■国土地理院、空中写真で国土の変遷がわかるデータベース
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地図検索画面
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航空写真
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国土地理院は、戦後から現在までに撮影された空中写真を見られる「国土変遷アーカイブ空中写真閲覧システム」をリニューアル公開した。年代別の空中写真を集めたデータベースで、国土地理院が保有する30万枚以上の空中写真を、撮影年代や写真の種類、縮尺などで検索できる。
トップページから「空中写真を見る」をクリックすると日本地図が表示される。地図上で見たい地域を直接クリックして指定できるほか、メニューから地名を指定して検索することも可能だ。また、空中写真の番号や緯度・経度での検索もできる。地図の縮尺は4段階で、上部のスライダーで切り替えられる。マウスドラッグによる移動も可能だ。
調べたい地域を表示させた上で左メニューの「検索」ボタンを押すと、地図上に空中写真があることを示すアイコンが表示される。アイコンは撮影年代により、ピンク・黒・青・緑の4種類に色分けされており、カラー写真は「C」、モノクロ写真の場合は「M」と表記される。なお、詳細検索をしたい場合は、メニューの「検索条件の設定」をクリックすると、条件を設定できる。設定できるのは撮影日の範囲指定、写真の種類、縮尺の3項目だ。この検索システムは、ジクー・データシステムズの「Quadrix Script Browser」というJavaScriptベースの地図描画エンジンを使って構築されており、さまざまな角度から検索可能でなかなか使いやすい。
アイコンの上にマウスポインタを重ねると、そのアイコンの空中写真の撮影範囲が黄色で表示される。そのままアイコンをクリックすると、空中写真が表示される。解像度は100dpiと200dpiの2種類から選択可能で、200dpiにするとかなり細かい部分まで見られる。また、撮影年月日や撮影高度、焦点距離などの詳細情報も左にまとめられているのでわかりやすい。
現在公開している写真は、1946年1月~1957年12月に撮影された約13万4000枚、1961年1月~1974年12月に撮影された15万3000枚、1975年1月~1978年12月に撮影された2万3000枚、1992年1月~2001年12月に撮影された3万6000枚、2003年1月~2006年12月に撮影された3万1000枚。国土地理院は、今後もデジタル化の完了した空中写真を順次公開していく予定だ。戦後から現在に至るまで、日本の国土がどのように姿を変えてきたのかがわかる貴重な資料として、より一層の充実を期待したい。
■URL
国土変遷アーカイブ空中写真閲覧システム
http://archive.gsi.go.jp/airphoto/
■ユニクロ、「Google Maps」を使った参加型コンテンツ
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TOKYO MARCH
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ユニクロは、参加型プロモーション「UNIQLO MARCH」の新プログラム「TOKYO MARCH」を公開した。「UNIQLO MARCH」とは、ユニクロの服を着用した人たちが一列になって行進していく映像が見られるコンテンツで、2008年10月に公開された。今回新たに公開されたのは、ユニクロファンによる行進を地図を使って表現したもので、「Google Maps」上の東京を舞台に、参加者を示すアイコンが連なって行進するさまを眺められる。
まずは「UNIQLO MARCH」のサイトにアクセスして、メニュー下のアイコンの中から「T」を選択すると「TOKYO MARCH」のページが表示される。ここでは「Google Maps」の衛星写真の画面上に、国旗の入ったアイコンが一列に並んで東京の街を進んでいく様子が見られる。それぞれのアイコンからは吹き出しがポップアップして、国旗と名前が表示される。日本はもちろん、アジアやヨーロッパ、アメリカなど世界中のさまざまな国から参加しているのがよくわかる。
自ら参加したいときは下段のメニューから「J」をクリックして、選択画面で「JOIN TOKYO MARCH」をクリックすると登録画面が表示される。ここでニックネームを登録すると、自分のアイコンが画面の中に登場して行進の列の先頭に加わる。登録の際にはブログやSNSのアドレスも入力可能で、吹き出しの中のリンクをクリックするとブログやSNSにアクセスできる。登録するには事前の申請手続きなどは必要ないので、誰もが気軽に参加できる。
新規の登録者のアイコンが次々に増えて列が伸びていく様子を見ると、このサイトの注目度の高さを実感する。同サイトは世界中のユニクロファンが結び付くことで、ファン同士のつながりを体感してもらうというのがコンセプトであり、グローバルにビジネスを展開する同社の姿勢を体現したものと言える。今回は“第一章”として東京が舞台となったが、今後は世界各都市での行進を予定しているというので要注目だ。
■URL
UNIQLO MARCH
http://www.uniqlo.com/march/
■名字の分布状況がわかる「日本名字分布図鑑」
今年の正月も全国で多数の年賀状がやりとりされたが、年賀状を見てよく思うのが、世の中には実にさまざまな名字の人がいるということ。そんな名字の多様性について地図を使って考察しているのが「日本名字分布図鑑」というサイトだ。このサイトでは、さまざまな名字がどのエリアに多く見られるのか、その分布地図を掲載している。収録しているのは、日本の名字で世帯数の多さで101位までの姓と、その他の10姓だ。
トップページから「図鑑を検索する」をクリックすると、名字のリスト画面が表示される。ブラウザの検索機能を使って探したい姓を見つけたら、クリックしてみよう。その姓の分布地図が右のフレームに表示される。収録されている分布地図は、県別の世帯数および密度、市町村別の分布地図と密度だ。市町村別の分布地図にはより詳細な地方地図も用意されていて、姓1つにつき10枚以上もの分布地図が収録されている。
また、左のフレームには該当する姓が高密度で存在する市町村のランキングが表で載っており、どこの市町村で多いのかが一覧できる。ちなみに表のすぐ上には「『ちず丸』で位置を確認する」というリンクも用意されており、これを利用すれば各市町村の位置もすぐに確認できる。
なお、同サイトでは、これまでさまざまな名字の分布を調べてきた知識を生かして、名字分布の傾向について考察を行っている。トップページの「名字分布の類型」というリンクをクリックすると、名字の分布を型ごとにまとめた資料が見られる。これによると、名字分布は「一地集中型」「二地型」「飛び地型」「分散型」「地名型」「北海道開拓型」「沖縄型」の7種類に分けられるという。
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県別分布地図
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市町村別分布地図
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■URL
日本名字分布図鑑
http://www5a.biglobe.ne.jp/~myouji/
(2009/01/15)
碓氷 貫(うすい とおる)
地図に関することならインターネットの地図サイトから紙メディア、カーナビ、ハンディGPS、地球儀まで、どんなジャンルにも首を突っ込む無類の地図好きライター。地図とコンパスとGPSを片手に街や山を徘徊する日々を送る一方で、地図関連の最新情報の収集にも余念がない。
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