【ブロードバンド】
地域ISPでもYahoo! BB並みの低料金ADSL
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秋田県IT基盤協会の理事長を務める白神ねっとの杉澤徹氏 |
NPO法人の秋田県IT基盤協会は23日、同協会に加盟する県内の地域プロバイダー8団体が共同で、低価格のADSLサービスを4月より開始すると発表した。東北インテリジェント通信(TOHKnet)のADSL回線を使ったインターネット接続サービスを回線使用料込みで月額2,500円程度で提供する。
特に秋田県のような東京から距離のある地方の地域ISPにとって、インターネットまでのバックボーンを高速化するコストは莫大な額となる。いくらサービスエリア内でADSLが開局したとしても、それに見合うだけのバックボーンを調達すれば採算に合わず、大手ISPに対抗するだけの料金と回線品質でADSLサービスを展開するのは難しかった。それが今回は、「『秋田地域ISP』に接続することで、Yahoo! BBに対抗できる低料金が実現できた」(杉澤徹理事長)。
秋田県の主導のもとで株式会社データコアが2月からサービスを開始する「秋田地域IX」では、県内の企業や団体に無料で相互接続ポイントを提供するするほか、東京のOCN、NSPIXP、JPIXまで2.4Gbps相当のバックボーンも構築。市価の半額だという料金で、秋田からインターネットへのトランジットサービスも提供する。さらに地域ISPなどを対象に、トランジットとTOHKnetのADSL回線の組み合わせた卸売りメニューも用意した。
協会では、このメニューを共同購入。100Mbpsのトランジットを安価に確保する一方で、それぞれの自社ブランドでADSLサービスを展開することができるようになった。県内の開局エリアであれば、8団体の中から自由にISPを選択可能。未開局エリアについても、住民から300件程度の要望があればADSL事業者と協力しながらサービスを整備していく方針だ。
秋田県IT基盤協会に加盟しているのは、なまはげネット、きたうら花ねっと、秋田くまげらネット、ゆーとぴあネット、おばこネット、インターネット鹿角、鳥海インターネットサービス、白神ねっとの8団体で、料金体系についてはISPで若干異なる場合がある。また、TOHKnetのADSL回線を利用したメニューのほか、フレッツ・ADSLにも対応。フレッツ料金別で1,000円程度で提供する予定だ。
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(2003/1/24)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]