■「かぐや」の地形カメラによる立体視動画
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立体視動画
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アナグリフ動画
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、月周回衛星「かぐや(SELENE)」の地形カメラによる立体動画を作成して公開した。かぐやは高度約100kmの月周回観測軌道に投入した衛星で、立体動画の作成は初期機能の確認作業の一環として行なわれた。この動画作成により、地形カメラ(TC)の前方視と後方視のステレオペアによる観測データを用いた立体視処理を正常に行なえることが日本時間の11月3日に確認された。月の極域を含むエリアの、10mの空間分解能での立体視動画が作成・公開されたのは世界初のことだという。
現在公開されているのは、「地形カメラによるDYSONクレータ付近の立体視動画」「地形カメラによるDYSONクレータ付近のアナグリフ動画」「地形カメラによる南極付近の立体視動画」の3本で、JAXAのプレスリリースからリンクが張られている。いずれも解像度は480×270ピクセルで、動画形式はFlashでの配信となっている。サイズはけっして大きくはないが、月の凹凸の様子がかなり細かくわかる映像で、まるで月の上を飛びながら地上の様子を見ているような気分に浸れる。
「地形カメラによるDYSONクレータ付近の立体視動画」は、細長いエリアの表面で、最初は遠景から始まり、次第にクレータに回転しながら近付いていく映像。「地形カメラによる南極付近の立体視動画」では、地面に接近しながらすばやく視点が移動していく様子が描かれている。
面白いのは「地形カメラによるDYSONクレータ付近のアナグリフ動画」だ。アナグリフ画像とは、赤と青のメガネを利用することで鑑賞できる立体映像のこと。ステレオペアによる地形カメラの特性を生かしたリアルな立体映像となっているので、赤青メガネを持っている人はぜひ試していただきたい。
この動画作成に使われた地形カメラ(TC)というのは、月の表面が昼間となるタイミングで、衛星の真下に対して斜め前方と斜め後方を撮影するステレオペアのカメラ。10mという高い分解能によって観測を行なうことで、月に特徴的な地形がどのように出来たのかを明らかにするための重要データを調べられるようになると期待されている。
■URL
JAXAのプレスリリース
http://www.jaxa.jp/press/2007/11/20071128_kaguya_j.html
■都道府県の訪問経験を数値化する「経県値」
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経県マップ
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ランキング
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NECビッグローブは、旅行情報サイト「BIGLOBEトラベル」において、都道府県の訪問経験を数値化する「経県値サービス」の提供を開始した。「経県値」とは、都道府県を訪れたり泊まったりした経験を数値化したものを意味する造語。「住んだ」が5点、「泊まった」が4点、「歩いた」が3点、「降り立った」が2点、「通過した」が1点、どれにも当てはまらない場合は「未経県」として0点になる。これらを47都道府県すべてで採点して、合計したものが経県値になる。
このサイトは、地図を用いて経県値を簡単に入力・集計できるようにしたコンテンツだ。使い方は簡単で、トップページの日本地図上で各都道府県にマウスオーバーすると経験レベルがポップアップで表示される。ここで自分の経験レベルを選べば入力が確定して、都道府県が色分けされる。これを47回繰り返すと、左上の「経県値」の欄に自分の経県値が示される。単に数値を示すだけでなく、色分けされた地図が見られるので、「自分は西日本に弱いな」とか、「九州にはほとんど行ってないな」といったふうに、過去の“経県”を冷静に見つめ直すことができる。
このようにして作成した地図は、「経県マップ」としてプロフィールにも保存できる。せっかく自分の履歴を示す地図を作ったのだから、コミュニケーションの手段として利用しない手はない。プロフィールへの保存は、BIGLOBEトラベルのクチコミサービスに登録することで可能となる。なお、登録すると経県マップのブログパーツがもらえる。このパーツは経県値と経県マップを同時に公開できるもので、自分の経県値が上がるとブログパーツにも反映される。これをブログに貼ることで、記事の話題にしたり、旅行後に経県値が上がったことを報告したりと、さまざまな利用方法が考えられる。
また、クチコミサービスに登録して経県値を保存すると、ランキングに登録されて順位が表示される。これを見れば、自分の経県値がほかの人と比べて高いのか低いのかがわかる。さらに、出身地別や現住所別、職業別のランキングなども用意されている。職業別のランキングを見ると、「役員・管理職」や「技術系」が上位にランクインしており、なかなか興味深い。経県値という新しい指標をテーマに、さまざまな角度から楽しめるサイトだと言える。
■URL
BIGLOBEトラベル「経県値」
http://travel.biglobe.ne.jp/keikenchi/
■アルプス社、白地図コンテンツの生成サービス
アルプス社は、白地図を使ったコンテンツを利用できる「ALPSLAB 白地図」を公開した。提供されるのは統計地図の作成サービス「統計」と、占いサービス「ラッキープレイス」の2種類。「統計」では、統計データを使ってオリジナルの統計地図を作成できる。作成の仕方は、画面左の「統計データ」の欄に、「[都道府県や市区町村のコード],[数値データ]」の順に1行ずつ改行して入力していく。入力を終えたら「塗り分け地図を表示」ボタンを押せば、右側の日本地図が塗り分けられる。左下には凡例も表示される。塗り分け数や色相系統の選択も可能だ。なお、作成した統計地図はダウンロードすることも可能で、地図下の「ダウンロード用画像の生成」欄で解像度を指定できる。プレビューボタンも用意されているので、用途に応じた統計地図画像を自由に作成可能だ。
なお、同サイトではサンプルとして、「東京23区人口」「都道府県別人口」「都道府県別人口増減数」「将来人口予測」の4つの統計地図が収録されている。「塗り分け地図の選択」のプルダウンメニューから選ぶと各地図が表示されるので、オリジナルの統計地図を作成する上で参考にするといいだろう。ちなみにサンプル地図の統計データを変更して「塗り分け地図を表示」ボタンを押すと、変更が反映された新しい地図が表示されるようになっているので、似たような地図を作る場合はサンプルデータをアレンジして作ると手間が省ける。
このような統計地図の作成サービスは他のサイトでもいくつか提供しているところがあるが、ALPSLAB 白地図はその中でもかなり使い勝手がよく、誰でも手軽に統計地図が作れるので、プレゼン資料などでお悩みのビジネスパーソンにはぜひオススメだ。また、APIも公開されているので、マッシュアップコンテンツの作成にも役立つだろう。
一方、「ラッキープレイス」の方は白地図を利用した占いサービスで、「あなたのお名前は?」の欄に姓名を入力して「I'm getting lucky」ボタンを押すだけで、その人の今日のラッキープレイスがわかる。「もし今日中にラッキープレイスの地を踏むことができたなら、ちょっと反動が怖いほどのラッキーがあなたを包むことでしょう」と意味深な言葉が書かれているが、果たしてこの占いは当たるのか? それは読者のみなさん自らで確かめていただきたい。
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統計地図
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ラッキープレイス
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■URL
ALPSLAB 白地図
http://api.alpslab.jp/white/
(2007/12/20)
碓氷 貫(うすい とおる)
地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。
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