【業界動向】
マイクロソフトはオープンソースを否定しない、だが……
~電子政府・自治体の「オープンソースソフトウェアの推進」に対してコメント
■URL
http://www.microsoft.com/japan/default.asp
マイクロソフト株式会社は27日、電子政府・電子自治体のシステムにおける「オープンソースソフトウェアの推進」に対して、方針および見解を発表した。同社では、オープンソースそのものを否定していないが、「現在なされている『オープンソース』の議論は、議論の対象になっている『オープンソース』が何なのかはっきりせず、大きな混乱が生じている」としている。
e-Japan計画では、たびたび電子政府・電子自治体が話題に上がり、さまざまな会合が開かれているのが現状だ。マイクロソフトでは、これら議論において、「『オープンソース』ということのみでそれらが特別なものとして扱われるのは適当ではない」としている。同社の方針としては、e-Japan計画に全社的に賛同し、オープンソースソフトと商用ソフトに関する自社、第三者機関による調査データを提示しつつ、電子政府・自治体に対するWindowsシステムの推進に務めるという。この際、「シェアードソースイニシアティブ」プログラムによって、個別契約を締結した政府、大学、企業などに対してソースコードを公開する。
また、独立系機関の調査をもとに、「オープンソースソフトウェアが商用ソフトに比べてセキュリティ面で必ずしも優れているわけではない」とも主張している。Windows 2000がISO15408のセキュリティ評価基準認定(ITセキュリティー評価のための国際基準認定)を取得したことも強調している。
さらに、コスト面の優位性も主張している。導入コストのみに焦点を当てて考えればオープンソースに利点があるが、システム構築、運用、サポートなどを総合的に考えた場合、商用ソフトのほうがコストがかからない場合があるという。
最後に、GPL(General Public License)に関してもコメントを出している。GPLが適用されたソフトをベースにユーザーが独自開発した新ソフトについても、GPLを適用しソースを公開しなくてはならない点について、「ソフトウェア自体の価格を他社に請求することができない」と指摘する。この結果、「ソフトウェアに対する知的財産権を否定するもの」であり、「日本を知的財産立国にしようとしているときGPLはこれに逆行する」と批判している。
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(2002/11/27)
[Reported by okada-d@impress.co.jp]
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