■世界のパノラマ画像が「Google Earth」で閲覧可能に

　世界中のさまざまな建築物や観光地のパノラマ画像を提供しているWebサイト「360cities.net」は、同サイトに収録されているパノラマ画像を「Google Earth」上で閲覧可能にするKMLファイルを公開した。同サイトのトップページからGoogle Earthのアイコンが描かれたバナーをクリックすると、ダウンロードページにアクセスできる。

　KMLファイルをダウンロードして実行すると、Google Earthが起動してレイヤーが組み込まれる。地球上のあちこちに「360」と書かれた赤丸のアイコンが出現するので、興味のある地域のアイコンを選んでクリックしてみよう。ウィンドウがポップアップしてパノラマ画像が閲覧できる。さらに画像をクリックすると、アイコンが拡大して写真画像が入った球体となり、その球体が次第に拡大してパノラマ画像となる。まるで球体の中に入り込むような演出だ。

　パノラマ画像の右上には写真全体が小さく表示されて、現在どの部分を見ているのかを確認できる。パンやズームの操作法はGoogle Earthと全く同じなので、実に使い勝手がいい。パノラマ画像の閲覧をやめたいときには、右上の「写真を終了」ボタンを押せば元の地図画面に戻れる。

　収録されている画像は建造物が多いが、中にはストリートのものもある。例えば日本では東京・木場付近にある「深川ギャザリア」のクリスマスイルミネーションの映像が登録されているが、これはイルミネーションのある広場の映像となっている。また、これとは別に代々木公園の桜の木を写した映像も収録されていた。この写真は公園の広場に桜の花びらが敷き詰められた様子を写したもので、実に美しい。これらの画像は大きな解像度で閲覧すると読み込みに少し時間がかかるが、その分かなり鮮明できれいな写真を楽しめる。

　このほか、アジアやヨーロッパ、アフリカなど世界各国のさまざまな建造物や街の映像が用意されている。中でもドイツのベルリンにある「ホロコースト記念碑」などは、質の高い映像作品として見応えがある。Google Earthというツールの新たな可能性が感じられるコンテンツとして要注目だ。

■育児・出産に役立つ「育児応援まっぷ」

　アトラスは、出産や育児関連の施設を探せる地図サイト「育児応援まっぷ」を公開した。検索できるのは産科、産婦人科、小児科、小児歯科、耳鼻咽喉科、皮膚科などを診療科目に掲げる病院や診療所で、収録件数は約5万8000件。さらに保健所や幼稚園、保育所、小学校、図書館、美術館、博物館など育児関連の施設も約6万6000件収録している。

　トップページではエリア検索と地図検索、キーワード検索の3種類の検索方法が用意されているので、「地図から探す」をクリックしてみよう。使用している地図は「Google Maps」で、地図上には病院や医院を示す緑の丸いアイコンと、育児関連施設を示す青の四角いアイコンの2種類が並んでいる。デフォルトではこれらの施設すべてが表示される設定になっているが、地図上部のメニューからカテゴリをクリックすることで、アイコンの表示を絞り込むことも可能だ。また、上部の「場所から検索する」のキーワード欄に駅名などを入力することにより、目的のエリアをダイレクトに表示させることもできる。

　地図の右には、地図上に表示中のアイコンのリストが並んでおり、この中からどれかを選んでクリックすると、施設名の下に電話番号や住所などの基本情報が表示される。さらに、「詳細ページ」をクリックすると詳しい情報も閲覧可能で、ここでは施設周辺にある生活施設や健康施設もチェックできる。生活施設としては、コンビニやスポーツ施設、公共施設、動物病院など、健康施設では眼科や薬局、人間ドック、介護施設などが収録されている。

　また、施設周辺8km以内の出産・育児施設の1週間のアクセスランキングがわかる「ご近所アクセスランキング」も見られる。さらに「ママのひとり言」という掲示板のコーナーも用意されており、ここではユーザー同士がコミュニケーションを図れるようになっている。

　アトラスでは、「育児応援まっぷ」のほかにも、歯科医院、薬局、介護施設、眼科、動物病院などの医療施設や、公共施設、スポーツ施設、コンビニ、ホテル、旅館、学校など、さまざまな施設に特化した地図サイトを提供しており、ページ下部のメニューから選択できる。幅広い層のユーザーが目的に応じたカテゴリーを選べる地図サイトとして、これからの進化に期待したい。

■ライブカメラでも確認できる、NEXCO東日本「高速道路雪道情報」

　これから年末年始にかけて帰省やスキー旅行などで遠出を計画している人も多いと思うが、ドライバーにとって気になるのはなんといっても降雪・積雪情報。特に高速道路の積雪状況は要チェックだ。そこで役に立つのが、NEXCO東日本が提供している情報サイト「ドラぷら」にある「高速道路雪道情報」。このサイトでは、東日本の高速道路の降雪予測情報や道路状況を知らせるとともに、各地域の高速道路の路面をライブカメラで配信している。

　使用している地図はオリジナルのもので、縮尺は3段階から選択できる。マウスド ラッグによるスクロールが可能で、文字サイズも調節できるので、使い勝手はなかなかいい。右メニューの「地図サイズ」のスライドバーを動かして拡大すると、高速道路の詳しい路線図が見られる。

　降雪が予測されている場合は、その区間の色が変わって示される。予測される積雪量が1～5cmの場合は黄色、6～11cmの場合はオレンジ、12cm以上の場合は赤と3段階になっていて見やすい。雪に関する注意報や警報、地吹雪を示すアイコンなども用意されており、気象状況が厳しい場合は注意が喚起される。

　地図上には各地のIC、PA、SAなどが示されており、路線の横にはライブカメラのアイコンも配置されている。路線やアイコンの上にマウスポインタを重ねると、気温および路温、風向と風速、観測時刻などの詳細データがポップアップ表示される。天気予報サイトなどでも気温や風速などは調べられるが、路温までわかるサイトはほとんどない。道路が凍結しているかどうかの目安となる重要な情報なので、しっかりチェックしておこう。

　ポップアップ表示をさらにクリックすると、そのエリアの詳細情報が表示される。今後の天気予報や気温の推移、降雪量の予測値などの気象情報に加えて、路面状態の予測推移も見られる。路面状態の画像は「乾燥」「湿潤」「シャーベット」「積雪」「圧雪」「凍結」と6種類が用意されている。

　ライブカメラは設置数がかなり多く、アイコンをクリックすると別ウィンドウが開いて映像を見られる。これらの映像は高速道路の管制室の監視カメラを一部公開したもので、道路やSAの今の状況を写真で確認できる。ロングドライブの前にはぜひこのサイトをチェックして、冬のドライブを安全に楽しんでいただきたい。

(2008/12/04)

碓氷 貫（うすい とおる） 地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。

- ページの先頭へ-

INTERNET Watch ホームページ

Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.