■Google Maps上がアバターのコミュニティに
|
「alis」(β)
|
|
地図画面
|
アバターを使ったコミュニティサービスというと、現実とは関係のない架空の世界で行なわれる場合が多いが、その舞台にGoogle Mapsを使うサービスが登場した。ドリコムが提供を開始した「alis」(β)だ。同サービスは、Google Mapsの地図上にアバターを配置した上で、ブログやチャット、Wikiなどのコミュニケーションを図るサービスだ。ユーザーはアバターだけでなく、「家」や「アイテム」も地図上に自由に配置できる。
参加にあたってはユーザー登録が必要だ。アバターも登録の際に選択可能で、自分のオリジナルの画像も使用できる。ログインすると地図が表示されて、その中に自分のアバターが表示される。デフォルトでは東京の広尾一丁目付近の地図が表示される。周囲を見回すと、自分のほかにもさまざまな人のアバターが配置されているのがわかる。アバターをクリックすると吹き出しが表示されて、この中に自己紹介の文章やブログへのアイコンが表示される。アイコンはブログのほか、Wikiや「家」アイコンも用意されており、クリックするとWikiのサイトが表示されたり、「家」の位置に飛んだりできる。そのまま地図上でチャットを楽しむことも可能だ。
アバターや家のアイコンは、航空写真モードでも表示される。ただし縮尺の切替ができないので、遠隔地に飛ぶときには少々面倒くさい。このようなときはページ下部の「住所に移動」ボタンを押した上で地名を直接入力すると、すばやく目的地を表示させられる。面白いのは、アバターが集まるのは新宿や渋谷、秋葉原などの有名な繁華街が多く、実社会とリンクしている点だ。ネット上のサービスでも、やはりふだん自分がよく遊びに行く街に行きたがるのが人の習性なのかもしれない。
地図上ではアバターや家のほかに「アイテム」にも注目してみよう。これは地図上のおすすめスポットなどを投稿するためのアイコンで、ショップやレストランなどが紹介文とともに投稿されている。投稿されたアイコンに対してコメントを書き込むことも可能なので、これをきっかけに他のユーザーとコミュニケーションするのも面白い。
同サービスは6月にα版が公開されたが、最近になってβ版がリリースされて、地図上でのアイテムの移動やブログとWikiの機能改善が行なわれた。今後もさらなる進化が期待される。
■URL
alis
http://alis.drecom.jp/
■「Second Life」内に静岡県・熱海の3Dジオラマ
|
ジオラマ展示室
|
日本スペースイメージングとジェイアール東日本コンサルタンツは、3D仮想空間「Second Life」上に3D地図コンテンツを配信するための施設「Central Station」の提供を開始した。今回提供されるのは、伊豆半島東部を3D地図にした「メインジオラマ」と、熱海駅周辺を再現した「熱海ジオラマ」の2つ。
アクセス方法は、まずSecond Life上から「Central Station」で場所を検索する。または、Second Life内の場所を指定するSLurlにアクセスして「teleport now」ボタンを押すことで訪問することも可能だ。ウェルカムセンターが表示されたら、隣接する「East Station」駅から列車に乗り込んで「West Station」駅に向かう。到着したら駅の中に入っていくと、メインジオラマのあるホールに到着する。
|
|
West Stationと未来鉄道
|
鉄道制御室
|
このジオラマは床一面を占める巨大なもので、上には大きな3面スクリーンが設置されている。「熱海」「湯河原」「真鶴」など、主要な観光地には看板が立っているので、これらをクリックするとスクリーンに各地の観光情報が表示される。熱海など動画が収録されている観光地もあり、下部のストリーム再生ボタンを押すと動画が再生される。
今度は、列車が止まっている場所からメインジオラマに向かって右手にあるエレベーターに乗り、「Push this button」を押して地下に降りてみよう。このフロアには熱海ジオラマがある。このジオラマでは天候や列車の制御が可能で、街を見下ろす展望台に制御パネルが置いてある。天候は「Rain」「Sunny」「Cloudy」の3種類から選択可能だ。列車は発進と停車ボタンの2つしか用意されていないが、巨大なジオラマを前に列車を動かしていると、鉄道模型で遊んでいるような気分が味わえる。
これら3D地図は米Space Imaging社の地球観測衛星「IKONOS」によって撮影された高解像度衛星画像をもとに作成された。IKONOSから得られるのは自動車や家屋まで識別できる1メートル解像度のデジタル画像で、見た目にもかなりリアルだ。
同コンテンツでは現在、「East Station」駅構内に店舗を募集中だ。さらに、企業向けコンサルティングサービスやCG制作の請負サービスも開始しているという。
|
|
メインジオラマ
|
熱海ジオラマ
|
■URL
日本スペースイメージング
http://www.spaceimaging.co.jp/
Central Station(SLurl)
http://slurl.com/secondlife/Central Station/151/88/24/
■「奥の細道」の行程を地図とともに辿る
秋の夜長にふと風流に浸ってみたくなった人は、俳句を楽しんでみてはいかがだろうか。「世界最短の詩」とも言われる俳句は、誰でも気軽に作れる偉大な文学だ。中でも最も有名なのが松尾芭蕉。彼が残した紀行本「奥の細道」の中には数多くの名句が登場し、自分で俳句をひねる際にもかなり参考になる。
この松尾芭蕉に関しての情報を紹介するサイトが「芭蕉庵ドットコム」だ。ここでは芭蕉の生涯をまとめたデータベースと、「奥の細道」関連のデータベースが収録されている。芭蕉の年譜や旅の様子を描いた絵図、各地に建てられた芭蕉像の写真などいろいろなコンテンツが用意されているが、地図フリークとして注目したいのは「奥の細道」の情報を集めた「俳聖 松尾芭蕉・みちのくの足跡」の中の「おくのほそ道関連地図帳」だ。このコーナーは芭蕉が「奥の細道」の旅で寄った土地を紹介するもので、各地の名所や旧跡を地図とともに楽しめる。
アクセスすると左にメニュー、右に写真が掲載される。まずは芭蕉庵があった深川界隈の紹介から見てみよう。メニューをクリックすると芭蕉と深川界隈の関連地図が表示される。都営新宿線の森下駅近くにある芭蕉記念館や芭蕉稲荷神社、芭蕉庵史跡展望庭園など、主要な史跡にはアンダーラインが引かれており、これらをクリックすると各スポットの写真が表示される。芭蕉関連のスポットだけでなく、深川江戸資料館や紀伊国屋文左衛門の墓などほかのスポットも扱っており、各スポットの写真や解説文も掲載されているので、この地域の散策地図としても使えるだろう。さらに、ページ下部の「スタートページ」をクリックすると、この界隈について書かれた「芭蕉を移す詞」の原文と現代語訳も読める。
深川の後は、旅立ち関連地図として千住の地図や草加、小山、日光、那須野が原、白河、須賀川、郡山、二本松、福島と、芭蕉の足跡を辿って北上していく。その後、仙台や多賀城、塩釜などを経て出羽三山へと向かう。各地のページでは「奥の細道」から文章を引用して、芭蕉がどのような心境だったのかを紹介するとともに、その地で詠んだ句を掲載している。順を追って読んでいくと、まるで芭蕉と一緒に旅をしているような感覚が味わえて楽しい。俳句のサイトとしてだけでなく紀行の楽しさも味わえるサイトだと言える。
|
|
芭蕉庵ドットコム
|
おくのほそ道関連地図帳
|
■URL
芭蕉庵ドットコム
http://www.bashouan.com/
(2007/09/27)
碓氷 貫(うすい とおる)
地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。
|
- ページの先頭へ-
|
|
|
Copyright (c)2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|