■衛星画像を集めたJAXA「
地球観測研究センター」のサイト
|
地球観測研究センター
|
現在、地球の周りには無数の観測衛星が飛び回っているが、これらの衛星の情報は資源確保や災害状況の確認など、さまざまな用途に使われている。そんな衛星画像を集めたサイトが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「地球観測研究センター(EORC)」のサイトだ。同サイトで扱っている衛星は、「だいち」と呼ばれる「ALOS(陸域観測技術衛星)」や、「ADEOS-II(環境観測技術衛星)」、「ADEOS(地球観測プラットフォーム技術衛星)」などだ。
画像は掲載日、ジャンル、場所と3つの方法で検索できる。ジャンル検索では「海洋」や「大気」、「台風・洪水」、「北極・南極」など計6種類のカテゴリが用意されている。例えば「海洋」というジャンルに収録されている「2007 ラニーニャの夏」は、NASAの地球観測衛星「Aqua」に搭載されているマイクロ波放射計「AMSR-E」による海面水温偏差の時系列図を示したものだ。Google Earthのように地表の様子をそのまま移した衛星画像ではなく、センサーが捉えた特殊映像を見られる点がこのサイトの魅力といえる。
「場所で探す」を選択すると、「グローブナビゲーター」という検索用コンテンツが表示される。これは3Dの地球の映像の上にポイントを配置して、そこをクリックすると小窓に観測情報が掲載されて、さらにダブルクリックすると別ウィンドウが立ち上がって詳細映像を見られるようにしたものだ。ポイントがジャンルごとに色分けされているので、どの地域のどんな映像が用意されているのかが一目でわかる。小窓に衛星画像のサムネイルが表示されるのも便利だ。
各画像の詳細ページには、画像が掲載されているだけでなく、詳細な解説文も掲載されている。例えばオーストラリアのグレートバリアリーフを「だいち」の高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)で撮影した映像では、島の地形や歴史、自然環境の保護状況など、さまざまな角度からそのスポットについて解説するとともに、その衛星を見ることでどんな事実がわかるのかを丁寧に解説している。ちょっとした観光ガイドとしても使えるこのサイト、地球のさまざまな地域の現状を把握するためのツールとしてぜひ活用していただきたい。
|
|
衛星画像
|
グローブナビゲーター
|
■URL
地球観測研究センター(EORC)
http://www.eorc.jaxa.jp/
■電車からの風景投稿サイト「The Train Travel」
|
The Train Travel
|
フォトンとエル・エス・ディーは、電車からの車窓風景の写真を投稿できるサイト「The Train Travel」を公開した。使用している地図はGoogle Mapsで、アクセスすると日本地図上に無数の写真が配置されているのがわかる。好きなエリアを拡大して写真をクリックすると、ポップアップウィンドウが開いて写真と詳細情報が表示される。単体デジタルカメラで撮影した写真の場合は、詳細情報には撮影場所や住所に加えてメーカー名や機種名、レンズ、撮影モード、シャッタースピードや露出などの細かい撮影情報も見られる。
投稿の仕方は、画像データをメールに添付して、件名にタイトルを、メール本文の1行目に近くの駅名や場所を入力して送信するだけの簡単操作だ。携帯電話からの投稿も可能で、GPS付き携帯電話の場合は写真データに位置情報も付加できる。
また、「Google Earth」用のkmzファイルも取得できるようになっており、これを利用すると投稿写真をGoogle Earthで見られるようになる。タイムスライダーにも対応しているので、投稿の状況を時系列で追うことも可能だ。Google MapsよりもGoogle Earth上で見た方が拡大・縮小がホイールで可能だったりと使い勝手が良いので、こちらを常用するのもおすすめだ。
投稿されている写真を見ると車窓風景が多いが、電車そのものの写真や駅の構内の写真、駅舎の写真などを投稿している人もいる。また、中には動物園の中の写真など、車窓からは見えない写真が投稿されているケースもある。コンセプトはあくまでも車窓風景の投稿だが、実際はもっと幅広い使い方をされているようだ。このサイトに興味を持つ人は鉄道を好きな人が多いだろうから、珍しい車両の写真などを投稿すると人気を集めるかもしれない。
一方、地下鉄のトンネルの写真や車両センターの写真など、珍しい風景の写真も数多く投稿されている。さらに、美しい夜景や雄大な海の写真なども数多く投稿されているので、このような写真を見て電車に乗っている気分に浸るのも楽しい。さまざまな楽しみ方ができるThe Train Travelを利用すれば、鉄道ライフがもっと充実すること間違いなしだ。
なお、最近になって、オリンパスが運営するサイト「SRマッピング」とも連携した。SRマッピングは、携帯電話などで撮影された画像と位置情報を類似検索という軸で融合した画像閲覧方法を提供している。The Train TravelのポップアップウィンドウにあるSRマップピングへのリンクをクリックすることで、The Train Travelの投稿画像をSRマッピング上で閲覧でき、似た画像同士がマッピングされる。
|
|
Google Earth上に表示
|
SRマッピング上に表示
|
■URL
The Train Travel
http://train-travel.jp/
SRマッピング
http://synchroreality.com/srmapping/
■手描きで情報検索できる地図サイト「CHIZTEK」
|
CHIZTEK
|
ふむふむソフトは、手描き地図検索サイト「CHIZTEK(チズテク)」のベータ版を公開した。同サイトの特徴は、地図上にフリーハンドで丸を描くことで検索範囲を指定できる点だ。使用している地図はマイクロソフトのVirtual Earth。手描きによる検索範囲の指定と地図の移動は、地図下部に配置されたボタンで切り替えられる。手描きのモードを選択すると、マウスのポインタが鉛筆の形になるので、その状態で地図上に線を入れよう。囲った範囲が広すぎる場合は赤色で表示されるので、この場合はもっと小さい範囲を指定する。適正な範囲を指定すると緑色に変わり、囲った範囲の中でスポットを示すアイコンが表示される。
アイコンは、居酒屋や和食、イタリアン/フレンチ、中華などの「グルメ」カテゴリ、美容院などの「ビューティー」カテゴリ、ホテルや旅館などの「宿泊」カテゴリの計3種類が用意されている。地図の右側に検索結果のリストが表示されるので、リストの中から興味のあるスポットを見つけたらクリックしてみよう。そのスポットの位置が地図上で示される。
アイコンの詳細情報を見たいときは、アイコンをクリックするとポップアップウィンドウが開いて情報が表示される。スポット情報は、「グルメ」は「Hot Pepper.jp」、「ビューティー」は「Hot Pepper Beauty」、「宿泊」は「じゃらんnet」の情報を使用している。「グルメ」の場合はクーポンを取得できるリンクも掲載されている。検索した結果を「お気に入りリスト」に登録して管理したり、検索結果を友人に教えるためのURL機能が搭載されていたりと、機能も豊富だ。また、手描きで検索範囲を指定した状態でブログにも掲載できる。
なお、検索範囲は円の形でなくても構わない。複雑な形でも、最終的に囲った状態になれば検索範囲として示される。ほかの地図サイトでも、現在地の周囲を距離で指定して、その範囲のエリアを検索する機能などがあるが、CHIZTEKのように範囲を直に手描きで指定できた方が使い勝手が良いことがよくわかる。これならエリアを細かく指定できるから、検索結果に余分な場所の情報が入ることもなく効率よく情報をピックアップできるわけだ。ペンタブレットを持っている人は、それを使って指定すると、マウスよりもさらにすばやく検索範囲を指定できるだろう。
■URL
CHIZTEK
http://www.chiztek.net/
(2007/11/08)
碓氷 貫(うすい とおる)
地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。
|
- ページの先頭へ-
|
|
|
Copyright (c)2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|