中の天気図もストックされているので、被害に遭ったときにどんな気圧配置だったのかが確認できる。このように、このサイトには過去の災害データが豊富に含まれており、これを現在の状況と照らし合わせることで、今後の災害に対してさまざまな予防を図れる。災害が心配な人は、うまく活用して防災に役立てよう。
■URL
防災情報提供センター
http://www.bosaijoho.go.jp/
(2006/11/16)
碓氷 貫(うすい とおる)
地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。
|
- ページの先頭へ-
|
|
|
Copyright (c)2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|