【イベントレポート】
~ルーター界の権威Tony Li氏とチップ界の権威Bill Lynch氏が設計単一チップで40Gbpsを提供できる独自VLSIを搭載したルーターが出展■URL
5日より開催しているITソリューション展「NET&COM 2003」のNTT-PCブースでは、プロケット・ネットワークス・ジャパン株式会社の開発したVLSI(大規模集積回路)を搭載したルーターが、日本で始めてデモ展示されている。 米Procket Networks(以下、Procket)は、CiscoやJuniper Networksのルーティング技術開発に貢献したルーター界の権威Tony Li氏と、SunやIntelでチップデザインを行なったチップ界の権威Bill Lynch氏などが1999年に設立した会社で、両氏が中心となって現在のルーターの範疇に囚われないルーターの開発を行なっている。プロケット・ネットワークス・ジャパンは、2002年11月にProcketやNTT-PCと共に設立された日本法人。 NTT-PCブースでは、2002年11月の会社設立時では未公開だった単一チップで40Gbpsを提供できる独自VLSIを搭載したルーター「PRO/8801」などが出展されている。Procket製品の特徴は、通常のルーターで利用されている汎用ASICではなく、独自で設計段階から作成したVLSIを搭載している点だ。 VLSIは、通常のチップと異なりプログラムが可能なため、変更が必要な際にはチップの書き換えによって対応できるような柔軟性があるという。Li氏によって設計されたモジュールは非常に安定性が高く、プロケット・ネットワークスのコンサルティング・システム・エンジニアの中野功一氏によると、「Li氏がCiscoやJuniper Networks時代には成しえなかった“絶対に落ちないルーター”を完成させた」とのこと。なお、安定性を追及するため、カーネルにはNASAや航空機でも利用されており実績の高い「LynxOS」を採用している。 中野氏は、「データセンターやISPなどでは、今までのベストエフォートではなく、もはやTelco級(通常の電話通話と同等)の品質が求められている。従って、我々も品質が保証されたネットワーク環境を構築するための機器性能を追及しなければならない。CiscoやIntelを率いた開発者が、以前の失敗を踏まえてこの環境を実現するための機器を開発し、日本のISPやデータセンターなどに訴求していきたい」と語った。
◎関連記事 (2003/2/5) [Reported by otsu-j@impress.co.jp] |
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