■史跡写真を地図にマッピングした「日本歴史マップ」
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日本歴史マップ
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地図画面
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秋は各地で寺院や史跡の特別公開が開催されており、歴史散策には最適な時期だ。このような歴史スポットを探すのにオススメなのが、「日本歴史マップ」というサイト。このサイトは城や寺院などの史跡写真を地図にマッピングできる投稿サイトで、全国各地の史跡の映像が楽しめる。
トップページの上部メニューから「地図検索」を選ぶと、日本地図が表示される。使用しているのはGoogle Maps APIで、地図上にはいくつかのアイコンが表示される。デフォルトで表示されるのは全国の最新投稿情報で、地図の下にあるプルダウンメニューで都道府県を選ぶと、該当する県内のスポットのみに表示が絞られる。また、表示されているアイコンのスポット名のリストも並んでいるので、どんな施設が投稿されているのかがひと目でわかる。
アイコンをクリックすると、ウィンドウがポップアップして写真が表示される。複数の写真が投稿されている場合も、ウィンドウ内でスクロールしながら閲覧可能だ。写真をクリックすると、拡大写真と詳細地図が表示される。
また、投稿されたスポットにはコメントを付けることが可能で、地図の下にはコメントのリストも並んでいる。スポットによってはかなり多くのコメントが投稿されており、掲示板のようにコメント投稿者同士がコミュニケーションしている場合もよく見られる。なお、投稿にあたっては特に会員登録などは必要なく、ハンドルネームで匿名投稿できるので、気軽に参加できる。
携帯端末向けに「日本歴史マップ モバイル版」も用意されており、投稿記事の参照や記事検索などが可能だ。写真や地図の参照、スレッドの新規投稿はできないが、事前にチェックしておいた歴史スポットを出先で確認する際には便利だ。
投稿地図に加えて、「2007年 日本の城・寺院 ベスト投稿写真発表」や「篤姫の生涯 年表」などの特集記事も用意されているほか、生年月日から運命数を計算して戦国武将のタイプに当てはめて占う「日本歴史占い 戦国武将編」、指揮官レベルを診断するチェックテスト「将師の器」など、さまざまなコンテンツが用意されている。史跡巡りを計画している人は、情報収集のためにぜひ活用していただきたい。
■URL
日本歴史マップ
http://map.liveseo.biz/
■時代小説のスポットを古地図から探せる「Web時代小説切絵図」
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江戸全図
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詳細地図
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時代小説を読んでいると、昔の地名が数多く登場して混乱することがある。そんなときは頭の中だけで考えるのではなく、実際に古地図と照らし合わせながら読み進めてみてはいかがだろうか? そこで役立つのが、「Web時代小説切絵図」というサイト。このサイトは時代小説のポータルサイト「時代小説SHOW」内のコンテンツで、江戸の古地図が見られるほか、各エリアごとに、そこを舞台にどんな作品が書かれたのかを調べられる。
まずは江戸全図を見てみよう。このサイトの地図の特長は、寺社地や武家屋敷、町屋、農地など種類別に色分けしてあること。町人や武士の住むエリアがどれくらいの割合だったのかがひと目でわかるので便利だ。地図上には簡単な地名と代表的な寺社の名前が記載されているので、現在ではどこの街に該当するのか、すぐに見当が付くようになっている。
この地図では江戸の街を12エリアに分けており、各エリアをクリックすると拡大図が表示される。拡大図はさらに35の区画に分けられており、地図上をクリックすると、該当エリアを舞台にした小説のリストが右フレームに表示される。
「小石川白壁町▼五年の江戸払いから戻ってきた浜吉が暮らす長屋がある。『病みたる秘剣 風車の浜吉・捕物綴』」といったふうに、作品名だけでなく、どのような内容なのかも簡単に書かれているので、時代小説にあまり詳しくない人も楽しめる。例えば「浅草を舞台にした時代小説を読んでみたい」と思ったときなども、この地図から場所を指定すれば、すぐに検索できるわけだ。
なお、場所によってはまだ何も投稿されていないエリアがあるので、もし掲載してもらいたい小説などがあったら、どんどん投稿してみよう。時代小説ファンが集まるサイトだけに、かなりマニアックな小説もあり、コアなファンも楽しめるはずだ。
もちろん「時代小説SHOW」の方も時代小説関連の最新ニュースや新刊情報のほか、時代小説年表やコラム、ブックガイド、作家別作品リストなど、さまざまなコンテンツが用意されている。掲示板も用意されているので、ほかの時代小説ファンとコミュニケーションすることも可能だ。この秋は切絵図を見ながらお気に入りの一冊を読み、江戸時代に思いを馳せてみてはいかがだろうか?
■URL
時代小説SHOW
http://www.jidai-show.net/
■全国の学校や公共施設の分布状況がわかる「日本を学ぶ」
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小学校の分布状況
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詳細地図
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日本には小学校から大学まで、膨大な数の学校や公共施設が存在するが、それらの分布状況がひと目でわかるのが「日本を学ぶ」というサイトだ。このサイトは、教育関係者をサポートする「NICER(教育情報ナショナルセンター)」というサイト内のコンテンツで、全国の学校や博物館、美術館、図書館、天文台などの公共施設の位置をマッピングしている。
トップページに都道府県名が書かれた日本地図が表示されるので、試しに右メニューの「表示コンテンツ選択」の中から「小学校」を選んでみよう。日本地図に無数の赤丸や青丸が表示される。赤丸はWebサイトがある学校で、青丸はWebサイトを作っていない学校を示している。都道府県のいずれかをクリックすると、都道府県別の拡大地図が表示される。上部に縮尺変更用のバーが用意されているので、ここで縮尺を切り替えられる。詳細地図は10万分の1と2万5000分の1の2種類から選択可能だ。地図はフリースクロールができないので少し使いづらいのが難点だが、地名などは極力省かれており、視認性はいい。
2万5000分の1の地図上で赤丸にマウスポインタを重ねると、学校名がポップアップ表示されて、さらにクリックすると該当する学校のWebサイトへのリンクが表示される。学校へのリンク集として使うのもいいが、日本地図全体でさまざまな学校がどのように分布しているのかを直感的に把握するのにも役立つ。また、Webサイトを持っている学校と持っていない学校の割合などもわかるので便利だ。
小学校や中学校、高校、大学のほかにも、特別支援学校や大学の公開講座などの情報も載っている。また、学校だけでなく、青少年施設や博物館、美術館、天文台、図書館など、さまざまな公共施設の位置情報も収録されている。天文台の場所などは、天文に興味のある人以外はふだんあまり関心を持たないかもしれないが、こうしてあらためて分布状況を見ていると、意外と多くの天文台が存在するのに気付く。また、「史跡」という項目もあり、各地の史跡の位置とWebサイトのURLがわかるようになっている。学校から史跡までさまざまなスポットの分布状況がわかるこのサイトを利用して、身近なエリアにどのような施設があるのか調べてみていただきたい。
■URL
日本を学ぶ
http://www.nicer.go.jp/jmap/learn/Top.php
(2008/10/09)
碓氷 貫(うすい とおる)
地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。
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