【特集】
2002年・激動のオークションシーン~主要プレイヤー各社に聞く 3●オークションは取引方法のひとつ~「楽天フリマ」http://furima.rakuten.co.jp/ 攻めの姿勢が強かったBIDDERSに対し、比較的引いた姿勢に見えた楽天。現在「楽天フリマ」内でオークション機能を提供しているが、Yahoo!オークションの課金導入に合わせて手数料割引は行なったものの、その後は出品増加を図る動きは行なっていない。楽天にとって、もはやオークションは力を入れる対象ではないのか? 楽天フリマ担当責任者の小澤隆生氏は、そうではないという。 「表向きは静かに見えたかもしれませんが、裏側ではシステム、組織を含め、非常に大きく動いていました。もともと楽天にはモールの店舗が出す『スーパーオークション』と個人間の『フリマオークション』の2つがあって、ぶつかる部分や分かりにくい部分があった。また楽天グループ内でのシナジー効果なども考慮する必要がある。そういう面から、2002年は戦略を練り直し、次に出るための土台つくりをしていました。 小澤氏はもともとビズシークという会社の代表として、中古品市場「EasySeek」を運営していた。ビズシークは2001年8月に楽天の子会社となり(2002年9月に完全子会社化)、「EasySeek」のコンテンツを用いて、2002年1月から楽天市場内で中古販売マーケットプレイス「中古市場」を開設。これと旧「楽天フリマオークション」を統合して、2002年9月に「楽天フリマ」としてリニューアルした。この際、プラットフォームはすべて楽天内に統合。現在「EasySeek」は、「楽天フリマ」のOEM先の1つという扱いだ。 「僕らも外から来て、楽天であれをやりたいこれをコレやりたいって始めたんですけど、実際にやったら非常に大変だったと(苦笑)。それで2002年は組織とシステムの準備に明け暮れてしまった。本当は7月にスタートして、インターフェイスなどを充実させよう狙いがあったんですが、調整に時間がかかって実際は9月になりました。現在3ヶ月経って、やっと落ち着いたかなと」 楽天フリマでは、決まった価格で販売する固定販売とオークションの2つの販売方法があり、好きな方法を選択できる。固定販売は手数料が販売価格の10%、オークションは5%という違いもあり、利用のされ方に違いがある。現在固定価格で180万点以上、オークションで約9万点が出品中だ。 「固定価格は法人が多く、オークションは個人が圧倒的です。例えば100円200円の書籍など、オークションで時間をかけて売るのが向いていない商品には固定商品が合っている。中古だから10%の手数料でも出品者は利益がとれますし。ただ将来的には、手数料の差をサービスとして差別化するなど、何らかのメリットをつけることは考えています。 固定価格では、値切り交渉が可能という点もある。 「価格交渉が可能な点が、実は固定価格の強み。単に値切るだけでなく、その過程を他のユーザーも見られるため、オークションとは違うアクティブ感がある。EasySeek時代からありますが、今のほうが受けている機能です。
(2002/12/2) [Reported by aoki-m@impress.co.jp] |
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