【特集】
2002年・激動のオークションシーン~主要プレイヤー各社に聞く 4●のどかな趣味の場から荒海へ~「WANTEDオークション」http://www.auction.co.jp/ Yahoo!オークション、BIDDERS、楽天フリマのいわゆる“3大オークション”以外にもオークションサイトは存在する。出品数1万点以下のところがほとんどだが、その中でこの春以降急激に出品を伸ばしているのが「WANTEDオークション」だ。春先は3,000件以下だった出品数が、現在は8万件を突破している。もともと切手とトレーディングカードが中心のこじんまりしたオークションサイトに起こったのは、“手数料無料”に目をつけたオークションユーザーの大移動だった。 「サイト自体は1998年から運営していまして、これまで会員数は1万人、出品数も2~3,000件くらいで、小規模にやっていました。それが4月くらいから会員数・出品数とも急に伸びが大きくなりまして。要はYahoo!オークションの課金導入からなんですが、それまでずっと横ばいで来ていたのが、サーバーも間に合わないような状態になってしまい、ちゃんと対応できる体制を作るのが大変でした」(WANTED運営元 WIN株式会社代表取締役・勝沼誠氏、以下同) 金融機関向けのシステム開発などを主体としている同社にとって、オークションサイトは“こういうこともできますよ”というショーケース的な存在でもあり、手数料などは無料で運営していた。今年春までは詐欺などの事件もなく、「まあ平和でしたね(笑)」と勝沼氏。そこにオークションを使いこなすユーザーが大量にやってきたことで、運営側も相当面食らったようだ。サイトの「お知らせ」コーナーの今年春の件数や内容を見ていると、ユーザーの急激な変化と要望に対応する努力が見てとれる。現在会員数は6万人を超えた。 「他のオークションサイトからきたお客さんが多いんで、要求も多いです。それで追加した機能には、評価システムやウォッチリストなどがあります。また環境面も強化し、もともと回線容量には余裕を持たせていましたが、それでも3月時点から比べて回線で倍、サーバーは4倍の規模になっています」 これまでは完全無料でやってきたが、規模が大きくなった分コストが増大。また安全面から個人認証を求める声が高かったため、10月から有料の個人認証を開始している。 「10月から1ヶ月525円で個人認証に対応しました。強制ではないため、現在利用しているのは約1,700人ほどで、出品者がほとんど。安全面では、4月くらいからいろいろトラブルが出てきたため、今は警察から捜査依頼があったものはなるべく早く開示しています。またユーザーからのクレームがあった場合、該当出品者は即入場停止(ログイン不可)にしたり、ID取得を繰り返すなどの疑わしい行為がある出品者の出品について、入札時にアラートを出すケースもあります。サイト上でも情報公開しています」 現状、参加者全員への認証は考えていないが、法的に求められれば行なっていくしかないという。なおWANTEDは、12月からLモードの公式サービスとしての提供が決定。オークションサイトでは初めての事例となる。 「安全面の観点で、Lモードからの入札は、個人認証者と代引き対応者に限定します。またLモードではアダルトは外しています。また先日から携帯電話で利用できるモバイル対応サービスを始めましたが、ID取得から出品、入札まで、画像以外はWeb版と同じことがすべて可能で、非常に利便性が高く、伸びが期待できます。今後は小回りが効くところを活かしながら、今よりも落札率を上げて、かつ安心して使えるサイトにしていきたいです」
(2002/12/2) [Reported by aoki-m@impress.co.jp] |
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