■「OpenStreetMap Japan」の日本サイト開設
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OpenStreetMap Japan
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ユーザーからの投稿で地図を作成するプロジェクト「OpenStreetMap(OSM)」の日本サイト「OpenStreetMap Japan」が開設された。同プロジェクトは、ハンディGPSで取得した経路情報をサーバーに投稿することで、Wikiのように地図を作成していくプロジェクトだ。誰でも自由に利用可能なフリーの地理情報データを作成することを目的としている。
普通の地図サイトは著作権の問題があるために、記述されている内容をユーザーが修正したり、新たな情報を追加することは難しいが、OSMなら誰でも自由に編集できる。同サイトでは日本におけるOSMの普及やプロジェクトへの参加啓蒙、日本語のリソース集約などを行なっていく予定だ。
地図の作成はすでに開始されている。ページ上部のメニューの中から「地図を見る」をクリックして、地図画面を見てみよう。地図はマウスドラッグによるフリースクロールが可能で、縮尺もホイールで切り替えられる。拡大していくと、道路や鉄道路線を示す線が書かれているのがわかる。普通の地図と違ってすべての情報が掲載されているわけではなく、途中で線が切れていたり、地名が書かれていない部分も多い。最も情報量が多いのは東京だが、それでも投稿されているのは主要な幹線道路や鉄道路線だけで、細かい部分の情報量はまだまだ足りない状況だ。
このように日本ではまだ始まったばかりなので、地図の内容充実のためにはさまざまな人からの投稿や編集が必要とされている。地理データを投稿するには、アカウントを登録した上で街に出て、ハンディGPSで経路データを収集する。これについては徒歩や自転車、自動車などさまざまなやり方がある。
経路情報を集めたら、OSMのデータベースに情報を追加する。この段階で、道路名や地名、施設情報などのデータを編集していく。ちなみにハンディGPSを持っていなくても、地名の編集や、衛星写真を見ながら主要な道路をなぞったりすることで地図作成に参加可能だ。
もともとは英国で始まったというこのプロジェクトは現在、インドやオランダなどさまざまな国で活動が行なわれている。日本でどれくらい盛り上がるかは未知数だが、地図そのものをユーザーの手で作り上げるという新しいコンセプトを持っている点において、大きな可能性を秘めているサイトだと言える。
■URL
OpenStreetMap Japan
http://www.openstreetmap.jp/
■全国の一等三角点の探訪サイト
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一等三角点探訪
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リスト画面
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地図を作成するための方法にはいろいろなやり方があるが、航空写真による測量が主流の現在とは違って、明治時代には「三角測量」と呼ばれる方法が使われていた。三角測量とは、三角形の一辺と二角の角度を知ることでほかの二辺の距離を割り出す方法で、この基準点として地表に配置されたのが「三角点」だ。
三角点は一等から四等まで4種類に分かれており、地図上では「△」記号で表わされている。その数は全国で10万点にも及び、そのうち最も少ない一等三角点でも972点ある。この一等三角点を巡り歩いた記録を公開しているのが「一等三角点探訪」というサイトだ。
このサイトでは、運営者が全国の一等三角点を訪ねて撮りためた写真を見られる。収録している写真の点数は現在279点。トップページのメニューから「一等三角点の写真」をクリックすると日本地図が表示されるので、ここで都道府県を選択するとリストが表示される。
各写真に添えられている詳細データには、山名と基準点コード、経度と緯度、標高、掲載されている国土地理院の地図名などが載っている。また、「探訪記録」も添えられていて、ここには詳しいレポートが掲載されている。このサイトを見て一等三角点のどれかを実際に見てみたいと思ったら、レポートを参考に計画を練ることができるわけだ。
収録されているデータはかなり多いが、検索機能が充実しているので安心だ。一等三角点の基本データを検索できる「一等三角点情報検索」に加えて、緯度と経度から該当する座標が収録されている地形図を検索できる「地形図検索」も用意されている。この「地形図検索」を使えば、一等三角点を訪ねる前に、その三角点が含まれている地形図がどれなのかを調べられる。地形図は1/10,000、1/25,000、1/50,000、1/200,000の4種類から検索可能だ。
このほか、市町村の統廃合の状況を調べられる「平成の大合併検索」というコーナーもある。これは三角点の探訪で使われる地図や、三角点の設置を記録した「点の記」にこれらの統廃合情報が反映されるまでには時間がかかるとの配慮から用意されている。
三角点についてのコラムも豊富で、「探訪できなかった三角点」というこぼれ話も掲載している。全国各地の一等三角点の写真を見ることで、測量の歴史に思いを馳せてみてはいかがだろうか?
■URL
一等三角点探訪
http://homepage2.nifty.com/sangaku/
■ミニブログサービス「Timelog」に地図機能
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「Timelog」の地図画面
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ファインアークは、ミニブログ「Timelog」のサービスを強化し、位置情報付きのメモを投稿できる機能を追加した。同サービスは、ユーザーが現在どんなことをしているのかをメモとして投稿できるサービスで、メモには属性やタグを付けたり、ほかのユーザーのメモとリンクさせることが可能だ。
今回のサービス強化により、TimelogではGPS機能付きの携帯電話から位置情報を付加したメモを投稿できるようになった。ただしプライバシーの保護の観点から、設定された時間が経過されないと地図には反映されないように配慮されている。設定時間は初期設定値が120分で、ユーザーの手で自由に変更可能だ。
また、GPSによる位置情報は環境によって精度が異なるために、携帯電話からダイレクトに投稿された場合は、地図上で「ココかも」という表記になる。一方、位置情報の投稿はPCからの投稿も可能で、PCから投稿された場合は「ココ」と確定された表記になる。携帯電話から投稿された位置情報についてもPC上から編集し直すことが可能で、この作業を経るとやはり「ココ」という表記に変更される。
地図情報を編集する時は、メモのメニューから「編集」を選択して、「地図の追加・修正」というリンクをクリックする。地図画像が小窓で表示されるので、スクロールで位置を決めるか、住所検索で位置を指定する。位置が決まったら「位置設定」ボタンを押せば緯度と経度が表示されるので、あとはタイトルを書き込んで「更新」ボタンを押せば編集完了だ。
なお、使用されている地図は「MapFan Web」のもので、地図の上に表示されるアイコンをクリックすると、別ウィンドウが立ち上がってMapFan Webのサイトにアクセスできる。地図の画面はちょっと小さいが、拡大や縮小はホイールで切り替え可能なので使い勝手は悪くない。
地図機能のほかにも、今回のリニューアルにあたってはさまざまな点が強化された。小遣いや体重の記録などに使える集計機能については携帯電話からも簡易グラフが閲覧可能になったり、評価や写真、ブックマークなどの評価機能がモバイルからも閲覧可能になったりと、細かい点で機能向上が図られている。誰でも気軽に使えるミニブログサービスとして、ぜひ活用していただきたい。
■URL
Timelog
http://timelog.jp/
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(2008/03/27)
碓氷 貫(うすい とおる)
地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。
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