■「多目的トイレ」の情報投稿地図サイト
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多目的トイレマップ
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安全マップ
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Be-project、ライフ・エモーション、ザイナスの3社は、全国の「多目的トイレ」の情報を地図に投稿できるサイト「多目的トイレマップ」を開設した。多目的トイレとは、スペースが広く、手すりなどが設置されたバリアフリートイレのこと。車いすの利用者などは、このサイトを利用すれば外出前にあらかじめ多目的トイレがどこにあるのかを調べられる。
使用しているのはGoogle Maps APIで、トップページから都道府県を選ぶと地図が表示される。そのまま拡大してエリアを絞っていくと、地図上に多目的トイレの場所を示す青色の丸いアイコンが表示される。アイコンをクリックするとウィンドウがポップアップしてスポット名と写真が表示され、さらにリンクをクリックすると詳細ページが表示される。
詳細ページには広さや手すりの有無、ドアの種類や重さ、利用時間、ウォッシュレットの有無、障害者用駐車場の有無、乳児用設備などさまざまな項目が用意されている。また、5点満点で評価を付ける欄もあり、投稿者の評価が一目でわかるようになっている。
多目的トイレの情報だけでなく、「HotPepper.jp」の情報を利用した周辺のバリアフリー対応のレストランの検索も可能なほか、トップページではバリアフリー関連のニュースも掲載している。同サイトはPCからだけでなく、携帯電話やWii、カーナビの「日産カーウイングス」などからも閲覧可能で、幅広い人が利用可能だ。開設されたばかりなので、投稿されている情報はまだそれほど多くはないが、全国規模のバリアフリー関連の総合情報サイトとして注目される。
また、3社は同時に、小中学校の通学路の安全マップや地域の防災マップ、Webカメラマップを調べられるサイト「安全マップ」の提供も開始した。同サービスも同じくGoogle Maps APIを利用したコンテンツだ。通学路の安全マップについては、道路の角や横断歩道など通学路の途中にあるスポットを地図上に登録した上で、「暗く見通しが悪い」「冬、凍結しやすく、滑りやすい」などのコメントを掲載している。各通学路で、どこに注意すればいいのかがわかる。
防災マップには自治体ごとの避難所がアイコンで登録されており、各避難所の避難人数などがわかる。いずれのサイトも、カバーしているエリアはまだ限られるが、これからの充実に期待したい。
■URL
多目的トイレマップ
http://wc.m47.jp/
安全マップ
http://www.anzen-map.net/
■公図と現況のずれ具合がわかる「ずれ公表システム」
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ずれ公表システム
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国土交通省は、登記所の作成による土地の区画を示した図「公図」と、現況の区画とのずれ具合がわかる「ずれ公表システム」を公開した。公図とは土地の大まかな位置や形状を知るための参考資料で、中には明治時代に作成されたものもあり、現況との違いが目立つエリアが少なくない。現在の高精度の地図に更新するための地籍調査も実施されているが、その進捗率はまだ低い水準にとどまっているという。そこで国土交通省では、公図が現況とどれくらいずれているかを把握するため、「都市再生街区基本調査」を実施し、その調査結果を今回公表した。
公図と現況がずれている場合、土地の正確な位置がわからなくて間違った場所に施設を建ててしまったり、災害時に復旧が困難になる恐れがある。また、隣地との境界確認でトラブルが起きたり、登記簿と実測の面積が異なるために土地の売買が難しくなる場合もあるという。なお、公図と現況がずれていることがわかったとしても、公図が不正確であることが明らかになるだけで、土地の所有権などには一切影響がないそうだ。
使い方は、閲覧したいエリアを日本地図からクリックして拡大していくと、地図が表示される。地図の縮尺は4段階で、ずれの状況は「精度の高い地域」「小さなずれのある地域」「ずれのある地域」「大きなずれのある地域」「極めて大きなずれのある地域」の5種類に色分けされている。ちなみに地図そのものは、区画が書いてあるだけで施設名や道路名などが一切書かれておらず、かなりわかりづらい。閲覧している場所を確認したい場合は、右メニューの「参照用地図を並べて表示」をクリックしよう。ずれの状況を示した地図が左、参照用地図が右側に配置される。参照用地図には主な施設や鉄道の路線などが書いてあり、2枚を見比べながら目的のエリアのずれの状況を確認できる。
なお、公図を正確な地図に修正するには地籍調査が必要だ。同サイトでは、実施を希望する人は自治会や町内会で話し合って地域の声として役場に相談することを勧めている。ずれが大きいエリアに住んでいる人は、境界をめぐるトラブルを招かないためにも、隣人と確認の上で境界標を設けたり実測図を作成したりすることが大切とのこと。土地を持っている人は、ぜひ自分の土地のずれ具合について同サイトで調べてみてほしい。
■URL
ずれ公表システム
http://www.land.mlit.go.jp/Kouzu_zure/
■「楽天市場」の流通状況を地図上に可視化
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楽天市場ワールド
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楽天が2007年末に開始した流通可視化サービス「楽天市場ワールド」をご存じだろうか? 同サービスは、「楽天市場」でどのような商品が売れて、どんな地域の人が購入しているのかを地図上に示したコンテンツだ。
楽天市場ワールドにアクセスすると、トップページにいきなり地図画面が表示される。そのまま地図を見ていると、「今から発送いたします!」と書かれたウィンドウが現われる。ここには商品の説明とリンクも表示されており、クリックするとその商品のページが表示される。しばらくすると、今度はトラックの絵が表示されて別のエリアに移動して、移動先でまた新たなウィンドウが開く。ウィンドウには「到着しました!」などと書かれており、商品を受け取ったユーザーの感想が読める仕組みとなっている。
楽天によると、これらの情報は、楽天市場で商品を購入した会員の中で「楽天ブログ」に購買者レビューを書き、かつプロフィールで都道府県を公開している人に限っているという。地図に反映されるまでの時間は、早ければレビューがブログに投稿されてから数分だそうだ。
楽天市場に出店しているショップは日本全国に及ぶので、地図を見ていると北は北海道から南は沖縄まで、めまぐるしく地図が移動する。日本の津々浦々でさまざまな商品が取り引きされていることが実感できて面白い。特に目的もなく見ているだけで楽しめるコンテンツであり、ボーっとしながら見ていると思わぬユニークな商品を発見したりすることもある。楽天ブログの本文にも詳細な商品の感想が書かれているので、ここでもさまざまなショッピング情報が得られるだろう。
楽天によると、同サービスを作った理由については「インターネット上での取り引きは目で見えないため、実際にどこに住んでいる人が注文し、どのお店から発送されているのかを可視化することで、ネット取り引きに不安のある方や、なじみの無い方にも親しみを持っていただければという想いから作りました」とのこと。ほかのユーザーの買い物状況を地図上で確認できるコンテンツというのは、ショッピングポータルサイトとしてはかなり珍しく、斬新な試みと言える。買い物好きの人は、この地図を見てショッピングする上での参考にしてはいかがだろうか?
■URL
楽天市場ワールド
http://ichibaworld.rakuten.jp/
(2008/03/13)
碓氷 貫(うすい とおる)
地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。
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