【業界動向】
情通審DSL作業班第3回会合が開催される■URL 情報通信審議会 情報通信技術分科会 事業用電気通信設備等委員会 DSL作業班(以下、DSL作業班)の第3回会合が開催された。今回の議題はスペクトル管理についての検討手法・前提条件など。TTC(情報通信技術委員会)のJJ-100.01について盛んな議論が行なわれた。 今回は、TTCのスペクトル管理標準である「JJ-100.01」の是非について議論。最初にADSLモデムチップメーカーのGlobespanVirataが、それに代わる「ベイジアンスペクトル適合性(BSC)手法」の提案から議論がスタートした。この提案は計算手法なども含み、この方法では、JJ-100.01よりもAnnexAオーバーラップ方式のフィールドデータと一致しているという。 また、ソフトバンクBBからはNTT東日本のフレッツ・ADSL 8Mタイプと、Yahoo! BBの8Mタイプについて、距離や損失と伝送速度の実測データの比較が出され、同社の孫正義氏は「NTTとうち(Yahoo! BB)では、Yahoo! BBのほうが良く見える印象で、伝送距離で劣っているとは見えない」と意見を述べた。 NTT東日本からは成宮憲一技術部長が、問題が顕在化後の対処では遅いとして事前規制の必要性を強調。ソフトバンクBBなどが求めている全面的な情報開示を行なって干渉による問題が起きているかどうか検証することについては、収容回線の事業者との守秘義務や個人情報非公開の問題があり、不可能との見解を示した。 その後議論はJJ-100.01の問題点に移り、NTT東日本から、シミュレーションは長遠域や高速域で精度が落ちると説明されると、ソフトバンクBBはJJ-100.01の精度についての見解を激しく問いただした。特に0.4mmの紙絶縁ケーブルを使ってシミュレートしている点については、NTT東日本が「以前に0.4mm紙絶縁のデータと実測とほぼ合致したためJJ-100.00の試験方法に一旦採用した」と説明すると、孫氏は「“とりあえず”で作ったものに、事実を曲げられるのは困る。何十万人ものお客が使ってるものを、事前規制されてしまうことが問題だ」と反論した。 今回の会合は2回目のような大幅な時間延長がなく、寄せられた提案を全て議論できずに閉会した。次回会合で積み残しの提案について議論が行なわれるほか、GlobespanVirataの提案に対する意見なども交わされる予定という。次回会合は1週間後の2月7日に行なわれる。 ◎関連記事 (2003/1/31) [Reported by 正田 拓也] |
|